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「日記」予測不能にもほどがある 昭和的実録海外ひとり旅

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既に半世紀前、プライベートでの初めての海外ひとり旅時の一年半程の日記です。 旅行日記であるにも関わらず、その地の紹介や感動などは余り書かれておらず、ただ自身の上に絶え間なく押し…
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#日記

昭和的実録 海外ひとり旅日記        予測不能にも程がある 18 ギリシャ編 (4

日記_020 再びの「なんか変」 1(-2)/jun 1978 やっぱりなぁ Ancient KorintosのAporon神殿の床のモザイクタイルは、外部でありながら鮮やかな色を今に残し、秀逸であった。 一旦Korintosに戻り、(Ancient Korintosからは直通がない)いよいよあのライオン門のMykinesに向かう。 運河寄り道でチョット時間をくってしまったか。 一段と磨きの懸かったオンボロ具合のバスは、鬱蒼とした森の中の未舗装の道をガタ

昭和的実録 海外ひとり旅日記        予測不能にも程がある トルコ編 11

日記_013 永劫の地のさがし方 23/apr 1978 パムッカレ 1 Pamukkaleはファンタスティックな光景をわれわれに示している。 本来なら洞にあるべき石筍や鍾乳石が、段々畑状になって崖肌を空に突き上 げている。 しかも最上部から炭酸カルシュウム温泉が掛け流し状態だから、段々畑がプール状となっている所にはお誂え向きの温泉(だいぶヌルい)が溜まっているという訳だ。 今日の宿をこの乳白色の華段丘の麓に見つけた。 (崖上に高級ホテルらしきはあった) この段丘

昭和的実録 海外ひとり旅日記        予測不能にも程がある トルコ編 10

日記_012 ジーンズの少女 Ece 22/apr 1978 昨日の件で寝起きは悪いのだが、Efes|Selçukの街の空気は存外気に入っている。 しばらくお世話になるかもしれないから、一旦は頭冷やして気晴らしのため、セルチュクの周辺を散策して試るか。 Efesに限らずこの辺りは本当に風光明媚で、どこに行っても文化遺産の宝庫でもあるようだから。 そそり立つ岩山を背景にもつPrieneの史蹟でジーンズのかわいい少女に出逢った。 アテナ神殿を彷彿とさせるように屹立する

昭和的実録 海外ひとり旅日記        予測不能にも程がある トルコ編 08

日記_010 再びハシュメット 14/apr 1978 保養地らしきは縁がなさそうなので(ホテルも当然高い)、バスターミナルを探してEdermitに向かう。 一旦Bergamaを目指したのだが着いてみるとあいにくの雨。 遠くの小高い頂に明らかにスタディアムと思しき陰が烟っている。 しかし「ここからはタクシーしか行く手立てがない」(そんな訳はない!これこそがトルコ人一流のビジネスへの第一歩なのだ、勿論悪気などある訳ではないのだが)と言う言葉にも抗うことなくむしろ便乗

昭和的実録 海外ひとり旅日記        予測不能にも程がある トルコ編 05

日記_007 Haşmetという男 1/apr 1978 今日は特段予定もなし、天気良し土曜日だし、月も変わって休日か。 朝カンフー好きの親父がやっているレストランで、チャイ5杯をご馳走になり、昼まで駄弁る。 (トルコ語ができる訳もなく、ただ彼が一方的にカンフーらしきことを喋っていられるのが、嬉しいらしい。自分はそれに乗っているだけ、俺もトルコ流井戸端会議が身に付いてきたか) (夕食にも立ち寄ったら食事ロハにしてくれた。決して計算しているわけではない) ベヤジッ

昭和的実録 海外ひとり旅日記        予測不能にも程がある トルコ編 03

日記_005 胎内宇宙がある 24_午後/mar 1978 小高い丘の頂にあるスレイマニエモスクは、オスマン帝国最盛期のモスクでその荘厳さに魅せられるものだが、袂に広がる金角湾の眺望もまた秀逸である。 幸いに16時の礼拝を見ることができた。 ジャーミィ(モスク)に入るには入口部の浄め所で手足、髪の毛を洗い、頭髪を隠すためか帽子をかぶり、素足で時には皮の履物を履いて入る。 ジャーミィ内部は偶像崇拝が禁じられているためか、中はがらんどうで何も無い。 しかし外観

半世紀前の日記が発端だった

自分の書いた唯一の日記が出てきた、半世紀前の日記だった。 それは会社を辞め、はて目標は?と自分に問い直した時の差し当たっての身代り策となった「海外丸腰ひとり旅」の日記であった。 B5サイズのスケジュール表の表裏にびっしりと書き込まれた、時にはスケッチやエッセイ風のメモも差し込まれたモノであった。 見返してみると・・・面白かった・・・。 当時会社に入って、4・5年経って多少仕事が回せるようになると、案の定、虚無が襲ってきた。 当時の小生意気な自分には、(今思えば全く必要