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「日記」予測不能にもほどがある 昭和的実録海外ひとり旅

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既に半世紀前、プライベートでの初めての海外ひとり旅時の一年半程の日記です。 旅行日記であるにも関わらず、その地の紹介や感動などは余り書かれておらず、ただ自身の上に絶え間なく押し…
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2023年7月の記事一覧

昭和的実録 海外ひとり旅日記        予測不能にも程がある トルコ編 04

日記_006-2 トルコをちょっと覗き見 28~30/mar 1978 ホテルの住人 ここチャラヤンホテルには何人かの長期滞在者がいる。 Kudret Okay爺さんもその一人だ。 「クデュレットオカイ」と発音していた。意味は”大丈夫かもしれません”?(何?Kudretはトルコ語で「・・かもしれない」OkayはO.Kの意味、芸名?)トルコの人名は意味があるのだと言う。 日本人名も漢字などに意味を込めることがあるが、そのまんますぎない? 英語はお互い全く通じない

昭和的実録 海外ひとり旅日記        予測不能にも程がある トルコ編 03

日記_005 胎内宇宙がある 24_午後/mar 1978 小高い丘の頂にあるスレイマニエモスクは、オスマン帝国最盛期のモスクでその荘厳さに魅せられるものだが、袂に広がる金角湾の眺望もまた秀逸である。 幸いに16時の礼拝を見ることができた。 ジャーミィ(モスク)に入るには入口部の浄め所で手足、髪の毛を洗い、頭髪を隠すためか帽子をかぶり、素足で時には皮の履物を履いて入る。 ジャーミィ内部は偶像崇拝が禁じられているためか、中はがらんどうで何も無い。 しかし外観

昭和的実録 海外ひとり旅日記        予測不能にも程がある トルコ編 02

日記_003 容疑者なのか 23/mar 1978  永久保存のポートレート 今日は寒い、警察の窓には朝から冷たい雨か。 午後、両指一本一本の指紋を取られ、胸の前に番号札を掲げさせられ、やけに眩しいフラッシュでバシャッバシャッと4方向から写真を撮られた。(トルコ警察永久保存版?) 二流映画用にしか使われないシーンかと思ったが、実際に行われているのである。 まあ容疑者なのだから仕方がないか。 裁判所は裁判を待つための人で溢れていた。 いつ呼ばれるとは知れぬ無

半世紀前の日記が発端だった

自分の書いた唯一の日記が出てきた、半世紀前の日記だった。 それは会社を辞め、はて目標は?と自分に問い直した時の差し当たっての身代り策となった「海外丸腰ひとり旅」の日記であった。 B5サイズのスケジュール表の表裏にびっしりと書き込まれた、時にはスケッチやエッセイ風のメモも差し込まれたモノであった。 見返してみると・・・面白かった・・・。 当時会社に入って、4・5年経って多少仕事が回せるようになると、案の定、虚無が襲ってきた。 当時の小生意気な自分には、(今思えば全く必要