マガジンのカバー画像

短編小説

32
小説まとめました ほとんど超短編小説 思いついたときに書くので不定期です
運営しているクリエイター

#大学

小説 縁 開眼

大学は無返済の奨学金が貰えることになった。高校の成績がよく入試の成績がかなりよかったからだ。寄宿舎生活の個室で勉強に集中できたからだろう。 母も喜んでいた。SNSで知り合ってオリエンテーションで友達も出来た。ただ一つ問題なのは、近くの人の未来がなんとなく見えてしまうことだ。 母にそのことを言うと、気軽に人に話してはダメよと注意された。 寄宿舎生活していた時に、なんとなくこの子、ケガするよねって思ったら体育の授業で転んで骨折して驚いたことがある。黙っていたがそれ一回の事な

小説 縁 高校生活

高校は寄宿舎生活だった。山の中にあって個室が与えられ自由に過ごせる。 私は最高点で入った特待生。授業料も生活費も無料だ。必死に勉強してよかった。母の負担もほとんどない。 朝、精神統一の時間があって、みんな校庭に並んで無の時間を過ごすように言われる。 いろんなことを考えてしまう私を見抜き、指導の先生が「無の時間を」と注意する。どうもうまくいかない。 新入生はみんなそんな感じで指導の先生の「無の時間を」という声が何度も聞こえる。 そんな朝を過ごしてから、普通に高校生活が