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「少しやりすぎたか…」ボスはため息をついてから「す、すみません!」すぐに入ってきた666番は慌てて誤った。「いや、警戒するのは当たり前のことだ。警戒しないほうが悪い」それを聞き、ボスだと思って警戒しなかった333番と666番が少し目を背けた。
「とりあえずここから侵入が可能だ。もう知っているだろうが」ボスはそのまま前に進んだ。「この先にいるはずだ、奴が」彼は早足になった。「この建物のことはどうでもいい、命令だ、この建物は壊れてもいい、直ちに奴、999番を殺せ」
その言葉を聞いたとたんにデリルガが動き始めた。「その命令、」彼は立ち上がり、構えをとった。「本当に…」デリルガは壁めがけて突っ込んでいった。「脳筋ね」彼女も走り出した。
「絶対に見つけてやる!」デリルガは久しぶりの楽しみを味わった。
「もう止めても無駄ね」333番も同じ楽しみを味わっていた。理由は簡単だ。今殺そうとしているのが自分の元先輩的な存在なのだから。

デリルガは部屋から部屋へと壁を突き抜けて進んだ。「いないな…」デリルガは少し頭を悩ませた。「とりあえず…」彼はすべてのものをひっくり返した。
ソファ、ベッド、タンス、机、椅子、考えることができるあったものすべてだ。すると、地面にドアがあった。「これか!」彼は悩みもなしに飛び込んだ。
だが、彼は気が付かなかった。そのドアは鉄で作られていることに。
彼が入ると、うえでガチンという嫌な音がした。「やべ」さすがの彼にも分かったようだ。今の状況がどこまでやばいことかを。
彼は飛び上がり、ドアをぶち明けようとした。普通なら軽々とできる。だが、今回のドアは違った。何回殴っても運ともスンとも言わなかった。
すると、上に誰かが現れた。黒いマスクをつけた体中黒い男だ。二言言葉を言い残し、その場を去った。「お前に私が殺せるわけない」と、「その戸は壊すことができない。せいぜい頑張るがよい、無駄だがな」と。
だが、デリルガはにやりと笑った。そして、また二言だけつぶやいた。「そんなの簡単じゃないか」と、「いい情報をありがとよ」と。
彼は抜け出す方法を見つけたのだった。壊せないドアが立ちはだかっているのに。
そのことを黒男は気が付かなかった。「我が名不明、我々の前に立ちはだかるもの死に至る」

デリルガはなぜか天井をたたきまくっていた。ほとんど傷もつけていない。ひびが入っているだけだ。だが、それが目当てなのかも知れない。
ついに天井が崩れ落ちた。普通ならもっと殴って外に出るが、彼は違う考えを持っていた。しかも、彼は音を頼りに動いているのだ。
彼は今、目も鼻も口も使っていない。理由は簡単、使えばせき込むか、少しの間使えなくなるからだ。天井を壊せば大量の埃が舞い、土が落ちてくることは十分予想していた。
なので、彼は息を止め、目を閉じてとにかく重力と耳を頼りに壊していたのだ。その次には壁だ。壊れるとほかの壁をすべてぶっ壊した。「このぐらいあれば大丈夫か」彼は心の中で呟いてから埃が収まるのを待ち、かけらを拾い上げた。
彼はこのかけらを使い、何かをするのだった。
「脱獄するぞ」

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