そして、もう一つは犯人に1歩近づいた気がした。
校長は僕たちの下を開いた。
僕たちはそのまま下に落ち、スライムの中に突っ込んだ。
今度も皆が焦って出ようとしていた。
だが、焦れば焦るほどスライムはかき混ぜられ固まり、動けなくなる。
どうやら誰も埋もれていないが、そんなことが起これば校長がどうにかするだろう。
だが、その中に一人、ピクリとも動かなかった人がいた。「君はいつも冷静だね」
1人の少年が彼に言った。「藤本の名に懸けてそんなことはできないね」彼は動けないスライムに沈んでいるお言うのに、全く焦っていなかった。
「君から少し案をもらったよ」藤本は自信たっぷりの笑みを顔に浮かべて僕を見てきた。どうやらこのスライムがどうやって固まるかを知ったようだ。しかも、その脱出方法まで。
それは全て僕の動きを観察して知ったことだろうと僕は予想した。
彼は少しすると動けなくなったほかの人たちを通り抜けて歩いていった。
それを見ていた他の人たちは何もできなかった。手間でスライムの底だったからだ。
すると、声が聞こえてきた。「ジッとしていろ」その声はどこから聞こえてきたのかがわからなかったが、それをまたがって全員もがかなくなった。
少しすると、卵からかえる芋虫のようにスライムの中からたくさんの人が這いあがってきた。
僕はそこに一生痛かった。スライムの中は結構居心地がよかったからだ。だが、結局引きずりだされた。
僕はしぶしぶ、前と全く同じ道を歩き始めた。数分歩き続けると、あの梯子があった。
それを上るとなぜか違う場所に現れた。とても狭い場所だ。まだどこかはわからないが、すぐにわかると思う。
「ここは体育館倉庫だ」藤本は軽々とあてて見せた。「どうしてわかるんだ、何も見えないだろう」他の誰かが怪しげに訊いた。
彼は鼻で笑い、面白そうに答えた。「僕が手に持っているものはボールだ。この形からしてサッカーボールだろう。こんなものが置いてあるのは体育館倉庫以外に暗い場所はどこというんだ?」
他の人たちは誰一人答えることができなかった。僕は彼の話を聞かなかった。自分で周りを探り、壁を伝ってぐるぐると回っていた。
すると、誰かに当たった。「あ、ごめん」それは一人の女子だった。少し明るそうな声だ。僕は気にせずにそのまま回った。すると、ドアが見つかった。
問題は、鍵ががっちりとかかっていたことだ。出ることは不可能だろう。
その時考えた。なぜ、僕が出てきた場所とここは違うのかを。
そして、勿論考えられることはたった一つだった。
僕は梯子を使わずに降りて、そのまま暗い廊下を歩いていった。
だんだん熱くなってくるが、見つかるはずだ。僕は壁を叩いていると、ゴンゴンと音が鳴った。
少し歩いていくと、ある場所に現れた。そこは他の場所とあるところが違った。
この壁は鉄で作られているので、音が鳴り響く。だが、反対側に石や土の壁があるのでそこまでは響かない。
なので、もしもあるとすればここなはずだ。私は戻ると、あの筋肉頭を連れて来た。逃げ出そうとしていたが、急所をとっていたので彼は全力を出せなかった。
壁の前に来ると、彼の方向を向いた。「頼みたいことがある。この壁をぶち破ってくれる?」
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