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私+君‐私は帰り途中に道に迷ってしまった

私は消えていた。
私は不思議な男の人を残して私は駆け出した。
この夢から逃げ出すことがあるはずだ。
私は菱で駆け回っていた。
すると、頭の中に声がしてきた。
「おい!」だが、どこから聞こえてくるのかがわからない。
私は走り回った。
だんだんと気が遠くなっていく。体が消えていく。声が多いくなっていく。
気が付くと天井が見えた。
その前には少年が私を眺めていた。
君だ。
私は君にしがみついた。
大泣きした。
それを君は何も言わずに優しい目で見ていた。
私は泣き止むと立ち上がった。
もしもあの夢が少しは本物とつながっているのならば…
私は外に飛び出した。昨日は疲れていたのでパジャマじゃなくて私服で寝てしまった。
私はあの山めがけて駆け出していった。私の記憶をたどっていくと、そこには小さな小屋があった。
まだ新しく、誰かがそこに住んでいるようだった。
すると、後ろから声がしてきた。「また僕を追い出しに来たのかい?」
私が後ろを見ると、そこにはあの男性が立っていた。
思った通りだ。彼は本物の世界でもホームレスだったのだ。
私は彼に向いた。「いいえ、私はあなたことをここから出れば忘れるつもりです」
彼の表情は変わらなかった。あの時と。あの時も優しい、穏やかな表情だった。
「一つ訊きたいと思ってきました」彼が驚くのも無理はない。
急に私が現れて彼のことを知っていたのだから。
「どうして僕がホームレスをしているということかな?」
確かにそれも聞いてみたいが、首を振った。
「違います。私が訊きたいのはどうしてあなたのような人がホームレスをしているのかです」彼は首をかしげた。
「同じことのように聞こえるがね」少し考えてから彼は答えた。
「自由だからだよ」彼は背中にしょっていた大きなバッグを下した。
私にはわからなかった。毎日が苦労する生活でいったいその生活のどこが自由なのかが。
彼は空を眺めながら続けた。「社会で生きるのは大変だ。毎日仕事をして、子供を持って世話をして。でもホームレスになればそんなことを考えなくていい。まあ子供がいなければの話だがね」
私はうつむいた。
確かにそうだ。仕事は大変だけど、ホームレスなら仕事などしなくてもいい。
「でも…」私は彼を見た。必死の顔だろう。「あなたのような優しい人がこんな大変な日々を過ごす必要はないと思います」
私は一息吐いてから続けた。「あなたならもっと自由な生き方もできるのではないでしょうか」
彼は少し目を丸くした。少し考えてから口を開いた。「少し考えておくよ」
私はその後、頭を下げるとその山を去っていった。

「もしもし」1人の男性が電話機に100円を入れて番号を押した。
『どなたでしょうか』電話の中から声がしてきた。
「僕だ」すると、電話の中から焦りの声が流れ出してきた。
「今どこにいるのですか!?」彼はフっと笑みを出して答えた。
「小説家として復帰したいと思う」
電話の中の男性は喜んでと答えた。

「どうしよう…」私は路地の中をうろちょろとしていた。
右に行ったらいいのか左に行ったらいいのかもわからない。
『私は』
これってやばいかも…
『帰り途中に道に迷ってしまった』

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