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Vtuber底辺論~「やりたいこと」がなくても「やりたくないこと」をやらないでいよう~

はじめに

がっかりして、めそめそして、どうしたんだい?

太陽みたいに笑う君はどこだい? 

やりたいことやったもん勝ち 青春なら 

辛い時はいつだって、側にいるから 

夢はでかくなけりゃつまらないだろう 胸を叩いて冒険しよう


1、自分のnoteの反省及び総括ー私は心底憎んでいたあの先生と同じことをいっているー

先日、またまたnoteを書こうと思って情報収集を行い、自身の筆致を確かめる意味合いと自己承認欲求を高めるために自分で書いたnoteを読み直していた。うん、言っていることは間違っていない。我ながらなかなかいいことをいうな。主張も一貫して「Vtuberは己の成したいことをやれ」って言ってるしな…、と思っていた。

しかし、ふ、と強烈な違和感と「嫌な感じ」が浮かび上がってきた。なんだ、この気持ちは。なんだこの感じは。改めて全てのnoteを読み返す。うん、「己の成したいことをやれ」「己の成したいことをやれ!」「己の成したいことをやれ!!」

ふと気が付く。

「己の成したいことをやれ」ってものすごく厳しい一言じゃない?

私は、昔それを言われてしんどい思いをしていたんじゃないのか???

そう思ったその刹那――――――記憶の蓋が開き、封じ込めていた苦いアルバムのページがめくられる

あれは幼き頃。「もうキミたちも大人の半分の年になる。だから、1時間目と2時間目を使って、キミたちの将来を考えてみよう」と、あのしわくちゃの女教師は言ってきた。プリントを回し、1時間目にそれを記入し、2時間目にみんなの解答を見ながら将来のビジョンについて話す、という感じだったと思う。最初のところは20■■年の世界はどうなっていると思いますか?みたいな感じだったから、未来視の力を持つ私は「COVID-19により世界各国が混乱に陥る」と当然書いた…わけもなく、「クルマがそらをとびます(^q^)」みたいな解答をした気がする。

忘れもしないのは、一番最後。「あなたの将来どのようなヒトになっていたいですか?」という項目。

私は悩んだ。なにしろ特になりたいものなんてなかったからだ。どんな風に生きていくか、そんなことは朝食べ残してきたソーセージよりもどうでもいいことだった。

やりたいこともなかった。せいぜい、野垂れ死にだけはしたくないと思っただけだった。出来ることもなかった。習っていた水泳はヒト並よりは若干早いけどその程度で、ピアノは下手くそだった。今も下手だ。

「死にたくない」と書いた。そうではないと思い消した。

近くの席に座っていた陽キャのサッカー少年に、ここなんて書いた?と尋ねた。筆圧の濃い字で「サッカー選手 Jリーグにはいる」と書いてあった。

「お前さ、大体こういうのは習い事のプロになるって書いておけば先生たちは喜ぶんだよ。適当に書いて埋めろよな」と彼はいい、最初の未来予想図の項目に「世界平和」と書いたおりこうさんな解答を先生に提出した。

水泳選手。ピアノのプロ。無いな、と思った。「それではない」ことだけはわかった。だから、そうは書かなかった。

もう一人、近くにいたマジメくんに聞いてみた。未だにはっきり覚えている彼の解答には「サラリーマンになって奥さんを迎えて、マンションを購入して子供が3人。できれば犬を飼いたい」と書いてあった。

「普通、ってこんなもんだろ。とにかく普通に、可もなく不可もなく生きていきたいんだよね」と彼はいい、真面目に先生に解答を提出した。

もしも私が家を建てたなら 小さな家を建てたでしょう 大きな窓と小さなドアーと 部屋には古い暖炉があるのよ 真赤なバラと白いパンジー 小犬の横にはあなたあなた あなたがいてほしい それが私の夢だったのよ
いとしいあなたは今どこに♪ 

昭和歌謡のテレビスペシャルで聞いた曲が頭に流れる

そんな「普通」はイヤだった。真っ赤なパンジーと真っ白なバラが欲しいと願った。だから、そうは書かなかった。

先生がやってきた。「なやむなら、なりたいものを書いてくださいね」。じゃあ、これしかない。ヒトを逸脱している気もしたが、そう言われたので、下手くそな字で「バンギラス」と書き、10分休みを迎えた。

2時間目の最初。私は黒板の前に立たされていた。「真面目な授業で、真面目にみんなの未来を考えるものだったのに、こんなふざけた解答をこのヒトはしました!」先生は大声を上げた。「廊下に立っていなさい!」

私は将来を考える授業を受けることができず、将来のビジョンを欠落したまま2時間目を終えた。教室に戻っていいと言われ、戻るなりガキ大将に「バンギラス!」と言われた。そうだ!私は今バンギラスだ!私をバカにしたこのガキ大将に制裁を加えねばならぬ!

