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中学受験 底力をつける地理     「山地・川・平地」 中部地方

この問題集は「コアプラス」「メモリーチェック」に物足りない受験生のための問題集です。

  1. 「山地」は雨・雪を降らせたり、フェーン現象を起こしたり、その地の気候に大きな影響をおよぼします。江戸時代には建築用の木材、燃料の炭、和紙の原料となる木の産出地としても重要でした。

  2. 「川」は、侵食・運搬・堆積の作用によって、扇状地、三角州、平野を形成します。農業用水・生活用水・工業用水の供給元にもなります。江戸時代以前は舟運(水運)のかなめで、今の道路や鉄道の代わりを務めていました。

  3. 「平地」には平野と台地などがありますが、耕地や住宅地、工場用地などに利用しています。山間での平地は盆地になります。日本の平野は河川の作用でできた平野です。

以上を踏まえて、各地方別で重要性を考えに入れて作成したものです。五年生用ではないので歴史的項目も含まれます。

中部地方は地誌ではよく出題される地方です。地質的には西南日本と東北日本に分かれる地域だと言えます。近畿以西には二千mを超える山はありません。西南日本は古い地質で、東北日本は新しい地質となっています。三千mを超える山は、単独峰の富士山、飛騨山脈、赤石山脈にしかありません。

写真は安曇野からみた北アルプスです。


中部地方の川は日本海側に流れるものと太平洋側に注ぐものがあります。
信濃川は飛騨山脈から流れる犀川と甲武信岳から流れる千曲川が合流して信濃川となり、新潟方面に向かいます。
富山県には短くて急な川があります。飛騨山脈から流れ出る黒部川にはアーチ型ダムの第四ダムが困難な工事の末に造られました。これは観光資源にもなっています。神通川は上流に亜鉛・鉛を採掘する神岡鉱山が操業されていましたが、カドミウムが流れ出してイタイイタイ病を起こしました。
富士川は山梨県側では釜無川と笛吹川が合流して静岡県に流れ、駿河湾に注いでいます。
大井川は赤石山脈から流れ出て、駿河湾に注いでいます。江戸時代には、江戸防備のため橋も渡し船も禁止で、「川越し人足」が渡河を営んでいました。
天竜川は諏訪湖を源流として東の赤石山脈西の木曽山脈の間を流れ浜松市の東から海に注ぎます。
木曽川は木曽山脈を源流として流れています。途中で愛知県と岐阜県の県境、下流では愛知県と三重県の県境にもなっています。木曽川・長良川・揖斐川を木曽三川といい、海抜の低い地域に集まっています。河口は三重県にあります。

平野・盆地
中部地方の平野は旧国名の越後平野、美濃と尾張の二文字を取った濃尾平野が重要です。湿田の目立つ越後平野は、分水路を造ったり耕地整理を行ったりした後に日本一の穀倉地帯となりました。

盆地では山梨県の甲府盆地、信濃川沿いにあり、善光寺のある長野盆地、北アルプスの東にあり松本開智学校のある松本盆地、天竜川沿いの伊那盆地があります。「長野四平」と呼ばれるのは盆地のことで、長野平・松本平・佐久平・伊那平の四つです。

山地
糸魚川・静岡構造線=フォッサマグナは、「地溝帯」と呼ばれ、断層にはさまれた凹んだ地形です。Googleマップで見ると新潟県の糸魚川付近から松本盆地・諏訪湖・甲府盆地・富士川のラインで「凹んだ筋」が見られます。では、その西側には何があるかというと「日本の屋根」といわれる「飛騨山脈・木曽山脈・赤石山脈」です。
飛騨山脈は「北アルプス」とも呼ばれ、三千mをこえる山があり、富山・岐阜・長野・新潟県にまたがっています。中部山岳国立公園になっています。
木曽山脈は「中央アルプス」とも呼ばれ、ここには三千mをこえる山はなく、国立公園にはなっていません。
赤石山脈は「南アルプス」とも呼ばれ、三千mをこえる山があり、南アルプス国立公園となっています。富士山に次ぐ高さの北岳はここにあります。

火山の集まった八ヶ岳はそのふもとに野辺山原があります。ここは開拓されて農地になりました。高原野菜として白菜などを生産しています。

中部地方の自然地誌問題集です。基本的な問題と発展的な問題の二つからなっています。白地図もつけていますので苦手な人は塗ったりなぞったりして位置を確認してください。


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