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しながわ水族館でみた大道芸 【2011年10月】

2011年10月の、とある祝日に見たもの。

好天に恵まれた10月10日体育の日。
地域に根ざした水族館として親しまれる「しながわ水族館」の入口付近のマリンショップ前で大道芸をやっていました。
水族館を訪れた人や、敷地続きのしながわ区民公園で余暇を楽しむ人たちが、ポンポンと器用にお手玉をしている大道芸を興味深げに眺めていたので、飛吉も見ることにしました。
大道芸人の人は、短髪で、立派な骨格を持っていそうな体躯でしたが、その風貌に対して声は突き抜けるように甲高く、その声によって大道芸としてのパフォーマンスにもかえって親しみがもてるような感じでした。
午後2時半ごろ、ちょうど水族館を楽しみ終わったタイミングでもあったので、お客さんはファミリー層を中心に子ども達も多くいました。
子ども達の中から、大道芸人の人は未就学の年齢ほどの女児を連れ出しました。
はにかむような笑顔を見せる女児に二本の細長い棒が手渡されました。
その隣で大道芸人の人は、あら、見事に皿回しを始めましたよ。
そして女児が右手に持つ棒の先端にそっとその皿を移しました。
幼女、皿回しに成功です。
はにかんだ笑顔がもう少し崩れました。
その隙をついて、大道芸人の人はもう一皿、すばやく皿回しを始めました。
右手で持つ棒の先端で回転しているお皿を見る女児の左手には、もう一本の棒。
大道芸人の人は左手の棒の先端にも、自ら皿回しをして回転している皿を移動させました。幼女、右手で皿回し、左手でも皿回し。
その顔は、はにかみを超えた、うれしはずかしの笑顔です。
周りからもあたたかい拍手が寄せられました。

出番の終えた女児を送り出した大道芸人の人は、鉄製のカップを3個持ち出しました。
こともあろうにその3個のカップを空中へ放り上げました。
空中で回転したカップは、カチャカチャカチャと心地よい音を立て重なりながら大道芸人の人の手の中に収まっていきました。
それを連続して見せると、リズミカルな動作と音がマッチして見ていて飽きません。
大道芸人の人は、真剣な顔をしながらカップを投げ操るなかで、その合間に見せる破顔がまぶしい。
見ているほうも楽しい気分が上乗せされます。
笑顔は笑顔を呼ぶね。
キャッチに失敗してカップを落とした時の渋い顔もまた、愛嬌を伴っているように思えてきてしまうから不思議です。
適度に盛り上がってきたところで、右手に3個、左手にも3個のカップを持ち、同時に宙へ投げ上げたかと思うと、それぞれが乾いた金属音を携えながらキレイに収まっていきました。
お〜〜〜〜〜っの声に拍手、一発成功に大道芸人の人もガッツポーズで喜びを表していました。

大道芸人の人は、左右の手にそれぞれ50cmほどの長さの棒を携えました。
ショー開始時から端の方に置いてあった1m50cmぐらいの高さのある帽子掛に歩み寄り、それを中央に持ち出すと、、、。
帽子掛を手に持った棒で右横から殴りつけるように叩きました!
と思う間もなく今度は逆に左側から帽子掛を叩きました。
そしてすかさず再び右から帽子掛を叩き、また左から、と交互に左右の棒で叩かれたつづける帽子掛は、魔法にでもかけられたように浮き始めたのです。
右から、左から、大道芸人の人が手にした棒で弾かれる帽子掛は、大道芸人の人に操られるように大きく回転を始めました。
帽子掛を弾いて回転させながら、右を向き、後ろを向き、左を向き、正面に戻って大道芸人の人まで一緒に回っていました。
そんな大振りで派手な帽子掛に代わって、今度はシンプルな棒を中心に構えました。
しかし中心にある棒は二本。
またしても大道芸人の人が左右から交互に弾くと、先ほどの帽子掛と同じように二本の棒が浮かび上がりました。
Oh, fantastic! ←なぜか感想が英語
音楽に合わせて、大人も子どもも手拍子を始めました。
弾かれ続ける二本の棒は、大道芸人の人の持つ左右の棒の先端でくるくるくるくる風車のように回転までしてしまいました。
お〜っの声とともに、手拍子が大きな拍手へと変わりました。

30分ほどのショーでしたが、水族館から帰るお客さんにとっても、ほどよく楽しめる時間となったのでした。

おわり

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