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拾った女の子は常識知らず‐謎のピース2

起き上がると汗びっしょりだった。僕の上を見るとホノカが僕を見ていた。「おはよう…」力のない声で言うと起き上がろうとした。だが、ホノカが乗っていたので起き上がることはできなかった。
「ちょっと…どいてくれる?」だが、彼女はどかなかった。僕は仕方なくホノカを持ち上げ、地面に立たせた。意外と軽かったので簡単に動かせた。彼女はしょんぼりとして、どこかに歩いて行った。
いけないことをしたのかと思ったが、着替えるとリビングに歩いて行った。「あ、オハヨー」姉はまだいた。ずっと住み着いている。いったいいつ戻るのかわからない。「おはようございます」ホノカはしょんぼりしているのかと思えば暢気にメロンパンを食べていた。彼女の横にはもう一つあった。それは僕のだと判断し、飛びついた。
パックを開けよとしたとき、姉が忠告してきた。「それ、私のだからね」僕はパッと手をのけた。姉のメロンパンを食べる気には全くならない。「僕のは?」すると、姉はほのかの持っているメロンパンを指さした。「この!」僕はホノカでも自分のメロンパンを食べたことに怒りを抱いた。「返せー!」追いかけまわしたがいつまでも追いつけない。しまいには地面にへたばった。「もういいよ、これあげる」姉は彼女のメロンパンを僕に渡してきた。
僕はぺこりと頭を下げると、むしゃむしゃとメロンパンを頬張った。食べ終わると時間を見た。「あ」もう6時半時だった。何も学校の準備ができていなかった。慌てて準備すると外に突っ走っていった。ホノカは口にメロンパンを加えたままランドセルをしょって追いかけてきた。「待ってください~」
僕たち2人を見てお母さんと姉はため息をついた。「本当にもう…」2人とも同じことを考えていた。

僕は学校につくと息を切らしていた。後ろからはよろよろとホノカが来た。「ごめん、ごめん、おぶっていくよ」僕はほのかをおんぶして教室まで歩いて行った。ホノカは本当に軽い。30キロ代だろう。僕でも45キロ以上だ。最後には勝った時は1か月前だったが、47.3キロだった。多分。
教室に行くとマリナが待っていた「ヨロー、またおんぶしてる~。かわいいなー」彼女は僕のほっぺをつついてきた。「やめろよ、別にいいじゃんか、ホノカがいいなら僕は気にしていない」
ちょうどそこへ一人の少年が来た。彼の名前は伊藤いとう大輝いとう だいき、クラスのトップだ。成績でもなんでもトップといえるだろう。完璧な人間かもしれない。僕は彼を見た。「話をしたいんだけど、いいかな」僕は彼についていき、廊下に出ていった。ホノカはマリナがどうにかしている。とても来たがっていたが僕が無理だというと黙った。
「このクラスのことなんだけど、もう少しで運動会があるでしょ」僕は頷いた。といっても今思い出したことだ。もう少しというのは1か月後の話だ。なので先生も話題に出していなかった。「それで気に見たのみがあるんだ」話を聞くと僕は驚いた。「いやいやいや、それはイトウさんがしたほうがいいよ、だって一番人気なんだから」だが、彼は首を振った。「僕はそういうことをできないタイプなんだ。ホノカさんは今、この学校で1番の人気者だよ」僕は目を丸くした。「いやいやいや、そんなわけないよ。何もしていないし」彼は僕よりも知っている気がした。「いや、普通にかわいいからね。ちょっと悔しいけど僕もそう思うよ。彼女は小さいしかわいい。彼女が言えばみんながやる気を出せると思うんだ」僕は全く意識していなかった。確かにかわいい。でも全く人気者だったとは知らなかった。
「訊いてみるよ」