修了考査合格までの道のり(自己紹介)【中編】

前回の続きです。

新卒で入ったコンサル会社は3年で退職し、地元に帰ることにしました。

仕事はそこまで嫌ではなかったですが、長い目で見て地元に戻るのが良いと判断しました(ずっと住むなら東京より地元が良かった・一人っ子である等々)。

そして、退職したこのタイミングで会計士受験に再度挑戦(専念)することを決意します。

大卒後、職歴なし無職で受験専念する度胸はありませんでしたが、職歴を得たことで、最悪失敗しても何とかなるだろうという根拠のない自信をもとに歩み出しました。

②前職退職後

コンサル時代にそれなりに貯金をしていたので、実家にお金を入れつつ住まわせてもらい、予備校(大原)代も一括で支払って、受験生活をスタートしました。

この間は本当に色々なことがありましたが、長くなるので受験の話に絞ります。

まず試験結果を先に書きます。

・1年目…税理士簿財不合格(8月)、短答不合格(12月)
・2年目…短答不合格(5月)、税理士簿財合格(8月)、短答合格(12月)
・3年目…論文合格(8月)

・1年目

1年目は正直言って勉強の仕方が甘かったです。

朝はゆっくり目に起き、予備校に行って、昼もゆっくり食べ、夕方には家に帰り、ナイターを見る

なんていう余裕をこいた生活をしていました。
(たまに遊んだりもしていました。)

それなりにしんどかった仕事からの解放感や、かつて一通り勉強しているから来年にはあっさり受かるだろうという、危機感のなさからくるものでした。

しかし、学生時代とこの頃とでは、受験の難易度や業界の状況はまるで違ったのです。

学生時代は短答の合格率が年一回とはいえ20%に迫る勢いだったので、私のような半端者でもうっかり合格してしまうようなレベルでした。

ところが私が再受験したタイミングは、不況により、公認会計士試験に合格しても監査法人に入れない人が続出していた頃で、短答の合格率が絞りこまれていた頃でした(年2回でしたが、各回5%前後で、延べ人数でも8%程度)。

約10%も合格率が下がっていたことになり、それはそれは厳しいものでした。

しかし、最初の短答受験まではそのことがはっきりと分かっておらず、8月には力試しだと思って1ヶ月近く対策して税理士試験を受けてしまう始末でした。

意外とできたかなと思いましたが、簿財共にA落ちでした。

そして、このことが短答の勉強の進捗を大幅に遅らせて、12月短答は全然ダメでした。

そもそも4月から勉強を始めて短答まで8ヶ月しかなかったのだから、危機感をもってしっかりと勉強しないといけなかったのに、状況をよく理解していませんでした。

学生時代に受けた短答より明らかに難しくなっているのに、ボーダーは5%も上がっている。

とんでもないことになっているなとそのときに初めて感じました。
(一発勝負の早慶受験をしているような感覚になりました。)

・2年目

12月短答を終え、さすがに危機感を覚え、これまでよりは勉強に力を入れました。

答練期に入り、オンタイムでちゃんと受けていました(当たり前のことですが)。

短答の問題集である肢別チェックもこなしました。

そして、5月の短答を受けました。 

それなりに難しかったけど、前回の自分とは違うはず。

合格の可能性もそれなりにあるのでは…と思っていました。

翌日の自己採点。

えっ…何でこんなに間違ってるの。。。あれも違うこれも違う。

フタを開けたらまたもや合格には程遠い点数となっていました。

また、合格点は下がっていましたが、合格率もさらに下がっていました。

よく考えたら、勉強を開始して1年ちょっと。

これだけ合格率が下がっている状況では、かなり勉強しないと合格にたどり着けない勉強期間であったにもかかわらず、通りいっぺん普通に勉強しただけでした。

この後、詳細は割愛しますが、色々と辛い出来事が起こります。
この一年は悪いことが積み重なり、自分自身が悉く否定されているような気持ちにもなりました。

でも、不思議と心が折れていない自分にも気づきました。

俺はやれる、やってやる、見返してやるくらいの気持ちで再び始動しました。

ただし、8月に再度挑戦しようと思っていた税理士簿財については、まだ試験に集中できる状況ではなくて、ほとんど対策できずに受けました。

もう一つ手応えがなかったので、落ちただろうなと気落ちしながら帰ったのを覚えています。


秋からもう一度気合いを入れ直し、しっかりと対策をして、再度12月の短答に挑みます。

過去2度落ちているので、ここで絶対に受からなければいけないという思いと、ダメだったらどうしようという思い等々、厳しい寒風の中色々なことを考えていた記憶があります。

