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その場は大騒ぎだった。
僕は逃げ道はないかと考え、窓を見た。
そこからぶち破って出ることもできるが、それでは学校に怒られるだろうと思い、やめた。
冷静だったのは数人だけだ。
名前はまだわからない。
彼らの中には普通に窓から出ていったものもいる。
だが、数分後には同じ窓から帆織り込まれた。
多分校長先生がやったのだろう。
噂では、天才青年といわれている。
生まれつき2か月で初めの言葉を発して、1年で足し算を覚えた。
2年で掛け算、3年で割り算を覚えた。
なぜか、引き算は6年で覚えたというのが噂になっている。
文字は生まれてからたったの5ヶ月でひらがなを覚えた。
肩かなと感じは誰も知らない。
知っているのは彼の親だが、彼には親がいないというのが噂だ。
僕はそのまま座っていた。特に焦ることはない。
すると、スピーカーから声がしてきた。
『そろそろ出ることが可能ではないのか?』
すると、窓から逃げようとした少年が鉄のドアめがけて突っ込んだ。
僕はある考えがあったので普通にドアめがけて歩いていった。
『?』スピーカーの先にいる人が僕を眺めているのが分かった。
僕はドアの前に行くと、普通に開けた。
「どうしてわかった」その先には男の人がいた。
ヘッドホンをつけていて、どうやらあのスピーカーにつながっているようだ。
彼はどうやら先生のようで、スーツを着ていた。
手には携帯を持っていて、僕をにらんできた。
「さっき音がした」
それだけだった。
さっきスピーカーから奇妙な音がしてきた。
ガーン! という大きな音が。
そして、それはあの少年がドアに突っ込んだ時なった音だ。
だから、ドアの近くにいると思った。
なので、あの『そろそろ出ることが可能ではないのか?』という意味を『ドアを開けた』という意味として読み取った。
単純なことだ。
ぞろぞろと全員がそこから出てきた。
「自己紹介しよう、俺は体育の先生をしている。よろしくといっておこう」
彼は鍵を回しながら言った。
「次の目標地点だ。屋上にボタンを設置しておいた。そのボタンを最後に押した人が失格、宿題倍増だ」
僕からすればそれは少し困るものだった。
宿題をさっさと終わらして、この街を見て回りたかったので、倍増されると困るのだった。
「開始!」全員が走り出した。
ほとんどは階段を上っていったので、僕は違う方法を考えた。
思いついたのは壁を使う方法だ。
まずは裏に行き、フェンスと壁を使って上っていくということだ。
だが、駆けて行っているとき、あの何を考えているのかわからない少年は先生の真横で突っ立っていた。
癖なのか、先生は鍵を指で振り回していた。
私は角を使って上に上がっていき、屋上までついた。
ボタンはそこに置いてあった。
私が押そうとすると、ボタンがずれた。
どうやら逃げるボタンのようだ。
いったいどうやってこんなものを作ったのかはわからないが、いくら追っても逃げ続けた。
私は狐のマスクを取り出した。
これは普通のマスクといっていたので、試してみようと思った。
もしもこれが人を認識するのならば、いい考えがある。
私はつけると、とてもゆっくりボタンに近づいた。
手がボタンの真上まで来て、もう押すことが確実になったとき、屋上まで来るドアから物音がした。
ガチャガチャ、と。

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