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「目が覚めたら乃木坂4期生の○○でした」 第16話

ある朝、目が覚めると女の体、しかも乃木坂46の4期生になっていた○○。お見立て会をやり遂げ、年が明け、4期生にとって重要な一年である2019年が始まろうとしていた。

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年明け早々、○○は事務所に呼び出されていた。

というか、4期生は全員呼び出されていた。

理由は勿論、2月末に控える7th year birthday Liveのガイダンスの為である。

話によれば、もう先輩たちには年明け前から軽い話は行っており、4期生たちに先駆けて練習はすでに始まっているという。

それもそのはず。

乃木坂のバスラは8thまではそれまでに出した曲を全披露というとんでもないコンセプトのもと行われていた。

4期生はまだ加入して間もない為出る楽曲が少ない。

その為、他のメンバーよりは遅れて練習を開始するという。

披露する曲の一覧を見たところ、ほとんどが卒業して披露するための主要メンバーがいなくなってしまった曲だった。

水玉模様、ハルジオンが咲く頃、ないものねだり…。

田村「まさかこんな凄い曲ばっかりを4期生だけで披露させてもらえるなんて…。」

矢久保「でも大丈夫かな、卒業された先輩の代表曲な分、期待値とかハードル高くなってるんじゃない?」

○○「低めのハードルを設定して軽々飛び越えても意味ないよ。できるかわからない程度の目標の方がやる気も出るし成長できると思う。」

矢久保「○ちゃん、ストイックだね…。」

田村「17歳とは思えないな…。」

××(ハハ…ノーコメント…。)

改めて言っておくと、○○(女、17歳)の中身は××(未来から来た男子大学生、20歳)である。

ある朝起きたら突然女の体になっていた。

しかも自分のことを調べていくと、自分が2023年から2019年にタイムスリップしており、今自分は乃木坂46の4期生であるときたものだ。

今野「では、今回は導入説明だけなので、これで解散にします。音源のサンプルは各自聞いておくように。」

4期生「はい!」

○○「birthday Liveか…。」

お見立て会よりも多くの観客が集まる。

そしてお見立て会とは大きく違う、本格的な乃木坂のライブ。

××(まさか「やる側」としてライブに参加する日が来るなんてな…。)

概要が書かれた紙を見ながら、○○は帰路についた。

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翌日。

○○はとあるスタジオに呼び出されていた。

気になることといえば、

4期生全員がこのスタジオに呼び出されているのに、全員別の会議室に案内され、まだ今日は誰とも会っていないこと。

はて何の仕事だろうか。

そんなことを考えながら扉をノックする。

無人なのかと思ったが、中には人がいるのでノックして入るようにとマネージャーに言われたからである。

すると、向こうから声が返ってくる。

??「は〜い、どうぞ〜!」

聞き覚えのある声だ。

××(この独特な綺麗な声、もしかして…?)

○○「失礼します…。」

するとそこにいたのは…


○○「い、生田絵梨花…!?…さん!?」

生田「やっほ〜!」

驚いた。案内された会議室の中にはあの生田絵梨花がいたのだから。

○○「え、あの、その…。」

継ぐ言葉が出てこない。パニック。

生田「緊張しないでいいよ〜!リラックスリラックス!年明け前にレッスン中に挨拶に来てくれて一回会ってるでしょ〜?」

××(会ってません!!)

生田「あ、そうだった確認。君が○○ ○○ちゃんで合ってる?」

○○「あ、ちが…クナイワ、はい、合ってます!」

人物確認。未だに間違える。否定しかける。

生田「今日ここに呼ばれた理由は聞いてる?」

○○「いえ…4期生みんな色んな会議室に案内されただけで内容なんかは1ミリも…。」

生田「だろうねぇ〜」

生田はクスクスと笑う。

生田「じゃあ説明するとね、今度4期生ちゃん達には、乃木坂工事中に出てもらうんだけども。」

生田「あ、工事中はわかる?」

○○「あぁ、はい、勿論です」

乃木坂工事中。何年と続く乃木坂の冠番組だ。

○○がいた2023年でも続いている。

生田「そう、よかった。」

生田「で、そこで4期生PRの企画を行うことになってるの」

生田「先輩2人で4期生ちゃんを紹介するから、みんなが案内された会議室にはそれぞれ先輩メンバーがいるってこと。」

××(4期生PR…あぁ、あれか…。)

××(そっかそっか、4期生になった以上俺もアレに出るのか…。)

○○「ん…ということは…。」

生田「私が○○ちゃんを紹介して売り込むことになりました〜!」

××(…マジ!?)

