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シーズン2最終章 「デルタ」(完結)

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2021夏、日本はデルタ株の脅威が訪れる。 そのなかで団 勇もまた、感染する… ついに麗菜と昴は 自らの運命と戦う決心をする… 様々な三角関係が崩れ、また再生する… 2人の未来を…
お値段張りますが、満足できる出来栄えです。 単発売りはしておりません。
¥200
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#過去編

星岡 弥生

まだ暑い…まとわりつく湿気でシャツと背中がくっつく。 店の暖簾を外し今日の営業を終える… ひとまずお冷をコップに入れ、水分補給する… 冷えたものが身体に入り、 身体の重さを感じる… ラーメンの試食ばかりしているからだろうか… 高校生の頃の写真を眺めながらこれまでを 振り返る。 横浜戸部にある「星岡」は唯一無二のラーメン屋として多くの人たちに愛されている。 父、星岡 雄士の作る正統派醤油ラーメンは 何度も日本一の称号を得ている。 徹底的に肉を削いだ鶏ガラから出る 澄み切った

団 勇

星岡団の経営は順調だ。 従来の星岡のラーメンに加えて、担々麺が 好評だ。さらにテイクアウト用に汁なしの 本場四川風担々麺が当たった… 厨房も永井さんという優秀なスタッフが揃い コロナが明ければ、チェーン展開も夢じゃない… そうすれば、俺は現場に出る必要はない… 社長として指揮をとればいい… 葉月…お前を迎える体制は整っている… あとはバカなことをやめて 俺の胸に飛び込んでくればいい… 俺が守る しかし、世間はコロナの話題と五輪ばっかりだ。あとは政治家たちがオリンピック

椎名 藍(前編)

家に戻り、母親のコレクションのシャトーディケムを開ける。爽やかな香りが胸いっぱいに 広がり、全部飲むと決めた… 少し昔話をしようか…シャトーディケム君… 飲んで食えば、元気になるあたしは単純だが 幸せなんだと思う… 中学に行くのが面倒になり、テキトーに生きていたら、母親にせめて働けと言われ、 「星岡」というラーメン屋でバイトを始めた。 店の手伝いもするが、本業はこの星岡家の家事だ。あたしが来るまで、小学生の少女が すべてやっていた。 それが星岡葉月だった。 気の小さい

椎名 藍(後編)

食材探しの旅から戻ってきたのは 1週間後だった。 まず怒声が団 勇に飛んだ。 どうやら、仕込みを伝えていたようだが、彼は何もせず、 実家に帰っていた。 そして弥生は葉月を責めた。家のことを 何もしなかった。 怒り狂う2人に団と葉月は縮こまり、 あたしが事情を説明した。 すると父親は舌打ちをして、 「弥生、任せる」と言い、厨房に籠った。 居間に移動して、4人座り、 「葉月、あんた16になったね」 「…はい」 確かに一昨日なった。 「高校辞めな…結婚を早める」 「ちょっ

猿と猫 KDP第2弾刊行へ

KDP第2弾 「猿と猫」が現在審査中になります。予定通りいけば、4月2.3日には刊行となります。 このストーリーは 「デルタ」で語られた。 麗菜こと星岡葉月の高校時代が描かれた作品です。 彼女がソープ嬢となった理由… そしてそこに昴こと椎名藍がどう絡むか。 キーマンはこの男 このストーリーの主人公となる 彼は葉月と藍にどのような影響を与えたのか❓ 「デルタ」と両面から描かれる現実に 葉月こと麗菜の仕事観が導かれます。 また「デルタ」を読まずとも 一作の陵辱モノ官能小