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ラーメン食べたい。

こんにちは。JO-HOUSE石引店主のモカです。このnote「石引OUR FAVORITE CINEMA(アワー・フェイバリット・シネマ)」は香林坊東急スクウェア4階にある石川県唯一のミニシアター『シネモンド』が毎月無料配布している上映スケジュール誌「シネマガイド」の協賛広告掲載スペースを小立野〜石引商店街界隈で付き合いのある店舗・事業主10名で購入して「映画のことを書く」というテーマでリレー連載しつつお店の宣伝を入れ込むという方式で1年前から継続しております。

シネマガイドの広告枠には当noteのQRコードを貼ってあり新しい月のシネマガイドが配布される頃に連載を更新していますので手に取った所でバスや料理を待つ間、コーヒーを飲んでる間などに読み流してもらえたら私たちの目標は達成です。よろしくお願いします。

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僕の番でちょうど連載リレーも遂に1周。では書くぞ!

子供の頃に観た映画を大人になってから見返したら、視点も変わって新しい発見や感動を得たという経験ありますよね。その経験は「子供の頃に見た映画」という「変えることのできない過去」からでしか体験できないこと。

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誰もが知ってる見返し映画といえば「となりのトトロ」。上映当時僕はサツキと同じ小学校6年生だったので「メイはうるせーな」ぐらいに思ってたのが大人になって見たら病気の母親に元気になってもらいたいと一人で病院に向かう健気なメイを見て涙が出ました。さらに今から20年後に見たら「なんでこんなに可愛いのかよ」と祖父目線になってさらに号泣してしまうでしょう。

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200万枚売り上げた大ヒット曲「孫」からもう22年。このお孫さんももう大学卒業して社会人になってるんでしょうか。

・・・それはいいとして、10年前に中国旅行をした際に立ち寄った街のDVDショップで当時のジブリ全作品が入った夢のような23枚組DVDボックスが日本円にして¥3500くらいで売ってました。タイトルは「スタヅオゾブリ作品」!間違えたのか訛ってるのかワザとなのか…買いましたが。

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そんな感じで昨年末の自宅の大掃除の時に映画「タンポポ」のパンフレットを見つけて読んでいたらどうしてもまた見返したくなってしまって配信も無かったので奮発して新品のBlu-rayを購入!1985年上映作品なんで僕が見たのは小学校3年か4年のときか。故・伊丹十三監督の第二作目です。

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主人公の未亡人・タンポポ(宮本信子)が小学生の息子ターボー(池内万作)を育てながら細々と営むさびれたラーメン屋にたまたま入った長距離トラックの運転手のゴロー(山崎努)とガン(渡辺謙)が、タンポポに請われてお店を行列のできるラーメン屋にするべく・・

というあらすじが主軸にあるけど途中でラーメン屋のストーリーとは全く関係ない短編ストーリーがオムニバスのようにいくつも挿入されるのでリアルタイムで見た頃は混乱しました。

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あと、白服の男(役所広司)が全裸の情婦(黒田福美)と生卵を口移ししながらキスをしたりおっぱいに生クリーム塗って舐めたり生きた車海老に酒をかけて下腹部に乗せてピチピチ暴れさせるシーンはど田舎の坊主には色々刺激が強すぎてドキドキした記憶あります。

そんな「タンポポ」を今44歳飲食店事業主となってから見返したら・・・面白すぎました。これもトトロと同じく当時僕は息子のターボーくらいの年齢だったのですが今はタンポポと同世代、というかタンポポ役の宮本信子が当時40歳!もう歳下。当時は僕の母親くらいだったのでおばちゃんと思ってたのに今見返したらめちゃくちゃ可愛い女性にしか見えません。

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餅を喉に詰まらせる老人役の大滝秀治なんて当時60歳!80歳くらいだと思ってました。佐藤浩一や田原俊彦が現在60歳だけどまだまだ老人じゃないよな…

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この映画に出てくる各ストーリーはバラバラだけど共通してるのは「老若男女すべて、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、食べること・食べたいこと(食欲)から逃れられない。食べることの喜怒哀楽、食欲の大切さや切実さや滑稽さ」がテーマとしてあります。

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フランス語のメニューが読めないクセに知ったかぶりをする上司たちの横で貧相な見た目とは真逆で実はフランス在住経験もある美食家の部下(加藤賢崇)がスラスラ注文し恥をかく上司たち。

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テーブルマナー講座でパスタは決して音を立てて食べてはならないと日本人講師に教わってる時に近くのテーブルでフランス人紳士が大きな音でパスタをすすってゲップしているのでそっちが本物だと真似をする生徒たち。

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危篤状態の妻(三田和代)に夫(井川比佐志)が「メシを作れ!」と叫んだら奇跡的に起き上がり朦朧状態でチャーハンを作って絶命。泣きながら最後のご飯を食べる家族。

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大学名誉教授を装って北京ダックなどの高級料理をご馳走になるのが目的のスリ犯(中村伸郎)。

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かなり酷い虫歯の治療中なのにアイスクリームを食べようとする男(藤田敏八)。

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白い服の男に生ガキを食べさせるアマの少女(洞口依子)。

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健康上の理由で愛人から「絶対に食べてはいけない」と言われていた天ぷら蕎麦、鴨南蛮、お汁粉を愛人が居ない隙に全て注文する富豪の老紳士(大滝秀治)。

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触感フェチでスーパーにあるカマンベールチーズや果物やパンをぷにぷに触って商品として使い物にならなくする上品な身なりの老婆(原泉)を追いかけるスーパーの店員(津川雅彦)。

人生最初の食事シーン。

個性的なシーンばかりの映画ですが「タンポポ」で一番有名なのはラーメンよりホームレスが閉店後の深夜の洋食屋に忍び込んでターボーのためにオムライスを作るシーンでしょうか。今でも日本橋たいめいけんの「タンポポオムライス」は名物ですね。 あ、今はオムライスよりオムライスを作ってる漆黒の3代目シェフの方が有名かも・・・

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茂出木浩司シェフは最近肺ガンから完全復活なさってさらに黒くなっています。

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見終わったら美味しいラーメン屋に食べに行きたくなりますよ。ラーメンじゃなくても美味しい何か。ほら、カレーとか…石引にあるあのお店とか。

♪ラーメンたべたい
ひとりでたべたい
熱いのたべたい
ラーメンたべたい
うまいのたべたい
今すぐたべたい

と歌ったのは矢野顕子さん。そういえばみんなラーメン大好きなのにラーメンのことを歌った曲って少ないですね。美味しいおすすめ映画あったら教えてください。美味しい料理は人を幸せにする。


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