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椎名 藍(後編)

食材探しの旅から戻ってきたのは
1週間後だった。

まず怒声が団 勇に飛んだ。
どうやら、仕込みを伝えていたようだが、彼は何もせず、
実家に帰っていた。

そして弥生は葉月を責めた。家のことを
何もしなかった。

怒り狂う2人に団と葉月は縮こまり、
あたしが事情を説明した。

すると父親は舌打ちをして、
「弥生、任せる」と言い、厨房に籠った。

居間に移動して、4人座り、
「葉月、あんた16になったね」
「…はい」
確かに一昨日なった。
「高校辞めな…結婚を早める」
「ちょっと待ってくださいよ。
なんですか。それ❓」
「黙れ部外者‼️これは家族の話だ
しゃしゃり出てくんじゃないよ」

団はニヤついている。

「ふざけんなよ‼️」
「クビだ」
「あ?」
「クビだよ。小卒は意味がわからないかい❓
出ていきな」

「姉さん…申し訳ありません。
お願いです。椎名さんは必要な人です」

「じゃあ、わかっているね」
「ハイ、高校を辞めます。それで…」
「それでなんだい?」
「…勇さんと結婚します」

「わかればいいよ。ちゃんと今夜は
愉しませてやんな。溜まってるだろうからさ」

団はニヤつきながら、厨房へ行く。

「さて、話は終わりだ。清掃しな」

だが思わぬ所で話が止まった。
万太郎だった。
「結婚は勇が一人前になってからだね。
それに、高校は出て欲しいなぁ」

スポンサーの意向ではどうにもならず、
結婚話は流れた。

しかし、何もかもうまくはいかない。
団が婚約者という形は変わらず、
葉月の寝室で堂々と寝泊まりしだし、
妊娠させればいいという発想から
毎晩のように葉月の身体を弄んだ。

あたしにできることはピルを渡すことだけだったが、かえってピルを飲ませていることがわかり、団のやりたい放題さに拍車がかかった…

葉月が高3になり、18になった日
あたしは葉月を攫った。
「藍ちゃん、出してよ」
「お前、このまま、結婚する気か」
団は葉月が高校を卒業してから
支店を任せられることになった。

「…そうだよ。結婚する。役に立たなきゃ…
異常な私ができることを…」
「なんであいつ独立できるか、知ってるか」
「頑張ったんでしょ」
「親父さんが追い出したいんだよ。ジャマなんだってさ」
「え...」
「ラーメンは作れるよ。テキトーだがな。
でもそれだけだ。腕はサッパリだよ」

チェーン店化の話と資金援助の話を教えた。
この2年、弥生の動きをチェックして
証拠を集めた。
そして、
「親父さんは何も知らないよ。
全部弥生さんが仕組んだことだ」

そう聞くと葉月は泣き崩れた。

「お金稼がなきゃ…」
「は?」
「だって、私が結婚しなきゃ、
援助打ち切られちゃうよ。店が潰れちゃうよ」
「もうほっとけよあんな店」
「イヤ‼️…役に立つ、私が異常者の私がデキルこと…」

「葉月…❓」

それから葉月の行動は早かった。
18の女が金を稼ぐ方法を探してきた。

ソープ嬢…
「おかしな私ができることは…」
団のおぞましい洗脳が葉月の視野を狭ばせている…
その目の異常さがこれ以上指摘したら
心が壊れる。いやもう壊されているのかもしれない…
あたしは自らの無力さに叫びたかった…

葉月1人その世界に飛び込ませるわけにはいかない。
2人で飛び込んだ。
バカだけどこれが最善の道と考えた。


続く

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お値段張りますが、満足できる出来栄えです。 単発売りはしておりません。

2021夏、日本はデルタ株の脅威が訪れる。 そのなかで団 勇もまた、感染する… ついに麗菜と昴は 自らの運命と戦う決心をする… 様々な三角…

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ホントにありがとうございます😭 さらによい作品を作り還元していきたいと思います♪