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百不思議の小学校‐地獄へ落ちた少年少女3

府野火ふのび健太けんた
石野いしの葉波はなみ
舩場氏はなばし幸四郎こうしろう
堀野過ほりのかすぐる

僕たちはゾンビたちの餌になる。
僕の頭はもう少しで真っ白になった。
痛いのだろうか、苦しいのだろうか。
僕は怖かった。ゾンビの餌になるのが。
僕たちは死に物狂いで逃げた。
後ろにはもう後ろにはゾンビなど見当たらないが、とにかく逃げた。
死にたくない、痛みというものを知りたくない。
僕たちは壁のあった場所にたどり着いた。
だが、運よくそこにはもう壁がなかった。
僕たちが外に出ると、後ろに壁ができた。
まるで僕たちを助けているかのようだ。
僕たちは息を整えた。
「そ、それで…石野は…」俊は恐怖の顔をしていた。
僕は何も言うことはできなかった。
「そんな…」俊の目からは二粒の涙が流れ落ちた。
「…」それから少しの間、僕たちは沈黙に落ちいた。
どうにかしようと、僕は一番最初に思ったことを言った。
「とにかく彼女を見つけてここから逃げよう」みんな同感だったが、その場は暗いままだった。
僕たちはお互いを励ましあうとまた歩き出した。
出てきた穴を伝っていくと、ずっと続いていった。
周りを時々警戒したが、あり一匹すらいない。
何かがおかしいとは思っていたが、とにかく進み続けた。
遠くからはうなり声が聞こえてきたが、なにも見当たらなかった。
そのまま伝っていった。その先には、終わりが見えなかった。
だが、大体30分ほど歩いていると大きな円形のものが見えた。
運よく僕たちがぎりぎり通れる穴があったのでそこから中に入っていった。
その中は平和な世界にしか見えなかった。
空も存在し、太陽もある。普通に人もいた。
だが、同じ言語を話さないようだ。
僕たちは彼らにこの世界のことを聞くことができなかった。
僕たちはこの世界の平和さにもう少しで惑わされるところだった。
遠くに見えたのは一人の少女だった。僕たちの知っている少女だ。
「葉波!」僕たちは大急ぎで葉波を追った。
だが、それは数人の男性に封じられた。
「何をしているのかな」今度は日本語を話していた。
さっきまでのは演技だったのだろうか。
「何って…彼女は僕たちの大事な友達なんです。通してください」だが、男たちは動かなかった。
「彼女はまだ若い少女だ。ちょうどいい昼飯なんだよ。最近はいい食料がなかったからな」
僕の目は凍った。
昼飯
ということは、食べるということだ。
「なぜ食べるんだ」幸四郎は男たちをにらんだ。
「なぜっておいしいからさ。十代は一番、ね」幸四郎は答えた。
「彼女はまだ9歳だ」幸四郎はうそをついていた。
だが、どうしても返してほしいのだろう。顔を見ればわかる。
彼の顔に現れている怒りを見れば。
「それでもさ。君が嘘をついていることは簡単にわかる。死学校で習わなかったか?」
幸四郎の目は見開いた。「死学校…なんだ、それは」幸四郎は強引に通ろうとしたが、無駄だった。
「お前たち二人は牢屋にでも入って反省しろ」その時、僕は気づいた。
二人 その言葉が引っかかった。僕は俊のいた場所を見た。
だが、もうそこには俊がいなかった。
慌てて周りを見ると、彼は花見のところに立っていた。
だが、何かがおかしかった。
彼が彼女を助けないというところだろうか、
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あの、深い笑みだろうか。

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