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「いったい何を言ってたのだろうか」私が首をかしげるとホノカが翻訳してくれた。「助けを呼んでいました。助けてと」私は少し違う理由で驚いた。「いったいどこで英語を覚えたの」彼女は首をかしげた。「エイゴ…?それは何ですか?」彼女はまるで自分が英語を話していなかったかのように話していた。「外国にある言語よ。もしかして英語がわからないの?それならHelloが何かわかる?」
彼女は首を振った。「ハローとは何ですか?聞いたことがない言葉ですが」彼女はさっき、別人になっていたのかもしれない。もしもそれが本当なら彼女は普通の人間とは異なるかもしれない。
「さっきトイレで起こったことは覚えてる?」彼女は首を振った。「そうか…」考えたが、やはりあの時に見た一瞬の出来事が何かのヒントなのかもしれない。考えることができるのはただ一つ、そしてその一つはとても非科学的なことだ。
彼女は死んでも心の底に記憶を残している。
これは非科学的なことだが、私はそれしか名と思った。そしてもう一つある。こっちは非科学的でもないかもしれない。
死ぬと生まれ変わる。
生まれ変われば何になるかはわからない。同じ人間になるかもしれないし、違う生き物になるのかもしれない。もしも違う生き物になるとしたら彼女はずっと運よく人間のままでいることができたということだ。それとも神に許され、一生人間として生きることができるようになった人間なのかもしれない。
何もわからないが、普通の人間とは違う。もしもそうなら秘密にしなければいけない。後で面倒なことになったら大変だ。
私は教室に戻ると誰もいなかった。黒板を見ると、英語の従業だった。普通なら教室でやるが、今回だけは英語室でやるようだ。私は慌てて英語の筆記用具を持ち、廊下を駆け出して行った。
どうやら今日は運が良かったようだ。先生も少し遅れていて、私のほうが先についた。なので遅れたことにはならなかった。
私はほっとした。だが、ホノカは授業が全く分かっていなかった。私もできるだけ静かにしていた。まだ私が習ったことなのでぎりぎりわかった。
だが、私はそのことを話すのはやめておいた。この学校にいる先生はたいていとてもしっかりしていて、しっかりしていないと言ったら最低クラスでお父さん・校長先生だろう。彼もしっかりはしているが、この学校は教師がしっかりしすぎているだけだ。
できるだけ転校生のようにしていたが、授業では一つだけばれそうになったのがある。理科の先生だ。
「君は見たことがある」理科の先生はこの学校内で一番目を光らせ、賢いといわれている。校長先生以上だ。「そんなことないですよ」私は少し焦った。これは予想していたが、こんな早くに見つかるとは思わなかった。
「いいや、偶然とは言い切れない。いったいなぜヒカルが消えたとたんに君が現れたのか、しかも君はヒカルの家に住んでいるとか。しかもホノカも同じだ。今まで義務教育がありながらなぜ学校に行かなかったのか」私は思わず口を開いてしまった。「それは…」理科の先生はその小さなことでも聞き逃さない、見逃さない。「ほら、この質問に無関係の君がなぜ答える。答えるのは彼女ではなのか」理科の先生はまるで名探偵だ。私は黙り、うつむいた。「君はヒカル、間違っているか?どうせあのバカが何か発明してそれを君に使い、性別が変わったのだろう。君とヒカルは見た目が似ている。顔つき、身長、靴も同じ靴を履いている」バカというのは多分姉のことだろう。彼女は昔この学校にいた。そしてその時、この先生もいた。どうやら賢いが、馬鹿にも見えていたようで、この先生にはバカと呼ばれていたようだ。私は白状するしかなかった。もう彼には隠すことができない。
「はい、私は確かにヒカルの性別が入れ替わった者です。」

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