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速く走りたいので、スピードに極振りしました(37)

「ササミが何かしたということだね」「…ぁ、ぁ…」ココミは遠くを見た。「あれ?」台風があったはずの場所には台風がなかった。止まったのかもしれないが、台風ならもう少し動き回ってもおかしくない。ということは誰かが止めたということだった。「いったい誰が…」そんなことをできるんだとナギトさんが言おうとすると、後ろに何かが出てきた。『%@##$!』全く意味の分からない言葉を発しているのだった。「!?」4人は慌ててその場を飛びのいた。後ろに出てきた人物はこぶしをさっきまで4人がいた場所に振り落とした。

その人物は頭から足まで黒いフードをかぶっていて、何一つ武器を持っていなかった。「誰だ!」ナギトさんは構えをとると、相手は全く同じ構えをとった。「まさか!?」ナギトさんはバックステップで後ろに下がった。「こいつ…人間じゃないぞ…」ナギトさんは額に汗を流していた。「!?…どういうこと」ココミは信じがたい目でナギトさんを見た。

「こいつ…相手の力をコピーできるぞ」その人物は少しバグっていた。「バグだ、逃げろ!」ナギトさんは駆け出した。

『10、9、8、7、』突然皆についているAIがカウントダウンを始めた。「な、何!?」ココミは嫌な予感がして止めようとしたが、遅かった。

『3、2、1、0』カウントダウンが終わると、どこからともなく世界が壊れ始めた。地の底へと崩れていっているのだった。走っても追いつかれた。しかも完全に落ちると、重力が強くなり、空に飛んで生き残った者も地の底へと引きずり込まれた。『接続停止、ログアウト、…ログアウト完了、それではまた戻ってくるのをお待ちしています』まるで何日前のような話し方に戻り、ゲームが切れた。もう何度入ろうとしても、すべて失敗し、イベントが終わってしまった。誰一人優勝することなく。


「???」私は全く意味を分かっていなかった。突然切れたのだ。カウントダウンで私は目が覚めた。気づけば地面が落ち、ゲームが閉じたのだ。

「とりあえず最初にした方がいいと思うのは…」スマホを開き、穂香(ゲーム内ではココミ)に電話をした。「ましまーし」私は軽気に言ったら向こうから怒鳴られた。『今前何をしてたのよ、ずっといなかったんだから!』「い、いや…鳥につかまれたと思ったらどでかいクモの巣につかまれて…台風に吹き飛ばされたと思って気づけばゲームから追い出されて…今の状態ってわけ」私は数十分の過去を見返しながら言った。

「本当にササミ…じゃなくて春香って…本当に変なことばっか顔を突き出すわね」穂香は声でもあきれていることが分かった、と思う。

私はボーとしていると、一枚の紙が落ちてきた。「「何、これ」」私がいった同じ時に向こうで聞こえた。全く同じことを言っていることが。

「「え?」」私はスマホの方を見た。「そっちにも落ちてきたの?」私は落ちてきた紙を拾い上げた。「うん、招待状…だと思う」彼女は静かになった。「どうした?」私が聞くと、向こうから「中を見てみて…」とつぶやいてきた。私はとりあえず中を読んでみた。『ゲームを壊した人はこっちにいる、直してほしければここに来い。3時半より前だ』私たちは何も言わずに電話を切り、外に飛び出した。2人とも招待状を持ったまま。

ハァハァハァ 私たちは息切れていた。2人は合流し、地図が示した場所へたどり着いた。そこには小さな木製の戸があり、私たちがちょうど入りそうな大きさだった。「入ってみる?」私は彼女にっ振り向くっと、彼女は頷いた。「それじゃあ」戸を開け、中に入ると、そこには小さな部屋だった。そこには小さな穴があり、そこにはこう書いてあった。

『ここに招待状を入れろ』そこに招待状を入れると、壁が消えた。と言っても壁が動いただけだ。「わぁ」私は感動した。招待状を入れただけで何かのセンサーが作動したのだ。そこから中に入ってみると、もう一つの部屋があった。こっちには奥に看板があり、こう書いてあった。『すぐに始まる。それまで待て』どうやら待てということらしい。そん部屋には他に4人いた。その中の3人は20台だろうが、もう一人は子供だった。小学生だろう。「お前にも招待状が送らレったのか?」彼に言われ、私はコクリとうなずいた。「これはいったい誰がしているんだ…」1人が言った。気づくと、少年が私の近くに来ていた。「どうしたの?」私は彼を見た。「疲れてるでしょ、少し待って」彼は目を閉じ、私の腕に手をのせた。「え?」一瞬で疲れが消えたのだ。まるで魔法のように。そして彼の手には黒い球があった。とても黒い球が。「…」私は何も言うことができなくなった。「まあこれは…」彼はその球を空に投げ、軽くたたいた。見た限りではまた力を入れていないのに、その球は粉々に砕けた。

「あんたは本当に、いったい何者なの」1人がその少年に聞くと、彼は高校耐えた。「だから普通の招待状が届いた子供だって」しかし、それは信じがたかった。

バン! 後ろで戸が閉まり、私たちは閉じこまれた。「やはりこれは何か仕組みがあるのだろうけど…何一つ分からない…」大人の3人の中で一番若くって賢そうな人が考え事をしていた。「まあそんなことどうでもよくない?とりあえず3時半までまとうじゃないか」私たちはそれからずっと座っていった。しかし、なぜか壁からはある圧を感じ取ることができた。

この壁は壊れない、壊すことが不可能だと。

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