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Octomore Edition 12.3 The Impossible Equation 5年 (118.1 ppm, ABV 62.1%)

2021年の12年目Octomoreシリーズ。
その中でもウイスキーのテロワールと呼ぶに相応しい.3のIslay Barley。
大麦はアイラ産100%で.1と.2と同様concertoを使用。
.3の特徴はSingle Vintage、Single Farm、Single Field。
Octomoreの中のOctomoreと言っても過言ではない逸品。
James Brown氏が所有するIslay島内のOctomore農場で育った大麦を100%使用しており蒸留所との距離は6㎞で非常に近い。
一つの畑からの大麦を蒸留し、他のVintageと混ぜない為その年の大麦の味わいとなる。
そして熟成期間が長ければ長い程良いという訳ではないことを体現している。
Kavalanも同じ観点ですが気温を逆手に取って樽の呼吸を早めているのでOctomoreの考え方とは異なる。
(とは言え近年様々な土地でクラフトウイスキーが増えた理由はKavalanの影響だと思うが。)
優れた原材料、優れた環境下であれば熟成期間は短くても勝負出来るというのがBruichladdichの考えですね。
Octomoreが年々進化する理由はこういった事がmanage出来る、つまりtrace出来るから。
Octomoreは基本的には5年程の短期熟成が多く、そのタイミングでピークを迎えた限られた樽が使用されています。
12.3はもちろん熟成もIslay島内なので100% Islayウイスキーです。

12.3に出会えた場所は2021年12月11日にマレーシアのクアラルンプールで開催されたWhisky PLUS 2021テイスティングイベントのBruichladdichブース。
12シリーズのボトルが全てあるかどうかは会場に行くまで疑問でしたがちゃんと並んでおり、興奮した私をサプライヤーが受け止めてくれました笑

色々テイスティング。

もちろん12.1のScottish Barleyも12.2のSauternes Caskも購入。
左の10年(3rd edition)は2018年9シリーズなので今回とは無関係。

Bruichladdich 30年 1988を無視するくらい12シリーズに対するプレゼンの熱が込もってました。

ちょうど12月10日にマレーシアに正式に12.3がインポートされたとのことなのでこれからDistributorに卸されるボトル。
.2と同じくらい今回の.3はそそられる原酒構成。

・first fill american whisky cask 75%
・full term in first-fill PX sherry butts from Fernando De Castilla 25%(Solera)

各々5年熟成でヴァッティング。
PXソレラ熟成と聞いてからずっと飲みたかったボトル。
自身にとってはKavalan Solist以来のソレラ。
香りはモルトの香ばしさと甘さ、レーズンとレモンとオレンジピールの柑橘。
ピートの強さは割愛で良いでしょう笑
ニューポットに似たモルトの甘い香りが華やか。
正に5年熟成のメリットが生かされている中で、しっかりとアルコール臭さは抑えられている。
モルトの香りはPort CharlotteのIslay Barleyと似ている、そりゃそうか笑
味わいは口当たりが凄く甘い。
すんごく。
よく口当たりが蜂蜜のようと私は言いますがこれはPXの甘さが前面に出ます。
もちろんスパイスも追いかけてきてOctomoreの良いところが出ています。
大抵のPXはウッディさが邪魔をしますがこれは邪魔をしない、ちゃんとウッディは存在しますがPXの甘さが負けないので、調和が取れているという感じ。
ピートがある分、Kavalan SolistのPX程調和が取れていないですが、ピートとPXが攻めぎ合うので複雑で面白く、ドライで後味オイリーなピートも良い。
で、中間にピートが爆発するのはいつもの感じ。
フィニッシュにかけてもピーティでモルティーで常にOctomoreを味わい続けることができます。
もうあれですね、テロワールの先入観があるのでアイラを食してる感じですね。

加水するとモルトの甘い香りが強くなりますが、少しだけニューポット寄りではなくなります。柑橘感はそのまま、ピートはちょっと弱まる。
味わいはより蜂蜜が強くなりピートが穏やかになる。
このあたりは10年と同じ傾向でアルコールの刺激も少し弱くなる。

ロックにすると香りはそのまま弱くなり、味わいは甘さが少し弱まりますがその分ウッディとピートが弱まるので甘さが際立ちます。
と思って2口目飲むともうスパイスが強くなって甘さが弱くなるので12.3の面白さが失われるような印象を受けました。

今のところOctomore12.3はストレートか加水がオススメです。

※ピート好きな私のテイスティングコメントです。
ピートがダメな知人言わく一般的には甘くないようです。
12.1/12.2/12.3の中では12.2が甘いとのことです。

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