001_宇宙編
今私は地球から二光年離れた静かな銀河に浮かんでいる。そこには自然が全くない。全て無機質な空間だ。目の前にはトーラス型の綺麗な光の渦が見えている。身動きは出来ない。何か目に見えないものに縛られているのだろうか。もう地球には帰れないのだろうか。さっきまでベットに入っていたはずだ。という事は夢かもしれない。夢の中でこれは夢だと気付くやつだ。しかし自由にならない夢もあるんだな。
そういえば夢だと気付いた夢の思い出は子供の頃。5年生くらいだろうか。沢山のプレゼント、欲しいおもちゃが手に入った。しかしそこでこれは夢だと気付いてしまった。
何とか現実に持ってこれる方法はないものかと考えて思い切り胸にそのオモチャを埋め両手で強く握りしめた。
そして薄っすらと目を開けた。
もちろんその両手の中におもちゃはなかった。とてもがっかりした事がある。
怖い夢の時はとても安心だ。これは夢だと思った瞬間世界が歪んで私はベットで目が覚める。正確にいうと夢だと気付いた瞬間に安堵感に包まれる。
という事はやはり、今目の前で起こっている事は現実なのだろうか。
とても、とても美しい。上を見ても下を見ても、右を見ても、左を見ても美しい星々に囲まれている。
トーラスの虹色の光以外は銀河系が広がっている?
という事は先ほど見た、無機質の空間は何処へ行ってしまったのだろう。
いや、感覚として乗り物の中にいる。それはとてもあやふやな感覚であり、夢とうつつの間のようなものなのだろうか。何処か暖かくて懐かしい。
身動き出来ない筈なのに、何処か安心に包まれている。
いっそこのままずっとここに居たいと思わせる。
ボルテックス(渦)
そう。ここはボルテックスなのかもしれない。何次元も上の世界なのかもしれない。
創造の源であり、確か十二次元にあると聞いた事がある。
そうに違いない。
そう思っていたら何と無く暗黒の空間に赤みがさしてきた。紫、赤紫に近い。暗いピンクの様な色だ。
これはただ私の感覚を頼りに綴っているだけのものだから、真実が何かとは関係ない。感じたままの表現に過ぎない。
人間なんて所詮真実を受け止めるには矮小過ぎる。この世の真実のほんの一欠片でさえ判っていない。
だからこそ輝かしい。寿命が有るから精一杯生きられる。生、死、病、老い、どれもこの世を楽しむために与えられた制限だ。
私たちはいつの間にか生まれて、いつの間にやら死んでいく。そこには何も無い。
一休さんが言っていた。
人間とは喰ってくそして寝るものなり。
その通りで有る。ケータイを朝から晩まで見て過ごして、本当か嘘かわからないニュースに苛立ち、悲しみ、時には喜ぶ。
少し考えが長くなってしまった。時間はいくらでも有る。空想に耽(ふけ)ろう。
つづく
総ての創造主は私です。総てに感謝します。あなたに全ての良き事が雪崩の如く起きます。
最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。
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