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ALLYOURSと僕 第四章 オールユアーズin山形

オールユアーズ47都道府県ツアーでついに木村さんが山形にやってきた。しかも会場は、我が行きつけのカフェDay&CoffeeとDay&Booksというおれ得イベント。大好きなアーティストが自分の家でライブしに来てくれるのと同じ感じ。しかも第三章のインターンから夜行バスで帰ってきたその日に、今度は木村さんが山形に来てくれる。なんと素晴らしいオールユアーズウィークか。いつも行く場所にあのオールユアーズがあるというだけで大興奮ものである。

Day&Booksで行われたトークイベントで木村さんに質問をした。

「私の好きな漫画に、はじまったらはじまった時にわかるよというセリフがあります。木村さんの人生の中で、この時おれの人生は始まったんだという瞬間はありましたか?」

木村さんは少し考えてから

「まだそういう瞬間は来てないですね。というより、毎日がはじまりの日であるように、そうあろうと思っています。」

と答えた。

ちょっといじわるな質問をしただけに、無難にオールユアーズ創業の日ですという答えが返ってくると思っていた。しかし、そこはさすがの木村さんである。一枚も二枚も上手な答えが返ってきた。
僕自身もまだ人生はじまりの日が来たとは思っていない。まだ何者でもなく、何者にもなれない自分をもどかしく思っている。でもそんな次元の足掻きではなく、凡事徹底しはじまりの日々を自分から迎えにいく姿勢を持つことを教えてもらった。

この山形のイベントで初めて夏堀めぐみさんに会った。最初はめぐみさんと呼んでいた気もするけど、いつのまにかめぐやんと呼んでいる。底抜けに明るくて楽しい人なのだ。裏表のない素直な笑顔が眩しい。例えるなら、太陽かひまわりかというような今まで出会った中で最も明るい人物である。そしてこのめぐやんもなかなかに仕事人である。グラレコを描き、写真を撮り、機材をセットし、接客をする。一家に一台、いや、一会場に一めぐやんという具合だ。

めぐやんには僕がSNSで使ってるトプ画も撮っていただいた。

みんなが試着している中、1人だけ生きた標本のように全身オールユアーズを着こなしている。ちなみにこのセットアップは絶対に買いだ。超おすすめ。

山形にオールユアーズが来た2日間、頼まれたわけでもないのに勝手に接客やセッティング、片付けをしてずうずうしくも打ち上げまで参加した。でもこういう暖簾の内側に入って楽しくやろうよというのがオールユアーズなのだ。ただ服を買って終わりじゃない。買った後、服を着ることによって日常をより楽にしてくれる。着続けることによってより関係性が深くなる。
そして、東京に来れない人がいるなら僕らが会いに行くといって、代表自ら全国ツアーをしてくれる。こんなブランドが他にあるだろうか。しみじみとここの服を買ってよかった。オールユアーズを好きでよかったと思った。


しかし僕は、悔しかった
正直言って、全国ツアーの中でも集客数は少なくコストに見合っていなかったと思う。山形でオールユアーズの話ができるのは、2人しかいないし、ほとんどの人がたまたま来たらイベントやってたという状態だった。こんなに素晴らしいと思うものが、目の前にあるのにそれを広める力のない自分にもどかしい思いがした。もっと自分にコンテンツ力があったら、宣伝できるほど人脈が広かったら、地元だからこそできることがあったんじゃないか、地元に来てくれるからこそ自分がやらなきゃいけないんじゃないか、ただ好きということに初めて無力感を覚えた。好きだけでは、厳しいものがあるということを知った。いいものを自分1人がいいと思っているだけでは意味がないことを知った。田舎だから、人が少ないから、感度が低いから、そんな言い訳しか思いつかない自分に腹が立った。ホームゲームでズタボロに負けたスポーツチームのような情けなさが心に残った。

オールユアーズのおかげで僕の人生は遥かに向上したし、何度も楽しい体験をさせてもらった。毎日オールユアーズの服を着て、好きな服を着て歩くことの幸せと何もできない自分に対する悔しい気持ちも教えてくれた。好きの先を考えるきっかけになったイベントだった。

以上、第四章ALLYOURSin山形でした。
次回は、LIFE SPEC COOP編です。
これまたいろんな大人との出会いやイベントをやることの意味を学べた最高に楽しい話です。

では、道が交わればまたどこかで。



大体コーヒーか漫画に使います。もし万が一この若造にコーヒーや酒の1杯おごってやってもいいと思う方がいらっしゃるのなら嬉しい限りです。