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シャドウキラー(51) 最後

ボトリ、何か重いものが地面に落ちた。それに続いてバタリと何かが倒れた。
それを見て666番は青ざめた。「あ゙ッ」彼の口からは一言しか出てこなかった。
デリルガも青ざめていた。333番は凍り付いていた。
「我の前に立ちはだかったものは全員殺す」日本刀についた血をその人物は振って取った。「誰一人」

ボスは死んだ。

首が地面に落ちている。体も地面に倒れている。首から血がドロドロと流れ出てきた。
「コロス」666番の目には血が上っていた。その時、666番の意識は途切れていた。一瞬の間で999番の手から日本刀を取り上げた。
誰にも見えない速さだ。その時彼は体の限界を超えていた。深呼吸をすることで大量の血を体に回し、耐えるために筋肉が強化される。その時、その人物は身体能力が倍増される。
だが、欠点は筋肉が痛むということだ。それから生涯体が動かせなくなる可能性だってある。彼はそのリスクを取ろうとも思わなかった。しかもこんなことを知らない。彼は知らぬ間に知識として埋め込んでいたのだ。
「あ゙あ゙あ゙あ゙!」体が絶えることができない場合、様々なところが壊れる。
彼は日本刀を振った。999番はギリギリのところでよけることができたが、よけるのが一瞬でも遅ければ首が真っ二つになっていただろう。
彼も反撃したが、攻撃は全く届かなかった。「いったい何が…」だが、もう遅かった。666番の持っている日本刀が首の皮膚にあたった。
めり込み、骨も砕き、反対側から出てきた。
いったい何が起こったのだ… 999番は理解できなかった。さっきまでは圧倒的に勝っていた。なのに今はどうだ。この少年に切られた。逆転された。
そんなわけがない。あるわけがない。あってたまるか。我は強い。負けるはずがない。これは厳格だ。死ぬわけがない。死ねぬ。これは夢だ。だがもしも現実だとすれば…
彼の首が地面に落ち、転げた。
仕方あるまい、これがバツということか 彼は目を閉じた。「さらばだ、少年よ」一言を言い残し、動かなくなった。

「勝ったのか?」デリルガはまた動き始めた。だが、喜ぶことはなかった。ボスは死んだ。証拠として地面にはボスの体が2つになっている。
333番も頷いた。「これで終わりよ、すべてが」すると、666番が地面に倒れこんだ。「ゴホゴホゴホッ」口から血を吐いた。体の限界を超えていたからだ。
立ち上がることもできなかった。体中が痛い。考えることもできない。ぎりぎり何かが聞こえるだけだった。

気が付くとベッドで寝ていた。「ごごはいっだい…」声がうまく出せなかった。窓があった。外を見ると町が見える。見覚えのある街だ。
その時分かった。ここは病院だ。逃げ出そうとした。体が動かない。だが、分かることは一つだけだ。勝った。彼らは勝ったのだ。それだけははっきりとわかる。
外を眺めているとデリルガと333番が浮かんできた。いったい何をしているのかはわからない。少しすれば退院できるだろう。外時に会おう。その時までは待機だ。
彼は少し笑った。「また会おう。いつかはわからない。だが、会おう。どこかで、いつか」

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