拾った女の子は常識知らず‐2か月後、帰ってきた
彼女の足を見たところではとても遠距離を走れるのだろう。だが、他には顔を見た時に思った。
彼女は頭がよくなさそうだ。「あ゙?誰の頭が悪いって?」彼女はどうやら僕の考えていることを読み取ったらしい。
僕はそれから逃れるために否定した。「いいや、僕は頭がよくないと考えた」まあ、同じことだが。
だが、彼女はまんまと引っかかってしまった。さすが頭が悪い奴だ。
僕は彼女を連れて町の中を案内した。特に問題を起こしそうにはなかったのでとりあえずは警戒心を消していた。
だが、念のために見張っておくことはした。
少し時間がたつと、彼女は暇になったのか問題を起こし始めた。
まず一番初めの問題は彼女がやばい人にちょっかいをかけた時だ。
どうやら昔と今では常識がとても違うようだ。「お前たち、何をしているんだ」その人たちは昔で言えばヤンキーのような人たちで、僕が言うには絶対的には回したくない人だ。
だが、そんなことを彼女はお構いなし、ちょっかいをかけに行った。呼び止めようとしたが、もう無駄だった。その時やめたとしてもその男たちはイラついていた。
「あ゙?なんか文句でもあるのか?」もう止めることができないと分かった僕は呼び止めるのをやめ、眺め始めた。できるだけ無関係のフリをして。
彼らは彼女にとびかかり、バットを振り下ろした。だが、バットは宙で止まった。そりゃあ九尾狐が彼女をかばったのだから。
九尾狐の毛はとてもふかふかだが、頑丈だった。バットは真っ二つに割れ、九尾狐は威嚇した。見えていないはずなのに、男の顔が真っ青になった。
「今は誰でも見えるぜ」彼女は僕を見てにやりと笑みを浮かべた。もう確実に問題だ。僕はその場を去っていった。もう彼女とは関係ないことにしようと思った。
彼女はいろいろと問題を起こすだろうが、僕は無関係でいたかったからだ。
その場を去ってから、インターネットではその事件のことで大騒ぎだった。僕は無関係の不利をしていたが、彼女のことはそれから2か月以上聞かなかった。
だが、2か月たつと、彼女は帰ってきた。「…」彼女は確実にいつものホノカだった。もとに戻ったようだ。
僕はほっとした。やっぱりいつものホノカが一番だ。
それから問題になったとすればお母さんは飛び出してきたということだ。
姉もお母さんと同じようにオーバーリアクションだった。
僕が部屋に戻ると、ホノカが歩いてきた。
「よく戻って来たね」僕は笑みを浮かべた。「はい」なぜか彼女は2か月前、変わる前のホノカと同じに見えた。
僕は彼女を寄せると頭を撫でた。彼女はにっこり笑うと倒れた。まだ生きてはいる。寝ているだけだ。無理もない。この2か月間、さまよっていたのだろうから。
僕は彼女をベッドに寝かせると上から布団をかぶせた。服もあの時と同じで全くボロボロになっていなかった。
不思議に思ったが、もう一度頭あ゙を撫でるとその場を去っていこうとした。すると、腕を何かがつかんだ。
後ろを見てみると、ホノカの手が僕の腕をつかんでいた。「フㇷッ」僕は面白くなって少し笑ってしまった。
彼女は寝たままのはずなのに、力が結構強く、僕の手を放さなかった。
仕方なく僕は彼女の横に座り込んだ。
「一緒に一生いて」彼女は寝顔のままつぶやいた。
勿論さ。
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