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「目が覚めたら乃木坂4期生の○○でした」 第20話

ある朝、目が覚めると女の体、しかも乃木坂4期生の17人目になっていた××(現世名:○○)。工事中の体力測定回の事前ロケを終えた4期生一向に、今日はその測定回のスタジオ収録。

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設楽「ドン!さぁ始まりました乃木坂工事中、司会のバナナマンです!よろしくお願いしま〜す。」

日村「お願いしま〜す!」

設楽「そしてそして、乃木坂ちゃんで〜す。」

カメラマンが乃木坂メンバーを順々に映していく。

設楽「お、お、4期……はいはい1,2,3期…。」

設楽「さぁ、日村さん、本日の企画、発表してください、お願いします!」

日村「いきましょう!ニュー運動音痴スターを探せ!4期生体力測定!」

メンバーたちが拍手をし始める。

設楽さんが今回の企画について説明を始める。

タイトルの通り、4期生の体力測定を行いつつ、先輩たちの運動能力も改めてみた後、改めて乃木坂の運動音痴キャラをリストアップしていこうという企画だった。

そして、先日のロケでのVTRが流れ出す。

こないだの光景にナレーションや映像加工やSEが加えられ、面白おかしく編集がされている。

設楽「え、雪?どこで撮ってんの?」

そんなコメントが入りながら50メートル走の映像。

北川『すごい、景色がきれいなので、走れる気がします。』

その言葉にスタジオから笑いが起きる。

設楽「いやいや、景色がきれいとか、そういうことじゃないのよ、何を言ってんの!?」

日村「うーわ、おっそい!」


設楽「なんだろう、サンダル履いて走ってるのかな?」

日村「そうそう、そんな感じ!」

スタッフ『10秒25です』

掛橋『おー!最高記録!』

日村「いや、『おー』じゃなくて。」


ナレーター『50メートル走の結果はご覧のとおり。北川が運動音痴スターに一歩リードか?』

などといったナレーションや編集が加えられている。

××のいた世界では存在しなかった『○○』の欄が、見ていて何ともこそばゆい感覚に陥る。


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続いて中種目。

掛橋『はっ!』

ガチャンッ!

設楽「いやいや、飛べてねえなぁ…。」


ナレーション『そんな中で4期生トップは○○。』

突如呼ばれた名前にピクリと背筋が伸びる。

映像で○○が120cmの高跳びを成功させた映像が入る。

その光景にスタジオからも思わず「おおっ」という声が上がる。

バナナマンの2人も感心している様子。

××(あっちの世界の記憶では賀喜がトップだったんだけどね…。)

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設楽「おい北川、何だあれ?」

北川「え、あの、すごい、雪も降ってて…綺麗で…。あ、気持ちいいなって、いけるなって気持ちがそこにいて私がここにいる感じ…。」

先輩たちはポカーンとしたり笑顔で見守っていたり困惑していたりと、反応は三者三様、様々だった。

設楽「大丈夫かな、精神安定剤をください。」

その言葉にまたスタジオが笑いに包まれる。

既に北川の雰囲気を知っている4期生たちは「うん、うん…」と母親のような笑みとともに北川のコメントをきいていた。

✕✕(日村さん、設楽さん…。北川悠理はこういう子です…。)

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続いて1人ボールレシーブ。

日村「高い高い高い!」

先輩達「あぁ~、頑張ってぇ~…!」

日村「いや今頭で行った!」

先輩達「かわいい~!」

○○「ハハ…。悠理ちゃん…。笑」


ナレーション『そんな中珍プレーを見せてくれたのは○○。』

○○「ハハハ…ほあ?私?」

まさか自分の名前が呼ばれると思っていなかった○○はすっとんきょうな声を上げてしまった。

設楽「あれ?○○きたの?なんか今までいい成績だったけどね?」

○○『よっ…あ、おっと!』

日村「いや高すぎ高すぎ…!なんで下手な子たちってみんな高く上げすぎるのよ…!」

✕✕(あぁ…これかぁ…。)

○○『あ、待ってやばっ!』

バコン!