そして、試験後…

何のために勉強してきたのだろうと思いました。

難しいと感じた問題が多く、とにかく手応えがありませんでした。

管理はとにかく時間がなくて5問くらい解けていないし、財務も過去一難しく、計算問題が全然分からないといった状況でした。

帰りのバス、どんよりした気持ちで外を見つめていたのを覚えています。

地元に近づいてきた頃、予備校仲間からのメールが届きます。

その日は税理士試験の合否通知が届いた日でもあったようでした。

簿財受験組のほとんどが少なくともどちらか片方合格していたとのことでした。

仲の良い受験生も何人かいたので、うれしく思うと同時に、自分の結果が気になってきました。

受けたときはダメだと思っていましたが、簿記論は難化していたようで、辛うじて大原のボーダーに乗っていました。

家に帰って親に確認すると…通知が届いていました。

自分の部屋に行って恐る恐る開封してみると…

「合格◯◯  合格◯◯」

と二つ並んでいました!
(◯◯は年度)

辛い一年間の闇がパーっと晴れていく感覚を覚えました。

仮にこの日の短答がダメでもこれで一番重い短答財務が免除になる。これは行けるぞ❗と初めて思えました。

ちなみに財務諸表論は、計算の自己採点結果が31点(基本的に40点(8割)以上欲しいところ)だったので、まず無理だと思っていたのですが、理論がだいぶ跳ねていたようでした(合格率も高めだった)。

気持ちが高ぶった私はすぐさま論文の勉強を開始しました。

短答の結果がどうあれ、翌年8月の論文合格を目指すのであれば、論文対策をしっかりとやらなければならないと思いました。

また、この気持ちが揺らぐのを防ぐため、あえて自己採点はしませんでした。

ひたすら租税の理論と企業法の論証カードを勉強していました。

そして約一ヶ月後…

ついに短答合格!

全く手応えがなかったですが、財務以外の科目でこれまで取ったこともないような高得点が取れていました。

管理も解いた問題は全て正解で、解く時間がなく全て3にマークをした5問のうち、2問正解していました。

財務も計算はボロボロでしたが、理論が確か全問正解だったので、何とか耐えていました。

合格率も10%程度に回復していましたが、ボーダー+5%の得点がとれており、上位5%程度の位置につけられていました。

論文の勉強に集中していて良かったです。

・3年目

論文の勉強に邁進していましたが、この際言い訳できないような学習をしようと心がけました。

具体的には、各科目ごとに評判の高い予備校の単科・教材を入手しました。

財務・監査はAXL(無くなりましたが…)、管理はLEC、企業はTACなど。

そのうえで、稼ぐ科目と守る科目に区分して勉強しました。

具体的には、財務(主に理論)、管理、租税(理論)で稼いで(科目ボーダー目標)、他は守り(52目標)とする戦略を立てました。

特に、企業法は大幅に割りきり、論証例は読むだけで暗記せず、市販の暗記カード(TAC)だけなるべく覚えて、応用して解くようにしようと考えました。

稼ぐ科目はテキスト3周を基本線として、繰り返し読んでしっかりと理解し、理解したことを記憶していくことを心がけました。

なお、この頃からテキスト中心学習法に切り替え、答練は大原・TACの全答練だけ受けました。

大原の全答練はD、E判定と振るわなかったのですが、TACの全答練は2回ともC判定だったので、可能性はあるかなと思っていました。

そして8月…
いよいよ勝負の論文です。

自分の力を出しきることができ、最後の経営学の試験前に半ば合格を確信しました。

試験後はどっと疲れがでました。

親が慰労の意味を込めて、試験2日後に沖縄旅行に連れて行ってくれました。

少し疲れが残っていましたが、元々沖縄好きだったこともあり、早々にテンションは上々に。

とても思い出深い家族旅行となりました。


そして月日は流れ、運命の11月(合格発表)…

合格していました❗

得点は、

会:59(財:62、管:54)、監:50、企:51、租:52(うち、理論23/40)、営:44
総合:53後半

となり、半ば合格を確信した後に受けた経営で盛大にやらかしていた以外は、概ね狙い通りの結果となっていました。
(特に財務は全問60超えだったので、うれしかったです。)

ちなみに合格後就活はしていません。

実は、7月の時点で現職から内定をもらっていたのです。

いつまでも無職でいるわけにいかないので、人生の保険として、ときどき採用試験を受けていました。

また、監査法人はその年すぐに地元で働ける募集枠がなかったこと、現職の採用試験において、2年以上無職であった私を高く評価してくれたことがうれしかったこと、安定志向の私は、現職の環境の方が合っているのではないかと思ったこと(監査法人に入ってもまた転職するのではないかと思ったこと)により、監査法人への就職活動はせず、現職にお世話になることを決めました。

以上、公認会計士試験合格までの道のりでした。

いや…長文が過ぎますね。。。
いい歳してひどい有り様。

後編の修了考査の受験模様は今回ほど長文にはならないと思います。

それでは、また。