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問題だったのはこれが嫌だったというわけではない。とても良かった。
できればこのまま一生音がなければ幸せだと思った。
だが、問題だったのは授業だ。何も聞こえなかったら先生の話が聞こえない。
だが、どうにもできないので仕方なく聞こえないまま5時間目を半分ほど過ごした。
あのどんな願い事でもかなうスマホで寝返るが、彼女が言うにはそうすればもう一生あの薬が使えなくなるらしい。
それはとても困るので仕方なく僕は過ごすことになった。

彼女が来たことで心の底には思っていたと思う。
僕の人生か彼女をきっかけに、元へとは戻らないと。
そして、どんどんおかしくなり、仕舞いにはどんなことが起こっても普通のような人生になってしまいそうだ。

「お邪魔します…」七海は僕の後ろからそろそろと入ってきた。
まだここの家族だということに慣れていないようだ。
まあ、適当にやったようだし、無理もない。
僕たちは必死に説得して別々のベッドを用意してもらった。
僕はまた自分のベッドに戻れて、良かったと思う。
彼女は横にベッドを置いて、この部屋はとても狭くなった。
だが、彼女と一緒のベッドで寝るよりはましだった。

僕たちはある日僕たちは留守番をしていた。
ちょうどそこへ、インターホンの音が聞こえた。
僕は外に出てみると、そこには真っ黒なフードをかぶった少女が立っていた。
黒いフードには猫耳が付いていた。
黒いマスクをしていて、指が出ている手袋を手には付けていた。
彼女は無言で入ってくると、机の前で正座をした。まるでどこに机があったのかを知っていたかのようだ。
「だ、誰?」僕は目を丸くして彼女を見た。すると、そこに七海が現れた。
僕は彼女に訊いてみたが、見覚えがないといっていた。
彼女はとても静かなのか、まあ静かだが、何を訊いてみ眺めてくるだけで何も話さなかった。
七海が『誰タレ』を取り出し、彼女に行ってき飲ませた。
すると、七海の表情が変わった。「これ、やばいかも…」
どうやら彼女にも見えないらしく、僕も少女の口にたらしてみた。
目の前に現れた者は彼女だった。だが、赤い液体が付いたナイフを手に持っていた。
その時分かった。本物は初めて見たが、間違いない。
彼女は殺人者だ。
彼女が殺人を自分からするのかはわからないが、そう考えてもおかしくないだろう。
そして、その背景は見覚えがあった。しかも彼女はある人物の方向を向いていた。
僕だ。そこは屋上で、フェンスの上にバランスを整えていた。
まるで僕を次のターゲットにしているかのようだ。
僕は数歩後ろに下がった。
彼女のことは少しの間警戒しておく必要があるだろう。
「それで、どうするんだ?彼女のこと」僕は七海を見た。
七海は僕を見てきた。「いや、私に言われても知らないよ」
まあそりゃあそうか。急に殺人者がとことこと家に歩いてきたのだから。
念のために凶器を持っていないか調べてみたが、全て捨てていた。
彼女を追い出すわけにもいかなかった。しかも、何かがおかしかった。
僕は少し考えてから思いついた。彼女は生まれたてからなのかわからないが、言語障害なのだ。
彼女に鉛筆と1枚の紙を渡してまた質問をしてみた。「君はいったい誰?」すると、彼女は鉛筆を紙の上で走らせた。
『わかりません』彼女は記憶喪失なのかもしれないと僕は予想した。
七海も同じことを考えていたらしい。「まあ、これで今のところは殺されなくて済むよ」僕は深くため息をついた。
だからといって警戒心を完全に消すわけにはいかないが。
「どこから来たのかわかるか?」彼女は首を横に振った。
彼女は記憶喪失だということはほぼ確実になった。それか、ただそう演じているか、どっちかだ。
「とりあえず明後日まではお母さんたちが返ってこないから1日ほどなら止めておけるんじゃない?」今回は七海の提案に賛成した。
とりあえず明日は日曜日なので時間ならいくらでもある。彼女は七海と一緒に寝ることにした。
「ねえ、…」僕は七海にあるものを頼んだ。

その夜、僕たちはぐっすりと寝ていた。だが、その中で一人が起き上がった。
マスクをまたつけると僕の前に歩いてきた。
僕はぐっすりと寝ていて、一切気付いていない。
「…」彼女はさっきまで持っていなかったはずのナイフが手に現れた。
無感情の冷たい目で彼女はナイフを振り下ろした。
「やっぱりね」僕は普通に起き上がった。
彼女のナイフは空中で固まっていた。
「僕を殺そうとしてたのはもう十分承知だよ。どうしてかはわからないけど」
僕は立ち上がると彼女の手にあるナイフを見た。
きれいに磨かれていて、めちゃくちゃとがっていた。
僕の心臓なら1瞬で貫けるだろう。
「そこの空間だけ時間を止めたんだ。だから始めるまでは君のナイフなんか動かないよ。」言いながらも思ったが、本当は少し悲しかった。
「普通の人なら威力を上げるために振り下ろす。そして大体は心臓を狙うから心臓の上だ、時間を止めたんだ。他のところを狙われたらやばかったよ」
すると、彼女はナイフから手を放して違うナイフを取り出した。だが、これも完全に読んでいる。
「これは何かわかるかな?」僕は1つの鏡をポケットから取り出した。「これはどんな攻撃でも跳ね返すものなんだ。だから君が僕を刺せば君が死ぬってこと。本当は殺したくないんだけど…」
七海の睡眠力は最強らしく、こんなに足音を立てても起きなかった。だが、それがちょうどいい。彼女が起きていれば少し問題になったと思うから。「なんで僕を殺そうとするんだ」僕は彼女をにらんだ。
彼女は口を開いた。「邪魔」僕は目を丸くした。彼女は言語障害ではなかったようだ。「邪魔って、どいうことだ」彼女はナイフを地面に落とした。「斉木様の友達」僕は少し頭を抱えた。「斉木って…誰だっけ?」
「あの天才双子よ」僕の後ろから声がしてきた。
驚いて後ろを見てみると、そこには七海が立っていた。「なんで起きてるんだよ…」僕はため息をついた。
「いいじゃない」ため息を吐きつつ、僕は彼女に向いた。「まさか頭が狂ったんじゃないよな」彼女はハッと目を見開いた。
「別に僕たちが友達だからって彼らの友達になれないって誰が決めたんだ?しかもあいつら…」僕の脳にあった何かが外れた。
「うるさいしうざいしめんどくさいし文句ばっかり言ってくるし僕の大好きだった場所をうるさくしてしまうし…本当にめんどくさいよ」
彼女はポカーンと僕を見つめてきた。「そう…だったんだ…」彼女は膝を地面について、しょんぼりとしてしまった。

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