結婚は宝くじに当たるようなものと聞いたが、実際はどうよ3話
#漫画原作部門
6、相談所にいく人の求めるもの
「どこか、良い、結婚相談所ないかな?」
地元のタウン誌をパラパラとめくる。
スイーツの店ばかり載っていて、目を奪われる。
「あー、このパフェ美味しそう!」
地元の飲食店、美容室、整体の中に、少しだけ結婚相談所や合コンの紹介がある。
少し大きめな、結婚相談所が載っている。
ブライダルカンパニー、代表 芝原蘭子
と書いてある。
「なんか、洋風な名前ね?」
詳しくこの相談所について、読んでいく。
婚活実積20年、成婚200組、ご紹介まで無料で相談します。
「紹介してくれるまで無料?」
あの詐欺のような相談所、緑の園の後だから、凄く良心的に感じる。
しばらく、タウン誌を穴が開くほど睨んで考える。
「無料(ただ)より高いものはないって聞くしね~」
しかし、何もしないと出会いは100%ない。
インターネットで、この相談所のホームページを見てみる。
お客様の声の欄がある。
お客様の声
Fさん 男性 32歳
2回女性を紹介されたが、お相手からお断りされて落ち込んでいました。
しかし、オーナーさんが、「きっと良い人がみつかる。」と励ましてくれて、3回目に紹介された女性とお付き合いすることに。
交際中も、色々と相談にのってくださり、交際一年で結婚しました。
Hさん 30歳 女性
結婚を約束した彼氏にふられて、やけになって入会しました。
すぐに紹介してくれる男性はいなかったけど、3ヶ月ほど通い、3歳年上の素敵な男性を紹介してもらいました。
その後、順調に交際し、1年半で結婚しました。
今はとても幸せです。
など、実際の元会員の声が出ていた。
「このままいつもの生活していても、出逢いは全くない!年齢的に合コンのお誘いもないだろうし。」
次の休みの日に、予約していってみるかなとブツブツ言いながら、風呂にお湯をためながら、着替えの準備をする。
お気に入りの発泡する入浴剤をいれ、浴槽に入る。
ラジカセで、[自律神経を整える音楽]をかける。
「ふう。夜勤もやっているから、自律神経は乱れている、この音楽はいやされるわぁー」
長い髪の毛を束ねて、タオルで頭を巻く。
目を閉じて、ため息をつく。
「幸せってなんだろう。」
子供の頃、実母が亡くなり父親は同じく子連れだった継母と再婚。
継母に虐待され、父親はかばうどころかいっしょになって殴る蹴る、暴言の嵐。
家庭がわからないで育った風子。
だから、早く結婚して家庭を持って幸せになりたかった。
しかし、出会う男、出会う男、常識はずれの人格ばかり。
そして、自分も人を信用できないという心の闇が結婚を遠ざけた。
幼少期の出来事が、フラッシュバックする。
鬼のような形相の継母が、金属バットで風子を殴る。
「いやーおかあさん、痛い!やめて!!」
「うるさい!家事をさぼって遊びに行きやがって!」
その後ろで、父親が腕組みをしてニヤニヤして見ている。
ーーお父さん!助けて!!
「お前、いつか母さんに殺されるぞ!?あっはっはっはー!!」
ーーえ?お父さん!?
