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【2024J1㉒vs横浜Fマリノス】ダワンがすごいんだわん。


1.はじめに

 前節首位奪取戦で町田に1−3で敗れたガンバのリバウンドメンタリティが試されたマリノスとの一戦。4−0でガンバの完勝!!

 ガンバ、メンタル強すぎですわ。

 とはいえ、マリノスは中二日で8連戦め。気温が高く湿気むんむんの大阪では動きにキレがなくなるのもしょうがありません。一方、ガンバは1週間の準備期間がありリフレッシュしてマリノスに挑むことができました。

 では、マリノスに対してどのようなゲームプランを準備し、タクスを遂行して4−0の快勝となったのかレビューしていきます。

2.スタメン

 スタメンは前節から4人変更。出場停止の半田陸→松田陸、江川→体調不良から復帰の福岡、山下→アラーノ、ジェバリ→坂本が先発出場しました。アラーノが左WGに入ることでマリノスの右サイド、ヤンマテウス・松原健のユニットをアラーノの強度と運動量で抑え込もうとプランしたと思います。

 また、坂本一彩の起用はマリノスに対し下からつなぐ糸口が見つけられたのかと思います。つまり町田戦のように、ロングボールでプレス回避するためのジェバリでないってことです。ポヤトス監督は相手によって坂本とジェバリを使い分けているように思います。
(※マリノスの植中選手の背番が誤りです。正しくは14番です。)

マリノス戦スタメン

 前半1分。坂本がロングボールに裏抜けし、相手にプレッシャーを受けながら足裏でコントロールしコーナーをゲット。開始早々、坂本の良さがでました。ジェバリは表で受けるのは抜群ですが、坂本のように裏抜けで相手DFを下げさせるプレーはあまり得意ではありません。

 

3.ボール非保持

 マリノスに対しガンバがボール非保持のプランは、前線からのハイプレスです。宇佐美・坂本が縦関係になりアンカーの喜田を監視してプレスを掛けます。宇佐美と坂本の役割はチェンジすることがありますが、マリノスに簡単に前進させないために、ハイプレス&アンカー監視がタスクとして与えられました。

 また、前節同様ウィングの2人は中盤の守備ラインに落ち、自分の対面の選手を体の前で見ることができるポジションニングを取るようにしていました。

ガンバのボール非保持

 両WGのポジション取りやアンカー消しのタスクが遂行できないときは、マリノスにハーフスペース・大外レーンを使われて決定機を作られる場面がありました。マリノスの攻撃の特徴である、大外レーン→チャンネルランやハーフスペースアタックでマリノス宮市に2本(ポストとバー直撃)ゴールチャンスを与えてしまいましたが、ギリギリのところで事なきを得ました。

 また、マリノスはアンカー脇にISHの選手が落ちてビルドアップ隊に加わりますが、ガンバのダブルボランチのダワンと鈴木徳真はその選手を無視します。持ち場を離れず守備ラインに穴をあけません。ゾーンディフェンスの基本の「き」ですね。出張なしのお仕事です。(たまーにアラーノが出張して何の成果(ボール奪取)もないカラ出張をするのはやめてほしい笑)

出張なしの守備

 で、ガンバが設定したボールの取りどころは中谷・福岡のCBのところでした。マリノスはブロックを組まれて大外レーンにパスを出せないと、ピッチ中央から無理やり縦パスをつけることが多々あります。それを分析していたガンバは狙い所がはっきりしているので、強度をもってボールにアタックすることができていました。

ガンバの狩り場

4.ポジトラ(守→攻)

 上記のように守備をオーガナイズしたポヤトスガンバは、前向きの守備でボールを奪取することができていました。ボールを奪う(守→攻)とガンバがボールを届けるのはマリノスのアンカー脇です。【4−1−2−3】のシステムではここは狙い所ですね。アンカー脇で宇佐美・坂本がボールを保持してカウンターもしくは時間を貯金して、チーム全体で相手陣内に進んでいきます。同じ車両で進むってやつです。

アンカー脇

 前半8分。マリノスの松原からガンバDFの裏に斜めのロングパス。中谷がカバーし黒川に繋ぎました、黒川から鈴木を経由しダワンにボールが渡ります。ダワンがドリブルで喜田と渡辺を剥がして持ち上がり、アラーノへスルーパス。アラーノのクロスから坂本のシュートに繋がりました。
 相手ロングボールをきちんと繋ぐ中谷の技術の高さと、鈴木徳真の味方を助けるポジショニング、そしてこの日のMOM(個人的に)であるダワンの相手2人を剥がすドリブルとスルーパス。見事はカウンターを発動することができました。

