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速く走りたいので、スピードに極振りしました(61)

『夜目会、コンプリートしました』
目に光が差してきた。目を細めると周りが見えた。近くから聞こえていた足音の正体どでかいドラゴンだった。この洞窟を歩き回ることができたのはたった一つの理由だ。この洞窟が出かかった。
暗闇の時は気が付かなかったが反対側が1キロほど先に見える。ドラゴンはとても大きかった。尻尾の先まで図れば100メートルほどあるだろう。
だが、私は気が付いた。「なんかこっちを見てるんだけど…」その感は当たっていた。
ドラゴンはのしのしと私の方向へと歩いてきた。翼は使う時がないようだ。『このドラゴンは自然の感じ取れるよ』私はさっと目を閉じた。
そのことは早く言っておいてよ! 心の中で思った。声に出せば気が付かれる。『いう必要がなかったもの、どうせ見えなかったんだし』
ドラゴンは私を見てきた。じっと目で見つめてくる。逃げたいが動くことができない。すると、いい考えをした。「飛行フライ」名根を生やすと空に飛びあがった。
羽音でドラゴンは私の存在にまた気が付く。「やっぱり駄目だったか」私は地面に降りると掘り出した。猛スピードで掘り進むと後ろから埋まってきた。だが、このまま止まれば死んでしまう。私は表面すれすれのところで掘りまわった。地面の上からは足音が聞こえてくる。ドスドスドス、地面の中によく響く足音だ。
私は掘り進み、曲がり、また掘り進み、また曲がった。これを続けているとだんだん上にいるドラゴンは変な方向へと動き始めた。
「よし!」私はそのまま掘りまわった。これをしているといったいどこから音が聞こえるのかわからなくなってくる。だが、問題が起こってきた。
その問題こそ肩だ。肩が痛くなってきた。動かしまくったからだろう。「なんでこんな時に…」私の手はだんだんと動かなくなってきた。これは問題だ。
「後少しでも…」だが、もう手が限界だ。ついに地上へと掘りあがてしまった。
だが、いいことにドラゴンはきょろきょろと見渡していた。「よかった…」と言ってから口をふさいだ。
もう遅い。ドラゴンはまたこっちに歩いてきた。元通りに戻っていた地面から押し出され、また音を立ててしまった。
ドラゴンはもう理解していた。何を攻撃したらいいのかを。今度はのしのしと歩いてこなかった。走ってきた。
私は慌てて逃げた。だが、脳もつかれているので少し遅くなってしまった。
出口も見当たらない。隠れるところもあるのはあるが気が疲れる気がした。
私は必死で逃げる。ドラゴンは暗闇の中で目を光らせておってきた。だが、もちろん見えているわけではない。
なので私は壁まで駆け出して行った。そして当たりそうになった時、飛びのいた。
すると驚きのことが起こった。ドラゴンが止まった。まるでそこに壁があるのを知っていたかのようだ。
『フェイズツー、洞窟龍が夜目を習得しました』また頭の中に流れた。「ってことは…」私は恐る恐ると見上げた。
もうドラゴンは私に方向へと歩いてきた。自信満々だ。「見えないっていうのが弱点だったはずなのにひどーい!」
私は必死で逃げながらこのゲームを管理している何かに叫んだ。勿論反応はなかった。
私は一つの石につまずいた。
ドスン!

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