「いやー!!」
ーーはっ。
目を開ける風子。
ベッドの上に寝ている。
「夢だったのか。」
ベッドから降りて、窓を開けてベランダに出る。
「良い天気だわ。」
ーー仕事でなければ、最高なんだけど。
数週間後、例の、ブライダルカンパニーに行ってみる。
場所は住宅街にあり、自宅と兼用しているようだ。
小さく、申し訳なさそうに看板が出ている。
庭は広く、バラがたくさん咲いている。
駐車場がないので、車は路駐する。
普通の住宅の玄関しかなく、そこのインターホンを押す。
「はーい、予約の桜田さんですねーどうぞ!」
60歳代の女性の声が応答する。
ドアが開けられ、ふくよかな女性が出てくる。
薔薇の柄のチュニックと、黒いチノパンで風子を迎え入れる。
「オーナーの芝原蘭子です、よろしくお願いします」
と礼儀正しく挨拶してきた。
「はい、桜田風子です。こちらこそよろしくお願いします」
「どうぞ、上がってください。」
「はい、失礼します。」
自宅兼相談所の建物は、大きく洋風であった。
白い壁に、白い床、ドアも白であった。
数体のフランス人形が飾られている。
出されたスリッパもふかふかで、歩きやすいもの だった。
2階の洋室に通される。
紅茶を出されて、会費やイベントなどの詳しいパンフレットが渡される。
「すいません、それを読んで待っていてくださる?お見合いのセッティングがあって。」
と芝原は席を外す。
数分後には何回か電話もなり、対応に忙しそうだった。
「あそこ(縁の園)とは違うわね。」
その様子を見て、風子は少し安心した。
ーーここなら、きっと良い人を紹介してくれる。
20分くらい待つと、芝原が戻って来た。
「お待たせして、ごめんなさい。ここは、誰かの紹介できたのかしら?」
フランスにありそうな椅子とテーブル、芝原は風子の向かいに座った。
「いえ、タウン誌をみて、来てみました。」
「結婚相談所は初めてですか?」
「1ヶ月ぐらい前に、縁の園というところに入会してました。」
「え?あそこにいったの?」
酷く驚いた顔をしている芝原。
「はい。」
冷や汗をかき、苦笑いをする風子。
「嫌な思いしなかった?」
心配そうな表情(かお)で、風子を見つめる芝原。
「え?ご存知なんですか?」
「知ってるも何も、あのオーナーはうちの会員だったのよ!」
「へ?」
芝原は隣の部屋に行き、分厚いファイルを持ってきた。
そして開いたファイルを、風子の目の前に出した。
「ほら、この人よ!」
それは、白黒でかなり若い頃の写真が貼り付けられている。
スーツ姿で、車に寄りかかり、車の商品用のポスターの真似をしているかのようなポーズとアングルだ。
この相談所に来たのが、去年のようだ。
ーーうわ~マジで引くわー
風子はかなりドン引きした。
「しかも、50歳過ぎているのに、20歳代の女の子を紹介しろ!って、いうのよ!!」
ーーマジかよー
再びドン引きする風子。
「しかも、この名前は嘘だし、あの相談所は前のオーナーから奪い取ったんだから!」
ーー嘘だらけじゃん。危ない目に遭わなくて良かった。
「しかも、事務員に猥褻な行為して、捕まったのよ。あなた、大丈夫だった?」
風子は勉強会と言われてお金払って参加したら、オーナーの女性遍歴のような話、変な会員にセクハラされた旨を話す。
「それは、高い授業料だったわね。これから、良い人と出会って幸せになるように頑張りましょう!」
「はい!」
ーー前の相談所は失敗で傷ついたけど、今回は大丈夫そうね。
「大事なことだから、お値段の話をしますね。うちは、自宅で私一人でやってますから、ボランティアのような値段にしてます。入会金30000円、月会費ではなく、年間で15000円です。」
ーーえ?めちゃめちゃ安い?そんなものなの?
「会員さんは100名くらいで、忙しいときはボランティアで手伝いに来てくれる方がいます。」
「わかりました。」
「まずは、あなたのプロフィールを書いて、お相手の条件も書いてくださいね。」
「わかりました。」
プロフィール用紙を書いていると、また電話がなる。
「ごめんなさい、バタバタしていて、プロフィール用紙を頂いたら、お互いの条件にあった方をピックアップしておくので、後日連絡しますね。」
「はい。」
ーーああ、そうだ、これが普通よね。
何も聞かれないで、いきなりお見合いはないよね?