まさかあの生田絵梨花に紹介されるとは思わなかった××はとても驚いた。

元々××がいた世界では生田絵梨花は4期生売り込みショーの回には出席していない。

ファンの間では外仕事で忙しいのだろうというのが暗黙の了解だったが…。

どうやらその辺に上手くこの仕事を入れ込んだらしい。

××(なんか、少し申し訳なくなってきた…。)

○○「すいません、お忙しい中お手間をお取らせして…。」

生田「あ〜、全然良いの!私自身楽しくてやってるわけだし、後輩ちゃんのこと知りたいしね〜。」

○○「…そうですか、ならいいんですけど…。」

××(あれ?そういえば、4期生売り込みショーって先輩が「2人」で4期生を紹介してたよな…?)

○○「あの、私を紹介するあと1人はどちらに…?」

○○は入り口に立っており、中央のテーブルに生田は座っているわけだが、座っているのはやや左。

右側にもう一つ椅子があり、そこは空席だ。

生田「あー、渋滞に巻き込まれてるって、多分もうすぐ…」

バタン!!

勢いよく会議室の扉が開かれる。

○○「うわっ!?」

??「すいません、遅れました!!」

生田「全然〜、○○ちゃんも今来たとこ〜!」

??「○○ちゃんって、あー!年明け前に会った会った!」

生田「そう、ちょっと蓮加ちゃんより年上だけど、立場上は蓮加ちゃんの方が先輩だからね?」

岩本「あ、じゃあ…敬語は使わなくて良いのかな?よろしくね、○○ちゃん?」

岩本蓮加。3期生。4期生を除けば当時最年少のメンバーだった。

黒髪。ロング。顔も幼い。

2019年初期の岩本蓮加に、××は懐かしみを覚えていた。

××及び○○は久保、賀喜、遠藤達と同じ世代なので、岩本は2個下にあたる。

そして、2019年1月と言うと、岩本はまだ中3。

××(未来じゃ俺より年上なんじゃないかってぐらい大人っぽくなっちゃうのになぁ…。今はこんな幼いこと…。)

○○「もしかして、私を紹介するもう1人って、岩本蓮加さん、ですか?」

生田「そうだよ、年下に紹介されて変な感じかもしれないけど、そこはまぁ、今後も続く先輩後輩の関係だから、追々慣れていこうね」

岩本「よろしく!しっかり紹介させてもらうからね!」

○○「あ、はい、よろしく…お願いします」

岩本「アハハ、なんか年上に敬語使われるの変な感じ〜!」

××(中身もまだ少し子供っぽいな…。)

岩本蓮加も××のいた世界では4期生の紹介担当を免除されていた。

中3冬という重要な時期だから学業に専念するのかと思っていたが、こちらもそんなことはなかったらしい。

××(7th year birthday liveに、工事中の収録ね…。いよいよ乃木坂として本格的に始まるって感じだな…。)




××(2019年の初期っていうと、あと何があったっけ…?)



第16話 終

続く


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まずは第二章、2019年編の導入的な。

更新が遅れて申し訳ありません。

リアルが忙しかったり、他の作品も並行してまして…。(こちらも近日公開)

特に今回、7thバスラの概要を再履修したり、誰が4期生紹介をしてなかったっけ、紹介役にして違和感ないメンバーって誰だろ、と、歴史改変がなかなか難しく…。

あ、そうそう、「○○ちゃんってどんな子なのか」というのを問うような質問が多かったので、お読みいただく皆様のイメージを統一してみようかなと。

今までのイメージと違う!って人はこれを見なかったことにしてご自分のご想像図を引き続き思い描いていただいて全然大丈夫です。

私はこの○○という人物のビジュアルは、かなり若い頃の堀北真希さんをイメージして書いています。

時折男っぽい口調が出てくるのは、ドラマ「花ざかりの君たちへ」で男装女子役を演じる堀北真希さんがイメージの中にあったりします。

なのでまぁ、顔立ちとか、体格とかは、あの方を参考にしてもらえると少しだけイメージが湧くかな、と思います。

ではまた次回。

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