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私の顔が真っ赤だったことは自分でもわかった。
だが、隠すことを選んだ。なんでかはわからない。だけど隠してしまった。
「そ、そうなんだ…」私はおどおどとした。こんな感情を持ったことは人生でなかった。
好きと言われたことはなかったからだ。そんな恥ずかしさを感じる日が来るとは思いにもよらなかった。
彼はそのあと分かれ、自分の家に入っていった。

「大丈夫?熱でも出た?」お母さんは私が家に帰るとすぐに心配してくれた。でも少し面倒だった。
私は顔を真っ赤にしたまま自分の部屋に入り、ベッドに背から倒れこんだ。
キャー! 私は心の中で喜んだ。本当に言われた。好きだって言われた。
いつも君は帰ると一人だと知っていた。無理なことかもしれないけど私は聞いてみることにした。

スマホを手に取ると家を飛び出して真横の家に行った。
ドアベルを押すといい音が聞こえてきた。
ピーンポーン すると一人の少女が出てきた。私を見ると君を呼んだ。
その時、私は思った。
ああ、もう君は彼女を持ってたんだ。 君が来る前に私はその場を離れた。
心にっひびが入っていた。とぼとぼと歩いていると大通りに出た。そこにはたくさんの車が通っていた。
歩道にはたくさんの人が歩いている。私はそのままとぼとぼと歩き続けているとソバ屋に来た。小さな場所だがここの作る焼きそばは前項だ。
他にもラーメン屋うどんも作っているが私は焼きそばが一番好きだ。しかも個々の焼きそばはとても安い。100円しかしない。
そのソバ屋には何度も来ているので店長からは覚えられている。「どうしたんだ?暗い顔をして。っていつもくらいか…でもいつもより暗いな」
私はすべてを話した。普通なら悲しい顔をするだろうが店長は少し考えてから答えた。「それって誤解だと思うよ」
私はパッと目を見開いた。だが、私は信じることができなかった。もう彼が恋人を持っていたのだと信じきってしまった。
そのことに気が付いた店長は話をそらした。「それじゃあ100円ね」お金を払うと私は店を出た。
歩いていると遠くから君が歩いてきた。その横にはさっきの少女が歩いていた。やっぱりそうだ。
私はしょんぼりとした。なんでだろう。今までではそんなこと気にしなかったはずだ。なのになんで悲しいんだろうか。
私はさっと路地に入った。心臓の鼓動が高まっている。私はそこでじっとしていた。通り過ぎるのを待って。
頭の中には悲しみしかなかった。今は何も考えてくなかった。ただ悲しみしか心にはない。
路地の外を見る気にもなれず、地面を眺めていた。私はどうしたらいいのだろうか。私は心の中にいる何かに訊いた。
このまま悲しんでいたらいいのだろうか。それともほかに方法はあるのだろうか。
勿論反応はない。だが、心臓の鼓動がゆっくりと収まってきた。ああ、やっぱり気にしないことを選んだんだ。
少しすると君と彼女が通りかかった。すると一瞬で心臓の鼓動が響いてきた。2人とも楽しく話している。
私はあらためて思った。私は君がスキなんだ。なのに手に入らない。悲しいんだ。苦しいんだ。悔しいんだ。

『私は』

あ、

『折れた』

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