自家用車に乗り込み、ふと、田川を思い出す。
「やっぱり、あいつ、紹介する人がいなくなったから、私が餌食になったんだろうなぁ。」
エンジンをかけると、ラジオの声がしてくる。
「サマージャンボ、発売中〜」
「あ、買って帰ろうー」
気をよくした風子は、帰りに宝くじ売り場にいく。
「ジャンボ、連番10枚、バラ10枚ください」
「ジャンボ、連番10枚、バラ10枚ですね!当たりますように!」
「ありがとうございます♪」
ーー良い人が見つかって、結婚できるといいなぁ。
それから、数週間が経過するが、ブライダルカンパニーからは全く連絡がなかった。
「折り返しの連絡来ないなぁ。忙しいのかな
?」
Tシャツにリラコの姿で、大きめのクマの縫いぐるみを抱えて携帯電話の画面を見つめる。
「こっちから、かけた方が良いのかな?」
テレビはつけていないので、クマの形をした壁掛け時計の音だけが、部屋に響く。
チッチッチッ・・・
「寝るかな?」
ーーああ、働きたくない、せめてパートになりたい。
寝室にラジカセを持っていき、[眠れるピアノ]のCDをかけて、スイートオレンジのアロマオイルをたく。
「明日も日勤だわ、さっさと寝よう」
布団にくるまり目を閉じる。
ーー幸せになりますように・・・
と願いをかけて。
更に1か月、経過した。
まだ、電話は来ない。
「待っているだけではだめかしら?」
不安と焦りが、風子の頭を支配する。
「もしかして、一人でやっているから忘れているのかも?明日電話してみよう」
そう、決心した。
「はい、ブライダルカンパニーでございます」
電話すると、芝原が出た。
「もしもし、桜田ですけど、こんにちは」
「あら、桜田さん、久びりですね、ごめんなさいね、桜田さんに合いそうな男性探しているんだけど、なかなかいなくて。」
ーーやはり、そうか・・・
「それでね、相談があるの、ご足労かけて申し訳ないんだけど、またうちにきてくれないかしら?」
スケジュール帳を取り出し、予定を確認する。
「では、来週の水曜日、私仕事休みなんです、その日の午後どうですか?」
「そうねぇ、午後の2時くらいなら大丈夫よ」
「わかりました、では来週の午後の2時に伺いますね」
「はい、待っています、失礼します」
携帯電話を切ると、風子は両腕を天井に伸ばし深呼吸する。
「今度こそ、うまくいくといいなぁ・・・」
そうぽつりと、独り言を言いながら、パソコンを開けて職場のレポートを書き始めた。
次週の水曜日、ブライダルカンパニーに自家用車で行く風子。
少し早く来てしまったため、駐車場に車を停めて車内で時間になるまで待つ。
すると、玄関から男性が一人出てくる。
ーーあ、会員の人かな?
なんて思いながら、なんとなく男性を見ていると、見覚えのある顔だった。
「あれ、あいつ、前の職場の奴じゃん」
その男性は風子が前職にいたときに、同じ職場でいた望月すばるだった。
この土地は田舎で世間が狭いので、転職するとよく学生時代の同級生や前職の職場の人に会うことも珍しくない。
驚いている風子の視線にすばるも気づき、風子を見た、そして目が合う。
すばるは風子を指さして、何か言っている。
車の窓を開けて、すばるが何をいっているか聞く風子。
「お前、桜田じゃん、久しぶり!!」
普通に声をかけてくる。
「望月くん、こんなところで会うなんてねぇ」
はっ、と何かに気づいたすばるは急に顔を赤らめる。
「桜田もここに、相談に来ているのか?」
「ええ、恥ずかしながら・・・」
しばらく沈黙が続く。
「看護師なら、結婚相手たくさんいるだろう?」
「いや、そうなら、ここに来ないよ」
