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「それでは始めるか」デリルガがニヤニヤとしていた。「それは無理」666番が言った。「なぜだ」デリルガは彼を見た。「戦うというのなら敵がいる。奴がどこにいるか、分かるのか」デリルガは言い返すことができなかった。「そこにいるのだろう、丸見えだぞ」666番は部屋の角をにらんだ。「…」「隠れていないで堂々としたらどうだ」666番は腰から小刀を取り出した。「それよりも…」そこへ333番が割り込んできた。「他の人たちはいったい何をしているんだ?」忍差と金木、小四郎は言い争っているし忍座とサラリー殺しはリバーシをしている。とてものろまだが。ココミとヴァンダリスはさっきから適当な遊びをしているし。ササミは彼女自身と〇✖ゲームをしている。「ってどうして彼女が2人もいるの」しかし、666番は驚かなかった。「どうせあの神が何かしでかしたのだろ」666番は小刀を角目掛けて投げた。普通なら角に跳ね返るが、宙で止まった。誰かが受け止めたかのように。「よくわかったな」気が付くとそこには1人の男性が立っていた。「こいつ、誰だ?」デリルガはその人間を知らなかった。というか…「写真で見せた僕たちの目当てだ。顔ぐらい覚えておけ」666番はデリルガをじろりと見た。「あ、ああ…」彼は構えをとり、殴りかかろうとしたが、相手は一切戦う気がなかった。「なぜ戦わない」666番はますます警戒した。「私は戦うように言われていないからだ」666番は「それなら戦え」と言った。「それは命令か」彼はおかしなことを言った。「何を言って…」「それは命令か」「本当に変わってしまったのか」333番とデリルガには666番の悲しい心を感じ取ることができた。「これは命令でもなんでもない。ただ、戦えと言っているのだ」デリルガの目つきが変わっていた。さっきのようにはふざけていなかった。「それはただの欲望ということか」彼は完全に無表情だった。「ただのとは何だ!」周りにいる人には重力が倍増したように感じる声だった。「お前は人間なのか、ロボットなのか、それとも奴隷か!」デリルガははを噛み締めていた。「それは命令か」彼はまるでもう欲望など存在しないといっているかのような顔だった。「黙れ!ただ答えろ取っているのが分からないのか!」彼の目は燃え上がり、歯を食いしばってこぶしを手には持っていた。「私はいったい何なのだろうか、分からない」彼はもう人生などなかった。「真剣に答えろ!」デリルガはついに耐えきれなくなった。333番が全速力で走っても666番が走っても、デリルガの怒りには届かなかった。「ちゃんと、優しかったのですか」333番は少しだけ安心した。彼はただ人を殺していたわけじゃない。彼は誰にも考えることのできない、とても不幸な人生を送ってきたのだと。「そうだったの、」彼女は決めたのだった。「そちらがそうするなら、こちらもそうさせてもらいます」彼女は前向きになり、跳ねた。
「倒れろー!」デリルガはこぶしを振り上げた。「それは命令ですか」彼は無表情のまま聞き返した。「黙れー!」デリルガはこぶしを振り落とした。彼の顔面に。
しかし、届く間もなく消えた。跡形もなく、彼が消えたのだ。「死ぬわけには行けない。そう命令されているので、〈死ぬな〉と」彼は腰にさしていた。「それなら抵抗しろ、戦え」その時だった。デリルガがおかしくなっていることに333番が気づいた時は。「これ、おかしい…いったいどうすれば…」そこへ誰かの声が聞こえてきた。「助けが、必要か」誰なのだろうか、周りには4人以外、自分のことをしている。ということは…壁の向こう側から聞こえて言うということ。「はい」聞き覚えのある声だったのでつい答えてしまった。「よかろう、手を貸してやる」素言った途端に壁が壊れた。そこから現れたのは…
「おいおいおい、マジかよ」デリルガはその人物を見た途端に本心へと戻った。

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