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「だってここにはケーブルがないから。もしもここにぼたんがあるならケーブルがつながっているはず。だからそうかんがえただけ」彼女は常識的なことを言ったが、皆は少し驚いた。「それじゃあそこらじゅう蹴りまくるか」デリルガが袖をめくりあげていった。しかし、彼女は慌てて止めた。「ちょっと待ったー!それあダメでしょ」デリルガはムッとした。「どうしてさ。この方が早いよ」ココミは仕方なく説明した。「だって本当にボタンを壊したらゴールできなくなるでしょ、そうしたら皆困る。ここから出る方法は…ある」ココミはハッとしたらしく、井辺名に頼んだ。「ん?何て?」彼はぼーっとしていて話に耳を貸していなかった。「だから、あの角目掛けて殴ってくれる?」ココミは大きめな声でいった。「ああ、いいけど、どうして?」彼は頭をかしげた。まるで知っているが知らないふりをしているように見える。あるいはただ面倒なような。
「ヨッと」彼は立ち上がり、彼女が言っていた壁の方へ歩いて行った。「ここでいいのか?」彼は聞いたが、彼女が答える間もなく反応した。「分かった」彼はにやりとした。「高速ブースト、腕力増加」彼はまた奇妙なことを言い、その壁を殴った。その壁には半径50cmはありそうな穴ができた。「やっぱりすごいね」ココミは色々なことに慣れることが特化しているのかわからないが、全く驚かなかった。「こ、これは…」彼が開けた穴の反対側にはボタンがあった。何の変哲もない、ボタンが。「どうしてわかったんだ?」忍座は興味津々でぐいぐいと攻めてきた。「え、えーっと…アノ二ちゃんが本当にここを壊せないようにしたいならこの壁をもっと分厚くする必要がある。だけどここんには薄い壁しかなかった。」「でもそれはこんな高価な壁を大量生産できなかったんじゃないか?」しかし、彼女は首をふった。「そりゃそうだよ。ここだけ分厚くされていなかった。ということはこの壁の反対側に何か隠してあるということだ。まあ多分だがこの場所は気まぐれだろうけどね」彼はココミを見た。「う、うん。まあこの場所は気まぐれだけど壁の反対側にボタンがあるっていうのは確信してた」彼女は少し自慢した。「そしてここまで技術もあり、お金があるのは1人しかいない、そろそろ出てきた方がいいんじゃない?この世を作り出した本人、神のヴァンダリス」彼がそういうと、突然煙がどこからか出てき始めた。「睡眠ガスか、毒ガスか!?」しかし、それは霧と同じ、ただ視界を遮るためにつかれた白い煙だった。〈よくわかった、それは評する〉謎の声が聞こえた。
これは声なのか? 金木は周りを見て警戒した。その声は地の底から腹の底まで聞こえる不思議な声だった。とても人間でも機械でもない声だった。「お前は誰だ」井辺名も一体何が起きているのかを把握しきれていない。〈私の名前か。私の名前はバンダイルス、皆からはなぜかヴァンダリスと呼ばれている〉皆はザワザワとした。「これを作ったのもお前か、ヴァンダリス」井辺名は真剣な顔で聞いた。

ああ、そうだとも

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