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「お兄ちゃん」彼も驚いていた。私は意味が分からない。「どういうこと…」固まっていると少年は紹介した。「僕の名前は…」すると、彼はほのかを見た。「やっぱり何でもないよ」

そして彼はほのかの方向へ向いた。「なんできた」その一言はとても冷たかった。うれしい再会という言葉ではなかった。「だって…」ホノカは黙り込んだ。「お前にはもう会わないかと思っていたよ」その言葉には耐えられなかった。「ちょっと!」まともに見てみると彼は男子だったころの私と似ていた。「ん?」彼は私を見てくる。「見たことない顔だねど…転校生か?いや、君、ヒカルだろ」彼は一瞬で当ててしまった。「なんでわかるの」彼はただ絵を描く静かな少年には思えなくなってしまった。だんだんこの世界では何が本当なのかわからなくなってきている。「君、ヒカルは僕と似ていた。僕は自分を何度も見たことがある。今までの人生子の顔を見続けた。君の今の顔と見比べるととても似ているからね。簡単なことさ」確かに簡単なことだった。確かに鏡で見た時、私がただ女子になっただけだと思った。だが、見てから一瞬で見つけることができるかは話が別だ。それから沈黙が少しの間続いた。

「君はなぜここにいる」彼の目つきは全く優しく思えなかった。とても鋭い目だ。「それは…」そのまま固まった。これには答えていいのかわからない。

「帆の話はいいとして、お前がここに来たということは知っていたのか?」そこまで聞くとどういう意味なのかは分かった。私は大きく首を振った。そこで彼は話をそらした。「それで、ホノカはいったい何の用があるんだ?」ホノカのほうを見る。彼女は口を開いたが声を出さなかった。ホノカと荘園は何かを話していたが聞き取れなかった。

最後にホノカが首を振るとこそこそ話は終わった。「わかった」彼は一言で終わらすとその場を去った。

それからはもうあの少年を見ることはなかった。

「いったい何を話してたの?」私はほのかに駆け寄った。彼女は何も言わずに飛び込んできた。その時、いったい何が起こったのかが分かった。なんでかはわからない。まるで記憶が流れてくるかのようだ。私は彼女の頭をやさしくなでた。「ごめんね」その一言しか出てこなかった。


教室に戻るとそのことを忘れようと思った。帰り途中にもあの少年は見なかった。もう教室に戻ったのかもしれない。

学校が終わると家に帰った。宿題はなかった。運がいい。今日は様々なことで頭が疲れた。ベッドに入ると寝てしまった。目を閉じる一瞬、何かが見えた気がした。だが、そんなことを考える前に寝込んでしまった。

夢の中では一人の女性を見た。だが、着物を着ていてとても昔の人に見える。その顔はほのかに似ている。原っぱに立っていた。髪の形が変わっていたがホノカで間違いないだろう。

その女性は空を見上げている。手を合わせ、何かを願っているように見える。すると、彼女は私のほうを見てきた。「ねえ」そこで記憶は途切れた。

起きると体に変化があった。長い髪は見当たらない。横にはホノカが寝込んでいた。ホノカに異変はない。今のままが一番だと私は思う。

鏡のところまで行くと変化が分かった。本当に、分かった。「あ」

私は男子に戻っていた。

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