見出し画像

まるで猫の目が懐中電灯かのようだった。
「どこに行くの?」僕は聞いたがもちろん答えてはくれなかった。
ホノカはずっと静かについてきていた。
あまりにも静かだったので、後数分あれば忘れていたかもしれない。
猫は少し進むと僕たちのほうを見てきた。
僕たちがちゃんとついてきているのかを見るためか、他の理由かはわからないが、猫の目が光っていたおかげで少しは歩く先がわかって助かった。
少し歩いていくと、壁が現れた。
周りに何があるのかわからなかったので回って通り越せるかと思ったが、両方の方向には壁があったので周り越すことはできなかった。
だが、猫は普通に壁を通り抜けていった。
この方法を考え忘れていたのは少し悲しい。
壁の反対側にはとてもきれいな場所があった。
小さな場所だったが、人間が手を付けた痕跡は一切なく、生き物たちが飛び回っていた。
というのは本当に飛び回っていたということだ。
様々な生き物が飛び回っていた。
犬、猫、キツネ、ライオン、豹、虎のように。
だが、すべての生き物は尻尾が3本あった。
3本以上あった生き物は狐だった。
あの九尾狐妖怪のように、尻尾は9本あった。
九尾狐はまるで個々のリーダーのように、周りを眺めて警戒していた。
ここを守る守り神のようで、かっこよかった。
だが、僕とホノカのことを見るととびかかってきた。
襲い掛かっては来なかったが、とびかかってきた。
九尾狐は思ったよりもっと大きかった。巨大だ。
僕たちの目の前に舞い降りてくると上から僕たちをにらんできた。
その強さは目でわかる。僕は背筋が凍って動けなかった。
僕たちを凶器かと思ったのか、襲い掛かってきた。
と、その時、誰かの声がした。人間の声だ。
「やめろ」その声はホノカだったが、どこかが違った。
目つきはいつもより確実に鋭くなったし、言葉から現れる迫力が上がっていた。
一番変わったのは彼女から感じ取れるオーラ的なものだ。
今までは気まずい、弱い感じだったが、今は堂々としていてホノカとは別人だ。
すると、九尾狐は動くのをやめた。
「お前は何をしようとしたのか」ホノカ(だと思う)は九尾狐をにらんだ。
だが、九尾狐はにらみ返さずに数歩後ろに下がった。
そして、頭を下げた。まるでホノカは昔、妖怪使いだったかのようだ。
ホノカは平然と九尾狐に近づいていき、横に座った。
こんなホノカを見たのは今まででも初めてだ。
やんちゃには見えるが、しっかりしている。
「色々と面倒をかけたみたいだな」ホノカは巨大な九尾狐の頭を撫でていた。
「本当にホノカは何者なんだ」僕は冷静さを気づいたときには取り戻していた。
彼女は少し戸惑いを見せた。だが、答えるのが理由ではなかった。理由は…
「なんで私の名前を知っているんだ?」彼女はとても気になっていたようだったのでとりあえず答えた。
彼女は話を最後まできっちりと聞いてくれた。
「そうだったか…」話は大体3分だったが、ホノカに初めて会ってからの話はできたと思う。
これがホノカの初めだったらしい。「私の名前は確かにホノカだ。だが、一つ違うところがある」
「今の名前は穂香だが、私の名前は圃盧嘉ホノカだ」彼女は地震気に行ったが、僕からすれば普通の適当な言葉にしか聞こえなかった。
「ヘ~」僕は恐怖を完全になくし、ボケーと答えた。
彼女はワーワー言っていたが、明るい人だった。
こんなのが初めのホノカだったとは思いにもよらなかった。
だが、それもいいかもしれない。
だが、ある問題が現れた。
ある、問題が。