ブラインド∹今回の不幸は私でした
不幸…か… 私はボーっと空を見た。
何か思いつけることもなかった。
だが、どうにか笑ってやりたかった。
「何かを見つけないと!」私は気合を入れて、一歩前に進んだ。
だが、一歩進む前に私はびくりとした。
「何を見つけるんだ?」私の後ろには岸田先輩だいた。
彼は無実な目で私を見てきた。だが、私はごまかすことにしt。あ
「いや、何でもないよ」私はその場をできるだけ早く逃げていった。
先輩は不思議そうに見てきたが、この計画がばれてしまっては困る。
「よし、これで…」私は地面に一枚の紙を置いた。
そして、先輩を呼びに行ったのだった。
考えていたのは簡単だ。
先輩を呼び、転ばせようと思ったのだ。
そこまで悪いことにはならないだろう。
私は先輩のところに駆け寄り、どうにか連れてくることに成功した。
先輩の不幸はやばいので、どこにおいても結果は同じだろう。
私は紙をよけて、反対側に行った。
先輩は思った通りのことをした。
まっすぐと、紙に乗ったのだ。
しかも、なぜかこけた。
考えてみれば、髪を踏んでも普通はそのまま類ていくか、止まって下を見るはずだ。
どうしてこけたのかはわからない。
だが、問題はその後だった。
計画していたことを外れてしまったのだ。
私が笑おうとすると、紙が私の顔に突っ込んできたのだった。
神は紙を私の顔にぶつけて起こらせれば、不運になるだろうとでも思ったのだろうか。
それを見て、先輩にまたもや笑われてしまった。
私は恥ずかしすぎて、顔から湯気が出た気がする。
頭から出るはずン何だけどね。
「というかどうして紙が地面に落ちてたんだ?」先輩に訊かれた気がして、私は奇妙な声を出してしまった。
「ヒャイ‼」先輩はその声を聞いて、今度は吹き出した。
私のかはもっと赤くなった。
「先輩!」私はもう一つ、考えていたことがあったのだ。
先輩に水をぶっかけるということだ。
今は先輩もワイシャツと長ズボンなので、濡れてもいいと思う。
私は先輩を連れて、一つの教室に行った。
誰も使っていない、予備の教室だ。
どうしてかいつも鍵がかかっていないのだ。
しかもいいことに、ここだけは引き戸なのだ。横にずらすドアではなかった。
昔にいったいここを何に使っていたのかが気に名ほどだった。
私は少し空いてあるドアの端から入り、先輩はそのままドアを推し開けて中に入った。
本来ならドアが空き、水の入ったバケツがひっくり返って先輩に降りかかると思った。
だが、それは少し計算違いだったようだ。
バケツはひっくり返らずに、先輩に降り注ぎ、頭にぶつかった。
バケツはそのまま跳ねて、私のほうへと飛んできたのだ。
それはスローモーションにも感じた。
バケツは私の頭にこつんと当たり、地面に落ちた。
先輩には少ししか水が言っていないのに、私はびしょぬれだ。
先輩は、笑わなかった。
「大丈夫?」先輩はポケットからハンカチを取り出すと、せっせと服を拭いてくれた。
後は保健室に行って、予備の服に着替えた。
私はその時、気が変わっていた。もう、先輩を笑うのをあきらめたといってもいいのかもしれない。
だが、「まあ、いっか」。
そう思ったのだ。