見出し画像

塾講師の出発


出発の準備

解体作業が終わって、立ち退き最終日。
慣れ親しんだ、都内の寺小屋のような住処(塾)を後にしする日がやってきた。
初の車中泊のスタート。
数日後に卒業生の結婚式が、東京都内の新しいホテルで行われる。そこに参列が決まっている。
まずは、自身の新たな門出を祝い、身を清めるため車中泊の練習に選んだのは「七沢温泉」。
宇宙のパワーを得られるオブジェや波動の不思議なパワースポットだ。

身を清める

初の車中泊は思ったより快適で、ゆっくりできた。
ゆっくり温泉につかって空を見上げる。
自然の息吹。そういえば、桜が満開の季節だった。
体の中に、知らず知らずに取り込んでしまっていたのか生ぬるい優しいお湯の温かさに身を委ねる。
身体の中から、何かがお湯の中にゆっくり、じんわりと溶け出していく。
そして新しいエネルギーと入れ替える。
講師は長かったな..」とつぶやくと、
顔には微笑んでいた。

結婚式への参加

塾の生徒の結婚式に呼ばれていたK氏はその足で、結婚式場へ向かう。
晴天の小春日和。満開の桜。
新たな1歩を踏み出す2人を送る、K氏自身も同様に新たな1歩をその夜から本格的に始まる。
結婚式への参加は、思い入れのある生徒の門出を祝うことで、一旦、自身の仕事の休符を打ったようになった。
まるでビアノの演奏のよう...。
そう、この旅路は彼自身が奏でる演奏なのだ。
遅咲きのソメイヨシノが満開だった...。

いざ、出陣

東京を後にし、目的地の京都へと向かう。

温泉好きなK氏は途中、ゆっくりと下道で温泉地で車中泊をしながら向かうと決めていた。

決めつけていた日

4/8日
日付変更線を超えた深夜の山林ドライブ。
さすかに不安を覚える。
その先に待っていたのは甲府盆地の夜景でした。
「いつの間にか無理と決めつけていたんだな」
彼からのLINEの言葉。
そう、都会は希望だけでなく、その反対の魔物も住んでいる。

束の間の自由

1泊目した早朝は、朝日の中のほったらかし温泉。
管理のない温泉は、写メを撮ったりと自由気まま。
規則やルールを教えていた過去の彼とはまるで別世界。
いきなり自由の洗礼を心地よく受けたのでした。
「自由も悪くない」温泉に浸かりながら富士山を拝みながら、きっとそんな言葉とともにパワーチャージ。

目的地に到着:懐かしい記憶

4/9日
雨などの天候に備え、一気に目的地の「亀岡」へ。
事前に空き家バンクで調べ、現地の方と話はしていた。
「亀岡」はK氏の育った京都市内から数分で行ける。
近い未来に犬を飼うため、田舎の古民家に住もうとは数年前から決めていた。
その候補地が利便性の良い「亀岡」だった。

以前、仕事で通っていた道。
当時とは様変わりしていた。思ったより近代的な街。
購入を考えていた古民家は、空家バンクの規則上、内乱まで住所は教えられないが、ネット社会の今、Googleマップと写真のイメージで大体の物件の予測はつく。

下見と現地職員に挨拶

東京都は違う、穏やかなゆっくりした時間と雰囲気の対応に安堵する。
内覧までは時間がかかるようなので、慣れてきた車中泊で他の近隣の市にも問い合わせしてみることに。
年の功からか仕事柄か、対人関係は好感度を与えやすいようで、色々、地域調査をしながら住居探しと夜は温泉と規則正しい生活を得ることができた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?