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トロイメライの想い出 -穴埋め役の原点?-

たしか小学校5年生のとき
急にクラスの放送委員の役目が回ってきた
転校していった生徒の穴埋めで

担当はたしか水曜日
役目はミキサー
授業開始前、職員室のなかを通って放送室に入り、グリーグの組曲「ペールギュント」から「朝」を校内に流す
昼食時間にはオリジナル番組を
みんなが給食を食べ終わった頃合いに、自分の教室に戻り、ひとり遅い昼食をとる

下校時間の放送も担当するが・・・
ときどきアナウンサー(女子)がサボる !!
しかたなくミキサーのわたしがアナウンサーを兼ねるはめに

下校時のテーマ曲が「トロイメライ」
バイオリンかビオラかの独奏
レコードを回し針を置き、曲がはじまる
10秒ほどのところで音量を落とす
そのあと駆け足でスタジオのマイクの前に
下校を促す代理のアナウンスをこなしたあと、また急いでミキサー室へ引き返す
音量を戻して演奏を終わりまで流す
放送室を閉めて自らも下校

だれかの穴埋め、肩代わり、もっと悪くいえば、尻拭い
この役回りはあの頃からか・・・(笑)


「トロイメライ」がシューマンの曲で
ほんらいピアノ曲だったこと
「夢」という意味をもつことを
ずうっとあとになって知った

あのときの楽器の調べがまだ耳に残っている
レコード独特の小さなノイズ音とともに・・・
YouTubeで聴き比べ、記憶と照らしあわせて、だれの演奏かも探ってみた
ミッシャ・エルマンという人の演奏か?
ウクライナ出身の男性バイオリニスト
でも確信はない


シューマンの組曲「子供の情景」を聴くとき
「トロイメライ」をめぐる感傷と
あの頃の自らの情景とがかすかによみがえる

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