「あのねー、魔法を教えてほしいの」僕は「え?」と、かしげた。「だって楽しそうだもの」しかし、僕は首を振った。「楽しくないよ」彼女はどうして?と僕を見てきた。「この世界では確かに魔法がある。楽しいし色々なことができる。でもだからこそ戦争が起きるんだ。僕の本体も今は2人で戦争に行っているよ」すると、ガーネさんが僕をじろりと見てきた。「本体、とは?」「あ」僕は周りを見てどうにかしようとした。ガーネさんは僕の本物が戦争に行っていることを知らない。知ってほしくないのだ。だから彼は僕を作った。できるだけ出て行っていることを分からせないために。だから僕たちの役目はたった一つ、ガーネさんたちに偽物だということを分からせないこと。だから今は大問題だった。だが…「えーっと…何でもない」ごまかすのが下手だった。「まさか偽物とかないわよね」彼女は怒ると怖い。「う…」僕は押しに負けてしまった。「やっぱりね」彼女はため息をついて、その横で女の子はオヨオヨとしていた。「あのー…話についていけないんですけど…」僕たちはあ、と彼女を見た。「何でもないよ」ガーネさんは僕をじろりと見てから彼女に明るく言った。「こえ~」僕はぼそっと言ったが、ガーネさんは地獄耳なのか聞こえていた。「何言った?」怒ると本当に怖かった。
「ハクシュンッ」僕(本物の)は他知っているとき、突然くしゃみが襲ってきて、背中に寒気を感じた。「まさか風邪か?」彼(僕と一緒に走っている自分のクローン)は僕を見てあきれた。「いや、何かどこかで僕のうわさをしている気がして、嫌な予感もするよ」僕はまたくしゃみをした。寒気は数分ほど続いた。「そりゃあお前、自分のクローンを置いてきたんだから噂ぐらいはされるだろ」彼はのんきに言あ。「そうだといいけど…」僕は心配しながら走り続けた。「とにかく走れ。じゃないと結構近くまで…ってかもう近くまで来てる」彼は多分シャドウアイで見ているのだろう。僕もシャドウアイで前を見ると、大体4キロほど先にいた。「少しスピードを上げるぞ」僕たちはもう少しだけスピードあを上げた。
そのころある山の中では…「こいつらはどうしますか?」何か見たことのない魔法で僕たちを観察していた人…というか魔人がいた。「始末しろ。このまま進めば私たちも危険だ」「ハッ」8人ぐらいの人が片膝をつき、消えた。「さてと、私も行きますか」その人物が指を鳴らすと、奥で何かのうなる声が聞こえてきた。「お前の出番だ、ブラックドラゴン」そのブラックドラゴンは腕を振るだけで壁が粉々に壊れ、どこかへ猛スピードで飛んで行った。
「さてと、私も戻ることができるときが来たか」その人物はにやりと笑い、背中から翼を広げ、ドラゴンが開けた穴から飛び立った。
「それで、本物はどこなのよ」ガーネさんが僕(町にいるクローンの僕)に聞いてきた。「僕は…」すると、何かを感じ取った。とても邪悪な力、狂暴な力が。「答えて」彼女に言われたが、耳に入らなかった。「…」僕は空を見た。青くて静かな空を。ただ…
「嫌な予感がする」
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