私のとっしん!ガキ大将はダメージを受けた!ガキ大将は先生を呼んだ!私のとっしん!ガキ大将はたおれた!学年主任の先生が飛び出して来た!学年主任の先生のグーパンチ!みぞおちにあたった!私はひるんだ!学年主任の先生のせいあつじゅつ!私はめのまえがまっくらになった…

こうして私はバンギラスどころかサナギラスに退化し、いやそれどころか形が似ているだけのトランセルくらいになり、「からにこもる」と「かたくなになる」だけをおぼえてLv.100になり、蝶に進化するチャンスすら失ったのだった…

―――――記憶の蓋を閉じよう

そうだ、私はあの老教師と同じことを言っていたんじゃないか?「底辺個人Vtuberは夢を持て。やりたいことをやれ」と言っても、実は「やりたいこと」なんて特にないVtuberだっているんじゃないのか?

私は、かつての私のような底辺個人Vtuberに「バンギラス」と書かせてしまうことを聞いているのではないか?

「やりたいことがない」、それの是非はあるにしても、そういうVtuberにとって私がいうことは…とても酷な事なのではないのか…?

そう、気づいてしまったのだった、

2、もういいだろ、「やりたいこと」なんてなくていいじゃん

底辺個人Vtuberはもしかして「やりたいこと」なんてないんじゃないか?

正直「なんか面白そうw」とか「Vなら人気でるかもw」みたいなヒトとか、「V名乗ってちょっと配信やって、裏で遊びてーなー」とか「友達欲しいな」とか、そういうヒトたちがいるんじゃないのか?それでいて「せっかくだし伸びてぇなぁ」みたいなことを考えてるんじゃないのか?

要は、男子とかが「彼女欲しいよなw空から女の子降ってこねぇかなw」って喋ってるのに対して、「じゃあ彼女創るために服を整えて髪型整えて云々」て言うぐらい不毛なことを言ってるんじゃないのか?

あるいは前述の先生みたいに、特にやりたいこともないヒトに「やりたいことやなりたいものを書いてくださいね」って言ってるのと同じじゃないのか?

そう言われればそうだよな。内輪でゲームやって、誰も見ないAmong Usとか知り合い同士でキャッキャして、誰だかわからないヤツと誰だかわからないヤツがAPEXして、それでもいいじゃないか。それで同接2とかでもいいじゃないか。「こんなに頑張ってるのになんで伸びないんだろう…」とかいってフォロワーによしよしされればいいじゃないか!そうだよ!!真面目にVやるなんて、しかも底辺個人Vtuberやるなんて意味ねぇんだ!!!

臆病なマウント心と尊大な自己承認欲求を抱えてトラになったっていいじゃないか!


よくねぇだろ。もっと真剣にVに生きろ。
人前に出て何かする、ということは、見てくれているヒトの時間を頂戴するということだ。最低限それに見合うだけのことをする努力はしろ。もしそれすら嫌ならそれでいい。その代わり「伸びない(´;ω;`)」とか言うな!!!

あれ?主張変わって無くない…?まぁいいか(よくない)

3、「やりたくない」ことは何か?「やりたくないこと」をやるな

とはいえ、実は上の脳内会議を経たことで、今までみたいに単純な「やりたいことをやれ」というよりも、もう少し柔軟な考え方をする必要があるのかな、とは思っている。

そこで提案したいのが「やりたくないこと」をリストアップすることだ。例えば、私は基本的にコミュ障陰キャ内弁慶なので、コラボはよほどのことが無い限りやらない。「取材」はあるけれど、コラボと取材はまぁ別、と思っている。それから、サムネにこだわることは「やりたくないこと」だ。なぜなら美的センスが欠落しているし、学ばなくてもいいかなと思っているからだ。自身のバーチャル身体を自力で加工するのも「やりたくないこと」だ。Blenderと喧嘩して完敗しているからで、学ぶ時間とコストを考えればプロに依頼する方がマシと判断したからだ。

このように「やりたくないこと」を先んじてリストアップしておき、それらを避けつつ活動し、出来れば伸びるようにする、という考え方に切替えてみよう。これならば、無理して「やりたいこと」や「なりたい自分」を見つけ出そうとして、「バンギラス」と書いてしまうこともない。

「やりたくないこと」をやらない。そのかわり、それをやらない代わりにどういうことなら「できる」かを自分で考え、実行する。そうやっていく中で、もしかしたら自分の「できる」ことや「やりたいこと」が見つかってくるかもしれない。

何が好きかより何が嫌いかで自分を語れよ!!!

ということだ。

おわりに

冒頭の記憶の部分要らないと思わない?

えぇまぁ。でも思い出したら書きたくなったのがこのnote書くときの「やりたいこと」だったから、仕方ないね。

もしこのnoteを見ている底辺個人Vtuber諸兄がいたら、「やりたくないこと」をよく考えてほしい。それだけはやらないでいいようなVtuber活動をしていこう。そうすれば、ストレスなく続けられるだろうし、モチベーションも高まるから「長生き」できるさ。


私の一番「やりたくないこと」は、自分の過ちを書いてnoteが執筆することだったことを今、思い出した。

このnoteを書いたことも何もかも、また記憶の底に封じておこう。

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