拾った女の子は常識知らず‐圃盧嘉は馬鹿に見えました
「あの~…そろそろ戻っていただけると嬉しいんだけど…」だが、彼女は僕を見てきた。
「いや、当分戻る気はないのだが。今のところは」私は目を丸くした。
これが問題だ。
僕はどうにか戻ってもらうように強調したが、彼女は一切言うことを聞かなかった。
「その体でその話し方って…」僕はもうあきらめることしかできなかった。
彼女にいくら説明しても聞き耳を持ってくれないだろう。
時間に頼むしかなかった。だが、戻ってほしいかといわれればYESと答える。
「少し見回ってくる」彼女は立ち上がると入ってきた方向へと歩いていった。
だが、そこの先には僕が立っていた。「ここから外に出ることはよしてもらいたいね」
僕は彼女をにらんだ。いったいどんな被害をもたらすか想像がつかないほどだ。
僕は彼女をにらみ、彼女は僕をにらんだ。「どうしてだ?」彼女は笑みを浮かびだした。
僕が考えていることはすべてわかっているだろう。
僕はそこから動かなかった。外に出ればこの世界が滅びるかもしれない。そんなことが起こってもおかしくない人物かもしれない。
「ほう、そんなことを考えていたのか。この世界は平和になったな」僕は目をぱちくりとした。どういうことなのかわからない。
彼女は僕に向かって普通に歩いてきた。その後ろからはあの九尾狐がついてきた。
体はホノカだ。小さい。だが、彼女から流れ出てくる圧力が半端なかった。
僕は何もすることが出いなかった。
彼女は普通に外に出て、息を吸った。「空気を吸ったのは何億年ぶりだろうか」彼女は遠目で周辺を見た。
「ここは本当に人間が支配してしまったのか」彼女の目を見ると、笑っていた。だが、その奥には悲しみもあった。
彼女が生きていたころはこの地球が自然で満ちていたということはすぐにわかった。
だが、今は人間が完全支配をしてしまい、自然がどんどん小さくなっている。
批判する人はたくさんいるが、その人たちがどうにかできるものではない。
僕もどちらかというと反対だ。何千年、何億年と自分のものにしてきた自然が急に人間の支配下になるのは。
自分がある家を持っていたが、急に誰か知らない人が来て家から追い出されたのと同じだ。つらい。悔しい。そして…憎いだろう。
彼女はそのまま山を下りていった。近くからついてきていた九尾狐がやばいと思ったが、僕たち以外に見える人はいないようだ。
彼女は肩にしがみついていたカメレオンに頼むと、カメレオンが虹色になり始めた。
少し経つと、ホノカは全くの別人になっていた。「何が起こったんだ?」僕は彼女を頭のてっぺんからつま先まで見た。
彼女は数回跳ねると歩き始めた。どう見ても普通の大人だ。これが本来の姿なのだろうか。
「ねえ」僕は彼女に訊いた。「それは本来の姿なの?」彼女は頷いた。「だが少し服装と髪型は変えたよ、ここに似合うためにね」
彼女は普通の女子高生ともいえるし、大人とも言える。
だが、分かることはたった一つあった。だが、それを言えば多分文句を1時間ほど聞くかもしれない。
彼女の足を見たところではとても遠距離を走れるのだろう。だが、他には顔を見た時に思った。
彼女は頭がよくなさそうだ。
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