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百不思議の小学校‐スペシャルlストーリー後、幸運石

「そんなことがあったのですか…」話し終えると彼女は口を開いた。「一度死んだ気持ちはちょっと変な気分だったよ」苦笑いをしたが、それは嘘だった。変な気分も何も覚えていなかった。僕が自我を取り戻したいといってから生き返るまでのことは何一つ覚えていなかった。気が付くと路地に転がっていたのだ。しかし、それでは納得してもらえそうでなかったので作り話を話したのだ。
「でもまあ気が付いたら妖怪を見えるようになってたんだ。でもその代わりに死ぬ前の記憶が消えてね。それで一見のことも認識できなかったんだよ」僕は申訳なく思った。それは本当だ。「そのことなら大丈夫です」彼女はニッコリと笑った。「覚えてる?私にくれたこの石のことを」彼女は首元に手を入れた。「え?」覚えていなかった。しかし、あるものを見るとすぐに分かった。
「これのこと」彼女は石を取り出した。「!?」僕はその石を見た途端に背筋が凍り、後ろに飛びのいた。目の前には真っ黒な石があった。めらめらと黒いものが出ていたのだ。「これはまさか…幸運石…いや、運命の石が…最高レベルに上った石…」僕は後ろに下がった。あれに触れば僕の力が完全に取り消される、そんな気がしてたまらないのだ。「どうしたの?」彼女は近寄ってきた。「ち…」近寄るなと言いそうになり、口をふさいだ。今のは何だ?まるで本能的に話した気がする。本能まであれを嫌がっているのか?なぜ最高レベルに上がっているのだ…今まで一体どこまで幸運を与えてきたのだ。
最高レベルとは簡単に言うと着けていれば寿命以外で死ぬこともない。すべて守ってくれるからだ。一般的にはそれが普通の石にしか見えない。だが、敵だと判断した人間や妖怪、その他の生き物にはこういう風に黒いもやもやが見えるのだ。そしてもしも振れれば害があると判断し、曲げるのだ。曲げるはずなのだ。しかし、その石を触ればどうなるかは僕も知らない。でも、カンで自分の力をまげて取り消す気がしてたまらないのだ。知らないのに、カンだけで判断したのだ。本能が。
「それは僕が触ったらいけないものだ」僕は石をにらみつけた。「あれは幸運石、それを付けていれば24時間365日幸運をもたらしてくれる。しかもこれは最高レベルだ。寿命以外で死ぬことがないだろう。もしも何かが一見に当ろうとすれば起動が変わり、当たらなくなる。そして僕がその石に触れると起動がおかしくなり…自分の力が壊れる」僕は考えただけで背筋がぞっとした。今まで話していた人と話せなくなるということだ。これはカンだが。しかし、今回はカンを信じることにした。「そうなのですか…そんな力を持っていたなんて知りませんでした」彼女は申し訳なさそうに頭を下げた。「大丈夫だよ、それより大丈夫?」僕は空を見た。「もう夜中の0時だけど」「あ!」彼女は慌てだした。
もしかして気が付いてなかった...?

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