「俺なんか、介護士見習いだし、もう45歳だし厳しいよ、専業主婦を希望する女性が多いらしくてさぁ、厳しいことオーナーさんに言われたよ」
再び、沈黙になる。
「あ、ごめん、そろそろ、私、約束の時間だから・・・」
「あ、わりいな」
車から降りる風子。
「桜田、良かったら、情報交換しながら婚活しないか?」
「え?」
すばるが携帯電話を取り出す。
「俺さあ、他の結婚相談所にも申し込んだけど全然紹介なくてさあ、高い入会金、月会費払ったけど、悔しくてさ。」
「え?望月くんもなの?」
ーー私だけじゃあないんだ~~~
同士をみるような目ですばるを見る風子。
「わかった、情報交換しよう」
メールアドレスを交換し、すばるとは別れた。
インターホンを押すと、
「は~~~い」
と芝原が返事をして出てくる。
薄いピンクの生地に、小さなチューリップがちりばめられたチュニックに、ラッパのようなズボンをはいて芝原が出てくる。
「どうそ、上がって下さい」
「はい、お邪魔します」
以前と同じ、2階の洋風の部屋に案内される。
洋風のテーブルと椅子があり、その椅子に腰をかける風子。
続いて、芝原が風子の向かいに座る。
「桜田さん、この前書いて頂いたお相手の条件に、バツイチで子持ちでもよいと書いてありましたが、本当にそれでよいですか?」
「はい、私は35ですし、そんなに贅沢は言えないと思うし、年齢的に出産も厳しいかと思いまして」
「あら、そう・・・・」
頬杖をつき、溜息をつく芝原。
「実は公務員で奥さんが亡くなって、2歳の子持ちの方がいたんだけど・・・・」
ーーえ?それ、いいじゃん!!紹介してほしい!!
思わず目を皿のように見開き、身を乗り出す風子。
「実はこの前、転勤しちゃったのよ~」
ーーえええ!?まじかよ~
がっくりを肩を落とす風子。
「なのでね、ご紹介できる方が見つからなくて。男性は子供を望むので40代の男性でも20代の女性がいいって言うのよねぇ~。年収200万の男性でも、20代で年収400万以上の女性が良いとか、私も困っているのよ」
「え?そうなんですか?」
ーー私なんて、条件すごく甘くない?でも、紹介できる人もいないってこと?
そこで電話がなる。
「あ、ごめんなさい、失礼します」
結局、話し合いしたが、紹介できる人が見つかったら連絡するという話で終わる。
自宅に帰り、風呂に入り短パンとTシャツ姿でソファに横になる。
ピロリン♪
携帯電話のメールの着信音がなる。
携帯電話を開き、内容を見る。
すばるからのメールであった。
「今日の収穫はどうだった?」
「収穫はゼロだね、紹介もしてもらえない」
「そうか、俺もなかなか紹介してもらえないよ、年齢がだめかなあ?」
「それは、私も同じだよ」
続けて、会話のようにメールの返事をする二人。
「今度、情報収集のために飯食いにいかないか?」
突然、食事の提案をするすばる。
「俺さ、婚活歴長いから、桜田に情報提供できると思うよ」
ーー私より経験者かあ・・・経験者の言うことは聞いた方が良いかもね
「わかった、じゃあ、来週の水曜日はどう?」
「うん、俺もちょうど休みだよ、13時はどう?」
「OK、分かった」
翌週の水曜日、すばるとの約束のお店に来た風子。
牛の柄のステーキ屋、男性が好みそうな店が外観でも伝わってくる。
「なんだか、野郎臭が漂う店ね」
そこへ、年式の古いところどころさびている軽自動車が、店の駐車場の入ってくる。
すばるだ。
「よう!待たせたな!!」
「え、ええ」
やや引きつり顔の風子。
ーーお金ないのかな?
まあ、私には関係ないか、とにかく情報収集!情報収集!!
