時には昔の話を

五月も中旬に差し掛かり、連日の初夏な気温に随分慣れてきた。
仕事終わり、不意に夜風を浴びる。
春の少し冷たい漠然とした不安な風ではなく、もうすぐそこに夏を感じる風は少し肌にまとわりつく感じだ。

夏への変わり目。
この季節はアドリア海の赤い飛行艇が水面を擦りながら飛び立つ場面が鮮明に浮かぶ。

時には過ぎ去りし日の思い出を酒を酌み交わしながら話をしてみようと思わせてくれる。