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第13夜【νガンダム(アムロ)VSサザビー(シャア)】

大佐の命?…自分の命が吸われちゃうよ。そんな愚痴が頭をよぎる。

修正用紙にバルカン砲でやられるギラドーガが描かれる原画、盾がまるで石膏のように割れてく…。盾でビームを弾くジェガンの演技があるのに、こりゃないだろう…。と思いつつも流す。

ガンダムとサザビー最終対決シーンがポロポロ上がってきた。
原画家はまちまち気味だが、サザビーとνガンダムの作画自体はしっかりした物が届いた。(たぶんサンライズサイドで原画描き直したものが混ざってる?)それでもINや中原画が足りないのは変わりない。
この最終決戦は、息抜きの1カットを除いて、全て動画の中割ラフと詰め指定を入れ、タイムシートをいじくったと記憶している。黒影もケースバイケースで入れた。

原画の指定枚数が少ない物をアポジモーター噴射炎を動画残像と使う工夫をしたり、らしくないオーバーパースの中動画ラフを入れたりもした。

νガンダムのビームサーベルがサザビーの腕を断つカットでは、
本来ビームサーベルだから相手の装甲をジリジリ焼き切るのだろうが、
アムロの感情そのまま、日本刀で一刀両断するようなアクションにした。
(プロゴルファー猿のゴルフスィングタイミングノウハウを活かす)

ガンダムの股間がサザビーのサーベルで傷ついてる…。
しかし先に通してしまった、この後のシーンのガンダムの股間部には全く傷がない。「しまった」…。気づきはしたが、作業上この部分は自分ではスルーしかないと決める。

枚数が無いから演出的にOKなのか?サザビーをνガンダムの手がリピートで殴る…。一回目と二回目の殴りをタイムシートタイミングを変えてみる…。

修正の入った爆発するライフルの前の変化を描き足したかったが流した。
サーベルがかち合うシーンのトレス線での反応をエアーブラシにしたかったが、これも流した…。無重力のアクシズ内で、岩が落ちてプチモビルスーツを潰す…。これもこのままでは「おかしいな」と思いつつも流した。

「手から鳥もち…?」違法なメジロ取りは子供の頃、経験もあるが?指先から突然鳥もち…。「宇宙空間で鳥もちってどうなんだよ…?」悩みつつも、
それでシャアのコックピットをνガンダムは回収した。そっと回収するよう
νガンダムのバーニアを小さくふた呼吸。

体力、集中力、気力の限界が来ていた。

アクシズの細かな破片に流されるνガンダムは、1カット、あえてアポジモーターバーニアを全て無くし、目の光も消し、翻弄されるガンダムの演技にした。次のシーン展開でガンダムの全力噴射を強力に魅せる為のメリハリにもなると考えた。

なんか?今の自分みたいだと思いながらカット袋にしまい込んだ。

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