「あそこ(ブライダルカンパニー)に通って長いの?」
メニュー表を見ながら、すばるに風子は質問した。
「もう、2年になるかな?」
かなりの苦笑いしながら、すばるが答えた。
「え?そんなに?」
「うん、あまり女性の会員さんがいないみたいなんだ。」
「そうなの?」
「あ、注文決まった?」
「うん、チキングリルにする。」
「へぇ、かわいいね。」
ピンポーンと店員を呼ぶベルを押すすばる。
店員が去ると、
「はあ、金ほしいよなぁー国は介護の人間の給料をあげてくれないよなー」
と愚痴が出た。
「そうよねー、薄給で重労働、精神も疲れるよねー」
と相槌をつく。
ふとすばるは窓の外を眺める。
美人でスタイルよくて、高そうなブランドバックを抱えている女性が歩いている。
「ああいう女は、金持ちの旦那がいるんだろうなぁ・・・金がない男は、誰にも相手にしてもらえないよー、この前に買ったサマージャンボ、高額当選してないかなー」
キョトンとした、表情ですばるをみる風子。
「あ、サマージャンボ、私も買ったよー」
話をそらそうとする風子。
「桜田も買ったのか?金欲しいよなぁー」
ようやく、二人で笑いあった。
「で、桜田は、誰か紹介してもらったか?」
「それが、私に紹介しようと思った人が、急に転勤になったらしくて、残念だったよ。」
「え?そんなことあるのか?あのオーナー、仕事遅いんじゃないのか?」
「うーん。」
しばらく難しい顔をして、考え込む風子。
「望月くんは、どう?」
「結構前に、50歳の家事手伝いを紹介されたな。」
ーーえ?50歳で家事手伝い?
「で、どうだったの?」
注文の食事が届く。
「おまたせしました、熱いので、お気を付けてお召し上がりください。」
若い女性のウェイトレスが、食事をおいていく。
肌がすべすべの、20歳代くらいの女性だ。
すばるはそのウェイトレスに見とれている。
「あのウェイトレスみたいなタイプなら、家事手伝いでも良いけどさー」
ニヤニヤと笑う、すばる。
「50歳はないわー」
「・・・・」
風子は絶句した。
「あの子、若くてかわいいから、彼氏か、旦那さんいるんじゃない?」
風子がそう答えると、能面みたいな表情になるすばる。
「そうだよなー、でも、50歳はないわ。俺より年上じゃん。親も介護に入るしさ。俺にメリットある?」
ーーそっか、確かに結婚は当人だけの問題じゃないよね。
お互いに利害が一致しないと、ダメなんだわ。
妙に納得してしまった風子。
「金払ったら、結婚出来ると思ったのになー」
思わず、本音を丸出しにするすばる。
「さっきの宝くじの話で、思い出したんだけどさー
」
伏目がちな目をして、アイスコーヒーをゆっくりすする風子。
「宝くじ?」
アイスコーヒーを飲み干す風子。
「昔、誰かに聞いたのよ、結婚は宝くじに当たるようなものだと。」
ステーキを数秒噛み締め、ふと動きが止まるすばる。
「・・・その理屈だと、結婚している人は、宝くじに当たったってことになるな?」
「そう、だね。」
唇にニンニクのスライスをつけて、両手を頭にやり体を伸ばすすばる。
「だったら、俺は結婚できないってことかーぐじ運ないしさぁー」
「それは、私もいえるわね。」
キチングリルにナイフを入れ、口に運ぶ風子。
「だって、高額当選なんて、260万分の1くらいだぜ?」
お冷を飲む、風子。
「300円なら、10枚買えばかならず当たるわよ。
」
「1億の価値のある結婚とは限らないんだな、かと言えば、100万円の価値の結婚、300円の価値の結婚?」
現金な発言をするすばる。
「自分がどうとらえるかだね?」
「なるほど、桜田、お前、かっこいいな!」
食事が終わり、お会計は割り勘で、その日は別れた。
ーー宝くじの話をしたけど、サマージャンボの結果ってどうなったのかしら?
そう思い出し、帰りに宝くじ売り場に寄る。
ドキドキしながら、結果をまつ。
ーーなんか、緊張するなぁ。
その時!
「おめでとうございます!」
宝くじ売り場の店員が言った。
ーーえ?まさか、一等の当選!?
目を皿のようにして、びびる風子。
「10000円当たってました。」
「え?あ、はい。」
期待が大き過ぎて、ずっこける風子。
ーーでも、当たったんだ!!
と喜びも束の間・・・
ーーえ?
「30000円分買って、戻ってきたの、12000円だわ、どちらにせよ、マイナスだわ。」
風子の婚活はまだまだ続く・・・
かも。
終わり!
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