速く走りたいので、スピードに極振りしました(32)
「あれ?ドユこと?」その後ろでナギトさんがはなぜか動揺していた。皆は彼を見た。「どうした?ササミに似た人がいてもおかしくないと思うけど」「気のせいかもしれないけど…この人…ササミが飼った
あのトランスフォーマットじゃない?」すると、彼女は反応した。ビクリと。「そういえば見てないね。あのスライム」カナデも思い出していた。「でもどうしてわかったの?」コナミさんが彼に聞いた。「簡単なことさ。どうやらこのトランスフォーマットはササミに変わる時、ボタン式の腕時計が消えるみたいなんだ。今もほら、服装は変わってるけど腕時計がないだろ?」3人が見てみると、ナギトさんが言った通り腕には時計をしていなかった。
「よくわかりましたね」トランスフォーマットは一息してから立ち上がった。「確かに私はササミさんに飼われているトランスフォーマット、ナンバー.2954番です。しかし、私は少しコードが壊れていたらしく、最後にササミへ変わったとき、戻ることができなくなったのです。今はこのゲームのクリエイターに報告して直してもらっているところです」ココミは何か違和感を持っていた。「でも…見た目は似てるけど話し方が全く違うね」「それは…教えることができません」トランスフォーマットはとても静かだった。
「それならそれだとして…これからどうするんだ?」「とりあえず食べようか。お腹もすいてるだろうし」すると、3人…いや、4人のお腹が鳴った。ナギトさん、コナミさん、ココミとカナデだ。どうやらカナデもお腹がすいていたらしい。「2954番はどうする?」さすがだ。色々な知識を持っているからなのか分からないが、1度言われただけでトランスフォーマットの番号を覚えていた。
「私はやることがあるので失礼します」「お腹はすいてない?」ココミがいてほしいのか聞いたが、「私は先ほど食べたので大丈夫です」と簡単にスルーされた。
「どちらにしますか?」店の人は4人にメニューを渡してきた。「最近のNPCは本物の人間みたいだなー」すると、店員が僕たちの方を見てきた。「私は普通の人ですけど?」4人は驚いた。「え!?でも実際の世界で働いた方がいいんじゃ?」すると、その人は顎に手を置いた。そして皮膚をめくりあげ…その中から男性の顔が出てきた。「僕はこのゲームを動かすために来た人ですから」その顔はイケメン男子だった。「…」そういえばココミは顔のきれいな男子が苦手だった。と言っても気体ではなく、その真逆だ。めちゃくちゃ簡単に好みリストへ入れてしまうのだ。
すると、カナデ、コナミさんとナギトさんが同時に声を出した。「あなたは…」「あなたは…」「あんたは…」3人はボカーンと驚いていた。「やあ、カナデとコナミ…だっけ?ここでは実際の名前を口に出しちゃいけないしね。確か2たりはこのゲームを買ってもらった時以来かな、そしてナギトか。そのアイテムは取り返してやる」ナギトさんと男性はにらみ合った。「やれるもんならやってみろ」ココミは4人を見て戸惑っていた。「話が見えないんですけど…」4人はココミを見てハッとした。「ごめんごめん、彼はこのゲームで一番重要な人、このゲームの製作者だ」カナデに説明してもらい、ココミはめちゃくちゃ驚いた。「え!?マジで!?」慣れているのか彼は全く動揺しなかった。「まあそういうと思ったよ」「それで、どうしてここに来たの?」コナミさんは興味不振に聞いていた。「まあ理由はたった一つ、」彼は真剣な顔になった。
このイベント、何かがおかしいんだ。
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