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速く走りたいので、スピードに極振りしました(35)

「おい、どこからか聞こえなかったか?」ナギトさんが3人に聞いた。「確かに誰かが叫ぶ声、聞こえたわね」コナミさんは空を見上げた。
「気にしなくていいんじゃないの?」カナデは気にすることなく進み始めた。「でも…あの声、ササミのように聞こえるんだけど」さすが親友のココミだ。私の声まで覚えている。
「本当か?」ココミはコクリとうなずいた。「ということは…」ココミは少し考えてから雰囲気を変えた。「…また何かおかしい事態に入ったってこと…」「あ、あぁ…」他の3人は少し力が抜けた。「まあいつものことだから」ココミは気軽に言った。それからは、とりあえずどうするかを考えていた。
「助けるか?それとも運に任せる?」カナデはココミの方を見た。「…まあそうしようか」ココミがそういうと、4人は歩いていった。それを見ていたトランスフォーマットはポカーンとしていた。

「うぅぅ…」私はさっきまでクモの巣の中にいたが今は、クモの体内だった。中はとても大きく、壁は肉なので、赤かった。今、私は何かの液体に使っていて、動けない状態だった。体に異常はなさそうだが、完全に身動きができなかった。
この状態にどうしてなったかを説明しよう。
5分前、私はクモの巣に絡まっていた。なので、助けを呼ぼうと叫んだ。しかし、誰一人来なかった。このイベントはサバイバルだ。誰かが助けを呼んでいても誰一人気にしない。
なので、私は誰一人気にされなかったのだ。遠くでココミが見えた、と思う。遠くに村だと思える場所が見えた。なので、助けてくれるかと思っていると、何かを話してどこかに行ってしまった。「あぁ…」私が悲しんでいると、あることを見た。自分自身だったのだ。
私は感じ違いしているかと思い、目をこすったが全く変わらなかった。ぼーっと周りを見ていた私がいたのだ。遠くにいて見にくかったが、私だとは分かった。
私はとても頭の中がこんがらかっていた。「え?え?ドユこと?」考えてみると、あることを思い出した。前に私がテイムしたモンスターだった。トランスフォーマットだ。どうやらいつからかわからないが、はぐれて自分勝手に色々なことをしていたのだろう。私はポカーンとしていた。すると…
ガサッ 後ろから何かの音がした。大量の葉っぱが揺れる音、何か奇妙な音が。私は顔を真っ青にしてゆっくりと後ろを見た。「ギャー!」私の後ろには巨大なクモがいた。私は食われると思い、目をつぶり、覚悟を決めたが、いつまでたっても食べられなかった。「?」私は目を開けると、前には何もいなかった。「え?」
私は周りを見ると、さっきの鳥がいた。片足をなくしたまま。しかし、そのもう片足にはクモをもっていっていた。「よかった…」私はほっとした。…が、
ドサ! 「ギャー!」