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「「「「勿論参加」」」」2倍という言葉にほぼ全員(4人)が引き寄せられた。
「それじゃあとってみな」彼は言葉を終えると、僕たちに背を向けて駆け出していった。
僕はあの一位天才少年を見た。「今回も君が勝つのかな」だが、彼は首を振った。「今回は少し違うようだね。僕はもうあきらめたよ」その言葉を僕はいいように受け取り、走り出した。
彼は勿論立っているところから動かなかった。運動力はないようだ。
「とりあえずは見つけるか」校長の速度はとても速く、僕は追いつくことできなかった。今できるといえば僕の視界に入ってくれるのを祈るということだけだ。
あの宝石を一秒でも盗むことができれば僕の勝ちだ。
だが、それよりも前に誰かが盗めば僕の負けだ。一万ポイントは僕の手から消える。
僕は校庭のど真ん中で待った。
「…」他のクラスメイトは多分あの中でまだ探しているだろう。
すると、上から大量の宝石が落ちてきた。
約100個ほどだったが、これでどれが本物なのかがわからなくなった。
「本物は青色だ。見つけることができるかな?」彼の声は屋上から聞こえた。マイクを使っているようだ。
「…」僕は一切地面を見なかった。地面に落ちているものはすべて偽物だ。
だが、それを知らない奴が一人いた。「どこだ…」そいつはゴキブリのように猛スピードで地面を這っていた。
彼はゲームの初めに「僕からこれを盗み取ってもらう」といっていた。もしも地面に落ちているとすれば、もうそのタスクは完了だ。彼はもう持っていなくて、盗み出したといってもおかしくない。
「でも、君が持っていないから盗んだともいえないよ」後ろから声が聞こえてきた。
後ろを振り返ったが、そこには誰もいなかった。
「そろそろ楽しくしようか」その後、どうやら彼は放送室に駆け込んだようだ。
「学年全体に告げる。こいつらを捕まえることができれば一万ポイントを渡す。授業はいったん中止だ。捕まえてみろ」放送が終わると、大量の人が外に現れた。
上靴のままな人もいるし、ちゃんと靴を履いている人もいた。
「それでは、見つけることができるかな?宝石を」校長の笑みが頭の中に浮かんだ。
これはどう考えても完全に彼が楽しんでいる。
「あいつだ!」大群の中で声が響いた。どうやら僕のことを知っているようだ。
多分校長が学年全体のテレビに出したのだろう。目立つのは避けたかったが、今はそんな状況じゃなかった。
僕が選んだのは逃げるだった。
一番不利な状況にいるのは僕だった。校庭のど真ん中にいるし、逃げる方向がない。
なので、一番簡単に逃げれる方向へと向かった。
突っ込んでくる生徒たちに向かって突っ込んでいくのだ。
「どいてくれてもいいんだけどね」勿論全員がどいたわけではなかったので空中に飛び上がり、生徒の上を飛び越えた。
「な!?」全員驚いていたが、数人は全く驚かなかった。
僕の速度に追ってくるものも多数いた。
「この学校に入学するのにはある条件を満たさないといけないんだよ」一人が告げた。
聞く気もなかったが、つい聞いてしまった。
「そして、その条件とはね、」彼はにやりと笑みを浮かべた。
普通じゃないことさ。

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