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「ンンン…」気が付くと光に照らされた。もうずっと光に当たらなかったので目がくらんだ。資格があったわけではないが。人間のころから持っている本能みたいなものだろうか。
周りを見ると普通の道だった。さっきまで牢にいたのだが気のせいなのだろうかと悩んだほおっだ。『気のせいではありません』ソウルの声が頭の中に直接聞こえてきた。
だが、なぜ外にいるのかわからない。「脱獄開始!っていってから気を失って…何でここにいるんだ?」『脱獄しました』ソウルの一言に茫然としてしまった。
ーいやいやいや、脱獄した覚えなんてないよ? とりあえず空を飛びながら考えた。『脱獄状態に陥ました。この状態ではどんな迷路でも牢でも脱獄可能です』感心したが、すぐに脱獄しようと思たことを後悔した。
この後いったいどうなるのやら…するとしたから声がしてきた。まるでスピーカーを使ったかのような声だ。『直ちに降りてきなさい!』だが、降りる気はなかった。超音波で警部たちがいる場所にだけ声を届けた。「この街から出ていけばいいのか?」すると警部らしき人たちは何も言わなくなった。意外な案だったのだろうか。とりあえず出ていくふりをしようと思った。すぐにホノを探そうと思った。
だが、それは成功しなかった。目の前が光りだし、一人の男が現れた。頭には王冠をかぶっていて、国の王だと分かった。「少し待ちたまえ、お前には少し話がある」一瞬で俺はどこかへ飛ばされた。最近は大変なもんだ。
その先では国の中心にあった城だった。「其方なら知っておるかと思ってな、少し面倒なことになったものでな」そこにはホノがいた。だが、武器を抜いていた。「あ!」俺を見ると突っ走ってきた。早い。さっきまでいた場所の周りには冒険者らしき人たちが倒れていた。切られた様子もないので刃先では刺してないようだ。
冒険者たちを見るとすぐに誰かはわかった。俺がこっちに初めて来たとき、馬車に乗せてくれた人たちだ。「コラ!あの冒険者たちは僕からして命の恩人だぞ!」すると、ホノは慌てた。
「ご、ごめん…」頭を下げると向こうもあたまを下げた。「こちらこそ失礼だった。少し彼が無茶なことを言ったものでな」最後に話したあの女の人も頭を下げている。「まあ、刃先を使っていないから許してやろう」彼女の後ろでおどおどとしている男がホノを見下していた。すると、女の人が男の頭をぶった。「お前が原因なんだから彼女に謝れ!」彼女の迫力はすごかった。男はしぶしぶと頭を下げた。だが、その口から出てきた謝罪言葉は思いにもよらなかった。
「お前の悪口を言ってすまなかった。心の底だけでいいから許してくれ」そう言って頭を下げた。彼なら「すまん」などで終わりそうだった。だが、すぐ横にいる少女を見ると分かった。その少女は見た目からして剣士だ。彼女の目つきは魔王といってもおかしくないかもしれない。背筋が凍りそうだ。男もプルプルと震えていた。
怖いんだなと思ったが、すぐにそう思ったことを後悔した。「ブブブッ」男は噴出した。「お前、頬にご飯粒がくっついてるぞ」ホノを見ると本当だった。俺も噴出したが声には出なかったので誰一人気が付かなかった。だが、なぜか少女だけはわかって浮いた気がした。

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