悪魔

 情動の夜。混沌する朝焼けに消える白い息を吐く狼は。眼差し。待つ日差しの十字架を。
 私の中にありますわ。
 シスター。あなたは美しい金色の前髪を聖堂の風に揺らしながら。
 「私の欲を。愚かな罪は、私の身体をジュクジュクと蝕み、膿を、膿が貯まるばかりで、私は。」
 「身体を。」
 「シスター。」
 「今だけは、あなたの姉になりましょう。あなたと私だけの血縁を結びましょう。」
 「委ねて。」
 「シスター。これで私の膿は無くなるのですか。これじゃあまるで、私の欲そのものでは。」
 「辛かったのね。可哀想に。」
 「あぁ。」
 「おいで。」
 「あなたは本当に修道女なのですか。私は騙されてしまったのですか。もう力が。」
 「疲れているのですね。」
 「なんて冷たい手なんだ。」
 「大好きよ。」
 「誰か助けて・・・。」
 「顔が冷たいわ。」
 「触らないで。」
 「いいのよ。」
 「あぁ。」
 「助けて。」


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