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「わぁ…!」僕はその中に入り、目を丸くして周辺を眺めた。その場はまるで夢のようだった。空には宇宙が見え、地面はトランポリンのように跳ねることができた。気はすべてブロッコリーで、草はほうれん草や小松菜があった。もやしは死んだ草を再現しているのだろう。家は完全にお菓子の家だった。他には人も生き物もいそうになかったが、跳ねながらそこら中へ跳ねまわった。「それじゃあまた…」僕たちは扉のほうに振り返った。「帰ろう…か!?」僕は目を丸くした。そこにあったはずのドアが完全に消えたのだ。跡形もなく。「あ、あれ?」僕は跳ねるのをやめた。「これって…結構やばい状態な気がするんだけど…」ホノカは今の状況を理解していなかった。「何がですか?」僕はホノカのことを気が付かずに周りを見ていた。もちろなせっていた。だが、焦っているだけだは何一つ解決しないということぐらいわかっていた。

いくら遠くを見ても食べ物しかない。地面を見ても食べ物。空を見ても、おいしそうな綿菓子がたくさん浮いていた。僕は一瞬浮いている綿菓子に見とれてしまった。変な意味ではない。ただ、おなかがすいていただけだ。

「そういえばマリナはどこに行ったんだ?」僕は周辺を見渡した。「あ、いた」彼女は遠くで食べまくっていた。「あいつ…絶対今の状況を把握していないな」その時、横で立っているホノカを見た。「まあホノカもそうか」どうやら今が大変な事態だということは僕しかわかっていないようだ。とりあえず歩き回った。「っていうかこれってすべて食べ物なんだよね、ってことは下に掘ったらどうなるんだろう」試しにという気分で下に掘ってみるとどんどん下に掘り進むことができた。食べ物だから当たり前だ。人間が噛める物は肉などじゃなかったら簡単にちぎれる。

「こ、これは…」僕は一番下にある壁を見た。チョコレートの板で作られた壁を。チョコレートの板は意外と肝がんに請われる。だが、後ろにものがあってど真ん中を小さな手で殴っただけではびくともしない。「ここから下には行けないということか…」僕は斜めに掘ってきたため、外に出るのは結構簡単だった。「とりあえずほかの方法を考えるか」僕は無理やりマリナを引きずり歩き出した。地面が柔らかかったから意外と引きずるのも簡単だった。「ここら辺から外に出ることはできるかな」僕は一部の壁を見た。とても大きな壁で、回れば壁がそこにもあった。箱のようだ。「んまあ、壊せないのは予想内だけど」ちょうどその時、マリナが突っ込んできた。「私にやらせて」彼女はまるでなんでも食べるリスのようだった。あっという間に穴が開き、僕たちは中に入った。「なぜここの中には光が入らないんだろう」その中には光が入らなかった。なぜかは分からないが、それは誰から見てもわかる。猫のように暗闇でも見える人間が存在したとしたら違うかもしれないが。今はそんな人間は発見されていない。と思う。

すると、後ろで壁が修復された。「!?」慌てて逃げ出そうとしたが、壁にぶつかっただけでもう出口がなかった。「どうしよう…」僕はしゃがみこんだ。何一つ見えなかったら何もできない。

「それならこの夢、覚ます?」ホノカはおかしなことを口にした。「は?」

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