5.ネガトラ(攻→守)

 ガンバは即時奪回をプレイモデルとして設定しています。ボールを取られたら速攻で相手にプレスをかけることで、自分たちの攻撃機会を増やすことを目的としています。ハイプレスをかけて仮に奪うことがきなくても、相手は窮屈にロングキックで逃げるパスしかできないので、精度が低くガンバのCBで回収することができます。マリノス戦でも中谷・福岡がAロペスへの苦し紛れのロングボールを何度も回収して攻撃を続けることができました。

6.ボール保持

 ガンバはマリノスに対してDFラインでボールを左右に動かし、大外レーンの選手に届けるプランを設定。大外で待つ黒川・ウェルトンにボールをクリーンに届け、バイタルエリアのスペースを突く狙いがみられました。 

バイタル攻略

 前半4分。アラーノがループシュートで先制。ガンバがロングボールで陣地を回復したところから攻撃がスタート。セカンドボールを回収し、左サイドで宇佐美・黒川・鈴木・アラーノの4人でボールを動かします。宇佐美から右の大外で待つ松田陸へサイドチェンジをしクロスを上げました。クロスはキーパに弾かれますが、中谷が出足鋭くセカンドボールを回収。持ち運んで黒川→アラーノへとボールがわたり、ループシュートでゴール。なんどかマリノスにボール触られましたが、セカンドボールを回収できる立ち位置がオーガナイズされた波状攻撃でした。

 相手のプレスが強く、後ろからボール繋げない場合もガンバは対策方法をもっています。CBからWG高精度のナナメパスです。中谷と福岡が精度高くロングパスを出せるのは大きですね。

高精度ロングパス

7.まとめ

 マリノス戦で特筆すべきは、ダワン。この日はボランチ・CB・ISH・ストライカーの役割をすべてハイレベルにプレー。一人何役やねん(褒め言葉)って感じです。加入当初は対人と空中戦の強さが特徴でしたが、今シーズンは相手を剥がすドリブルを備えています。まるでネタ・ラヴィのようなドリブル。ネタ・ラヴィがベンチなのもうなずけます。
 75分を過ぎると足をつるのはデフォルト化していますが、ガンバに欠かせないスカッドです。(ちなみに累積警告リーチです)

 そして、鈴木徳真も後ろと前を繋ぐ潤滑油として素晴らしい活躍です。ポジショニングと技術で相手のプレスを空転させます。味方が苦しいときにも顔を出してボールを預けることができ、ボール保持の時間を作ってくれます。鈴木徳真とダワンのダブルボランチはJリーグでもトップでしょう。

 4−0で快勝したガンバは選手層が厚くなってきました。今節出場した松田陸、アラーノも十分スタメンをはれますし、サブの山下、ネタ・ラヴィ、ジェバリもスタメンクラスです。また、久しぶりの出場となった食野はトップ下での適正を見せてくれました。ここに、山田康太・岸本武流・倉田秋・唐山翔自・石毛秀樹もいてますし、怪我明けの福田湧矢・中村仁郎もスタンバイしています。

 新加入の林大地はリバビリ中らしく実戦まで2〜3ヶ月かかるとのことですが、彼がリーグ終盤の10月頃に復帰すれば優勝へのラストピースとなることは間違いありません。

 CBの坂圭祐選手が栃木に完全移籍となりました。新天地での活躍を期待しています。三浦弦太が長期離脱中なのでCBが中谷・福岡・江川の3人だけとなっています。個人的にはもう1人CBがいないと厳しいと思いますので夏の移籍での獲得を期待しています。

 見事なリバウンドメンタリティを見せてくれたガンバ。次は水曜日に天皇杯3回戦宮崎(A)、第23節鳥栖(A)と九州アウェイの連戦です。梅雨は何処へといった真夏のような暑さで選手たちはしんどいでしょうが、タイトル獲得のために夏の中断の7月20日の湘南戦までもう一踏ん張りです。

 今回も長々と綴ってしましましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 ガンバれ!ガンバ大阪!!
 ではでは~

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