カメラマン『ごふっ!?』

○○『あ…。』

先輩達「ええーっ!?」

設楽「いやいやいや!カメラさんに当てちゃってんじゃん!」

日村「何やってんのよ〜!」

例のカメラマンの顔面にボールをヒットさせ、カメラまでなぎ倒す様子が放送される。

カメラの映像からは転倒「する側」からの倒れるまでの様子がしっかり写されており…。

見ていられなくなった○○は顔を手で覆ってうつむいてしまう。

自分に視線が集まっているのを感じる…。

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設楽が笑いながら詰めてくる。

設楽「○○はあれでしょ?あれわざとでしょ?」

○○「違います違います!」

設楽「あのカメラマン嫌いだったんだ?」

○○「いやいやいやいや!」

設楽「なんかアイツむかつくなぁ、スパーン!って。」

○○「違いますって~っ!」

○○の聞いたところによると、全てしっかりオンエアされたらしい…。

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続いてバンブーダンス。

設楽「へぇ~、バンブーダンスなんてあるんだ。」

早川『命預けられない…。』

先輩達「あ~…。」

設楽「いやいや、傷つけてんなぁスタッフの人…。」


ナレーション『続いて○○の番でもこんなことが…。』

設楽「あれ、また○○?」

トントントントン…。

日村「うん、なんかずっと見てるね…。タイミングがね、あれだからね。」

トントントントントントントントン…。

設楽「いや、早く入れよ、ほら今!今!」

○○『……パス!』

バナナマン「えーーーーっ!!?」

設楽「おいおいこんだけ時間使っといて!」

日村「スタッフさん無駄じゃんよずっと竹動かして!」

○○「え、だって怖くてぇ…。」

設楽「まぁまぁまぁ。わからなくもないけどもさ〜…。」

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ラダートレーニング。

ナレーション『続いては掛橋、なのだが…。』

設楽「え?なのだが?」

そしてまた転びそうになっては○○が助ける場面が流れる。

日村「危ね!掛橋危ねぇななんか!」

設楽「掛橋やばかったな、○○いなかったら。」

掛橋は申し訳なさそうに頷いては○○の方をチラチラ見ていた。

○○「いやぁ、なんか沙耶香はちょっと危ない気がして…事前に…。」

設楽「この俊敏さとか観察力をバンブーダンスでも使えりゃいいんだよ!何やってたんだよあんなじーっと見て!」

○○「本当にごめんなさいぃ…。」

○○は頭を抱えて謝るしかなかった…。


この先はVTRを経た上で、今度は先輩たちが体力測定の種目を実践するのだが、そこは割愛。

4期生達は先輩達やバナナマンが繰り広げるバラエティの様子を見ては終始笑って見ていた。

収録後。

バナナマン、先輩メンバー達と順々にスタジオを後にし、最後に4期生達が残る。

金川「なんか、これが工事中なんだね…。」

矢久保「なんか、ずっと笑って見てるしか出来なかった…。」

田村「いやでも、最初はそんなもんじゃないかな?」

北川「私はなんか、かなり喋った気がする…。」

田村「うん、まぁ、悠理ちゃんはね…。」


柴田「見てる分には面白かったんだけど、当事者になるだけでここまでついていくのに苦労するものだったなんて…。」

遠藤「私達もあんな風にバラエティ出来るようにならなきゃいけないね…。」

○○「あぁ、うん…。」

賀喜「どうかした?」

清宮「わかった!VTRで失敗した映像流されたのが恥ずかしくて落ち込んでるんだ!」

○○「とりあえず後でレイちゃんの鞄の中のみかん全部貰うね。」

清宮「えっ…。」

賀喜「…それで?本当は?」

○○「いやなんか、収録中先輩達の方から変な視線みたいなの感じた気がして…。」

早川「そりゃ、うちら入ったばっかりやもん、どんなもんか見定めるためにこっち見てたんとちゃうん?」

○○「うーん、そういうもん、なのかな?」



「うーん、なーんかあの子違和感あるんだよねぇ…。なんか見てて引っかかる…。」

「もう少し調べなくちゃ…。○○ちゃんの事。」


第20話 終

続く





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