プロデューサー気取り⑤
「はじめまして!」
愛想よくしているが、正直イマイチである。
印象に残らないタイプの美人…
やはり麗菜の方がよかったかもしれない。
部屋に通され、広い豪華な内装に目を見張る。
「すごい部屋だな」
「すごいですよね。金牛宮は特に豪華にしてあるって聞きました」
「牡牛座の女の物欲は凄まじいからねぇ」
「確かに、お腹空いてるとほんとイライラしちゃうんですよねぇ」
「食い物は何が好きなの?」
「バ、ナ、ナ」と言いながら、跪き、崇のペニスをさする。
「オレはさぁ風呂に入りに来たんだけど
何か勘違いしてない?」
「え?」
戸惑ってやがる。マヌケ面の方が愛嬌があって記憶に残りそうだ。
「風呂沸いてるよね」
「少々お待ちください」
急いでお湯を入れに行く様に笑いを必死に堪える。
「準備しますので、少し座ってお待ちください」
「あのさぁここ、特殊浴場だよね。
風呂に入るために来てるわけでしょ?お湯入れてないとかおかしくない?」
「申し訳ありません」
「新人さんはダメだねぇ。飲み物くらい出してよ。アイスコーヒー」
「はい、ただいま」冷蔵庫からコーヒーのパックを出して、コップに注ぐ。
「それにさぁ、あれナニ?なんでレジャーボートみたいなのが立てかけてあるわけ?
オレさぁ、友達に生活安全課の警察官いるんだけど、まずいんじゃないの?」
「あ、あれは、その…」慌てふためき目が泳いでやがる。
「まぁいいや。オレは風呂に入りに来ただけだから」
服を脱ぎ出す。慌てて手伝いにくる。
「君、汗っかき?すごい汗だよ」
湯に浸かり、冷えた濡れタオルを目元に乗せて
くつろぐ。
「あー生き返るわー最近忙しくてね」
「お仕事はなにをされてるんですか」
「無職だよ」
「え」
「女に貢がれてるんだ。まぁオレの才能を対する当然の投資だよね」
「彼女さんいるんですね」
「モテて仕方ないよ。昴ちゃんもオレに一目惚れしちゃったんでしょ?」
「はい?」
「さっきオレのち○こ触ったじゃん。
それとも淫乱なの?」
「…そうですね。あたし、イナガワさんに恋してます」
タオルを外し、バスタオルをまき、浴槽のへりに座る昴を見つめる。
「オレも好きだよ」
「彼女さんのことはいいんですか?」
「ただの金ヅルだよ。なんの問題もないね」
「なら、抱いてくれませんか。身体が火照って仕方ないんです」
女なんて簡単なものだ。
続く