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速く走りたいので、スピードに極振りしました(50)

「さっきのクモだー!」私は必至で逃げた。地面の中で。「死ぬー!」私は手が動く最高速度で掘った。だが、上にいるどでかいクモもなかなかあきらめなかった。

「そうだ!」私は掘りながらもいい方法を考えた。「このまま下に掘ってもう少し遠くまで掘り、上めがけて彫ったらどうかな?」『成功する可能性は50%だよー!まあササミがおかしなことをしない限りはね』私は驚いた。ちょっとの間だったが、私のにとってはこの声を長いこと聞いていなかった。「花見!最近静かだったけど何をしてたの?」沈黙を挟み、花見の弾んだ声が聞こえてきた。『ソファーでゴロゴロしてたー』

「は!?」私は花見をしかりつけた。

ついでに言うが、花見はなみというのは私、石丸いしまる春香はるか(ゲーム内での名はササミ)の頭に入っているAI人工知能の名前、私がつけた。いろいろなことに応えてくれて、つい数日前に更新され、本物の人間と同じ感情というものが付け足された。私にあった感情をつけてくれたのでこう明るくなったのだ。

「まあ、その情報和ありがたいよ。とりあえず試してみるとするか」私は自他めがけて掘り出した。止まることは許されない。止まれば土に埋もれて息が途絶えるだけだ。「ここらへんでいいだろう。今はどの位の深さ?」『んーっとねー。ちょっと待って、今調べてるから』それから30秒たってもまだ教えてくれなかった。「ちょっと!速く教えてー!」すると、花見は申し訳なさそうに言った。『ごめんごめん、今は約532m潜ってるよ』私はうなずいた。「うん、いいね。これで遠くに行って上めがけて彫ったら…」私が上めがけて彫っている間、花見が何かを言おうとした。『そっちは…』だが、私は集中していたので、止めた。

「やったー、外…だ…-!」私は出てきたところを間違えた。遠くに掘ったはずが、クモめがけて掘り進んでいたらしい。

クモは複数の目で私をにらんできた。『ほーら、言ったのに』花見はあきれテイルのが声で分かった。「さっきの言葉はそういうことだったのー!?」だが、反応する前にクモがクモの巣を張り、私は身動きが取れなくなった。「ヒッ…」私は容赦なく丸呑みされ、記憶がそこで途切れた。


「は!」私は気が付くと、ベッドの上にいた。私は飛び起き、周りを見た。「夢か…よかったー」私はまたベッドに倒れこんだ。「もう朝か、ってかなんでくっきりと覚えているんだろう、悪夢あくむとは怖いものだな」私はため息をつき、ベッドから滑り降りた。「学校行かなくちゃ」私は地面を滑っている気分で救を着替え、居間リビングルーム無の椅子に座った。「おー!今日はチャーハンだ!」私は喜んで食べた。

「ごちそうさまでした」私は食器を流しに入れ、学校に行く準備をした。


「行ってきまーす!」私は家を飛び出して学校めがけて突っ走っていった。「今日はどんなことをするんだっけ?体育はあるって知ってるけど…いやだなー、体育は苦手…特に短距離走とか長距離走がなー…まあ体育でそれがないって願うだけだね」私はスキップで学校まで行った。

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